スペシャルインタビュー

大学受験
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新聞を活用して賢く情報を「伝え」 「受け取る」お稽古を

同年代の若い世代にも、さまざまな社会問題に目を向けてほしい。そんな思いから、お笑いを通して社会問題を発信しようと、勉学と芸能活動の傍ら、さまざまな情報発信を行い、お笑いジャーナリストを目指すたかまつななさんに、受験に役立つ新聞活用はもちろん、若い世代としていま抱えている問題意識などを伺いました。

正しい日本語の習得がホンキを伝える第一歩に

私はいま、慶應義塾大学の総合政策学部で学ぶ傍ら、東京大学でもジャーナリズムについて学んでおります。慶應受験の際、AO入試を選んだため、自分が大学で何を勉強し、どのような成果を上げたいかといったことを、明確に大学側に伝える必要がありました。また、東京大学で学ぶ際にも自分の考えを整理し、たくさんの志望者の中から選抜していただけるよう、自分の思いを正しく伝えることで入学を認めていただきました。

この「伝える」ということが、いまの私にとってとても大切なキーワードとなっています。私は小学生のころから自然に新聞を読む家庭に育ちました。もちろん当時は意識していませんでしたが、新聞の文章は「5W1H」の原則で書かれていますから、それを毎日読むことで自然と正しい日本語の習得ができます。ちなみに私のお上品な言葉づかいは家庭環境故に、ということもありますが(笑)。この正しい日本語の習得がまずは「伝える技術」の基礎となります。また、新聞の社説や天声人語などのコラムを読むことで、さまざまなニュースを事実として知っているだけではなく、それらがどういう意味をもち、社会にどんな影響を与えるかなど、多方面から理解を深めることができます。新聞によって論調がちがいますので、できれば複数紙を読んでみることをお勧めします。こうした訓練を積むことで、論述問題や小論文において、私も身につまされましたが、与えられたお題に対して自分なりの視点を持ち、筋道の通った論理的な文章を書くことができるようになると思います。

こうして大学受験を終えた私はいま、お笑いを通して社会問題を若い人たちに伝えることができる「お笑いジャーナリスト」を目指して、日々勉学に励んでおります。そんな私の強い味方はやはり新聞です。

お笑いを通して社会問題に関心をもつ若者を増やすために

私が同年代の皆さんに社会問題を伝えたいと思った原体験は、小学校4年生の時に参加した、アルピニストの野口健さん主催の「環境学校」に参加し、富士山の不法投棄の現場を目の当たりにしたことです。「この状況を誰かに伝えたい。一緒に考えたい」という自分なりの問題意識を持ったのです。そして子ども記者として記事を書いたり、学校でスピーチしたりと伝える機会を得ることができました。しかしなかなか本当に伝えたい同世代には関心を持ってもらえませんでした。

そんな折、爆笑問題の太田光さんが学者の中沢新一さんとの対論を収録した「憲法九条を世界遺産に」を読んで、「こんなユニークな政策提言をされる学者さんがいらっしゃるなんて!」といたく感銘を受けました。恥ずかしながら高松家では、お笑いといえば落語や狂言だったため、太田さんを存じ上げなかったのです(笑)。でも、「これですわ!」と直感いたしました。若い人にも関心がある、お笑いでアプローチすればいいのねって。これが私らしい社会問題の伝え方なのではと気付いたわけです。

それからの私は「どうやったら伝わるか」について熱心に研究しています。例えば尊敬申し上げ、目標とさせていただいている池上彰さんは、どうしてあのようにわかりやすく解説さえるのか。大学のゼミでは言語学がテーマなのですが、親しみを持たれる話し方や、礼儀、そして何よりわかりやすく例える比喩表現に着目しております。そして何より大切なことは、伝えるべき社会問題をどう捉えるか。これはやはり小さいころから読み慣れた新聞を読み続けることが一番の近道だと感じています。

18歳選挙権が可決し、いよいよ今年から適用されます。いまこそ若い世代が政治に関心を持つチャンスです。これからの社会はますます複雑化し、山積する問題を、政治家だけではとうてい解決できません。私たちひとり一人がアンテナを張り、問題意識を持って取り組み、解決の糸口を探ることが求められているのです。インターネットでしか得られない情報ももちろんありますが、ネット世代だからこそ、新聞など既存のメディアとインターネットの情報をうまく使い分ける能力を身に付けることがこれから大切になっていくと強く思います。

教育の現場に取り入れたい、笑って学べる社会科講座

意外に思われるかもしれませんが、私たちお笑い芸人は日ごろから熱心に情報収集に努めています。時事ネタをチェックするために新聞に目を通していらっしゃる方も多いですし、楽屋でも「TPPってなに?」といったように、ニュースで話題になっている時事問題について聞かれることもしばしばあります。

なぜ私たちがニュースを把握すべきだと考えているか。それはですね、ネタの材料にすることはもちろん、ネタを披露する前、目の前のお客様に、「最近不景気ですよね……」といった共通の話題から入ることで、そのあとのネタにうまく導入でき、ネタがイキイキするから。いわゆるその場の空気を整えるという感覚でしょうか。

受験を突破されて大学に入学すると、今度は就職活動が待っていますよね。そして社会人の方と接する機会が多くなると思います。よくコミュニケーション力について話題になると思いますが、そこで大切なのは共通の話題を持つことではないでしょうか。同年代であればスマートフォンからの情報で事足りるかもしれません。でも、年配の方とお話をする機会を得た場合、やはり新聞記事が役に立ちます。社会の大先輩は新聞をきちんと読んでおられますから。そして、私も苦戦していますが、企画書をつくったり、文章を書いたりというシーンでは、自分を主人公にするのではなく、読み手の気持ちを考えながら取り組んでこそ、本意を伝えることができます。その点、つねに他者に伝えることが意識された記事を読むことができる新聞は重要です。以上の理由から、大学に入ったあともぜひ新聞を読み続けると良いと思いますよ。もちろん「たかまつなな」が発信する社会問題にも注目くださいね。

「たかまつななの笑って学べるニュース」というライブを開催していますが、今後、高校などの社会科教育の現場でも開催したいと思っています。お笑いをきっかけに、多くの方が世の中の社会問題やニュースに関心を持っていただければ幸いです。(談)

たかまつ なな(たかまつ・なな)
1993年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部4年。東京大学大学院情報学環教育部1年。夢は、お笑いを通して社会問題を発信すること。お笑い界の池上彰を目指し、現在フリーで活動中。新聞の子ども記者として6年間で70本あまりの記事を執筆。お笑いライブやTV出演などの芸能活動を行う一方、「たかまつななの笑って学べるニュース」など、さまざまなイベントやワークショップなどの企画を自ら手がける。
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