朝日新聞

増田ユリヤ - ちょい読みインタビュー
増田ユリヤ

「?」を大事にすることが、
考える力につながっていく


今はインターネットでニュースが24時間配信されているので、ネットでざっと把握したニュースを新聞でじっくり読み返すというのが私の読み方です。専門である国際面は全て目を通しますし、「論壇時評」などのオピニオン欄も必ず読みます。以前メディアのリポーターをしていた際に、取材を通じて世の中には本当にいろいろな人の考え方があるというのを痛感しました。この経験から、自分の考え方が偏ったものにならないよう、専門と関係のないテーマでもできるだけ多くの考え方を知っておくようにしています。
デジタル版は外出時にスマホで「ちょい読み」でチェックして、夜にパソコンで開いてプリントアウトします。アナログって思われるかもしれませんが、余白にメモができて便利なんですよ。他にも、読み逃した記事を探したり、関連した過去の記事を調べたりするのにデジタル版を活用しています。
紙面でもデジタル版でも書いてあるものだけでは理解できなかったり、「これって本当?」と疑問があればネットなどで徹底的に調べます。読んで終わりにせず、わからないことを1つずつ潰す。こうした作業の積み重ねがその人を作っていくと思うんです。時間があるときにちょっと立ち止まって考えたり調べたりするのは大事ですね。それが、いずれ考える力につながっていきます。 
増田ユリヤ

まずは新聞を開いて、
気になるものを選ぶところから


高校で社会科の教師をしていたときに、新聞を使った授業をしていました。例えば、親の年収が高い子ほど学力が高いという記事を取り上げ、どうしたらお金をかけずに勉強できるかなど、みんなで話し合いました。答えが明確にない授業というのも必要だと思ったんです。
それでも、「どうして新聞を読まなきゃいけないの?」といった質問をよく受けました。そんなときは、「将来どういう仕事をするかを考えるときに、社会を知っておくことは大切だよ」と話していました。まずは、興味のあることや身近なことを読んでみるのがおすすめです。ネットで検索すると、上位にあるページしか読まないですよね。でも、紙面だったら開くだけでたくさんの情報があって、その中から気になるものを選べますよね。
これまでフィンランドやフランスなど数々の国で取材しましたが、片言の英語でも中身があればきちんと耳を傾けてくれます。言語はツールであって、共通の何かを持っていれば会話は成り立つのです。国際情勢にも目を向けておくと、語学力以上に大きな助けになります。毎日、新聞を一生懸命読まなくていいんです。気になるものを拾って少しずつ読んでいくだけで、どんなに小さなことでも必ずいつか役に立つときが来ます。