将棋に興味を持ったそもそものきっかけは、
“新聞を読みたい”と思ったことでした。

女流棋士/竹俣紅さん

    PROFILE

    1998年生まれ。東京都出身。女流棋士初段。
    小学1年生から将棋を始め、中学2年生14歳で女流プロ入り。
    現在早稲田大学政治経済学部に在学中。現在まで各地将棋イベント等、将棋の普及活動に力を入れる傍ら、小学校時代からクイズ番組等に出演し、高校生からはコメンテーターとしても話題に。
    将棋で培った冷静な判断力を生かし現在もメディアで幅広く活躍中。
    2017年12月に自身初となるフォトエッセイを発売予定。

    写真 竹俣紅

    新聞を読んでみたいと思ったことが女流棋士の今につながっている

    女流棋士としての仕事をしながら、早稲田大学の学生として毎日大学に通っています。仕事は棋戦への参加のほか、クイズ番組などテレビに出演させていただくことも多いです。特にバラエティは自由に話して自分を出すことができるので、楽しいですね。大学でも将棋部に入っているので、授業が終わってお仕事がない日は、部室に行って将棋を指しています。

    そもそも私が将棋に興味を持ったのは、小学校に上がる少し前のこと。実はその頃に大人が新聞を読んでいる姿を見て「私も読んでみたい」と思ったことが始まりなんです。当時親にそう言ったら、「これは漢字が分からないと読めないんだよ」と言われて。「じゃあ私、漢字を勉強する」って言って漢字ドリルで勉強を始めた、ちょうど同じ頃に近所の本屋でたまたま将棋の本を見つけました。将棋って、駒に漢字が書いてあるじゃないですか。当時の私にとって、ゲームと漢字の組み合わせというのがとても衝撃的で、興味を引かれて始めてみようと思いました。一見何の関係もないように思えますが、新聞への興味が、漢字の勉強と将棋への興味につながったんです。

    写真 竹俣紅

    比べ読みで、ニュースを多面的に見る面白さを教わった

    小学校高学年で漢字が読めるようになってからは大人と同じ新聞を読み、知らない情報を得ることの達成感を味わっていました。新聞は、中学や高校、そして大学でも教材として使っているので、小さな頃からずっと身近な存在です。文章の構造も、新聞を読んで自然に学びましたね。

    大学の授業では、新聞各紙を比べ読みして、それぞれ何を見出しにしているのか、見出しの文字サイズはどうか、そこから各紙が強調したいことは何なのかといったところを意識して読むよう教えてもらいました。1つの事実を多面的に見ることの面白さを感じています。家で新聞を読むときにもすごく意識するようになり、習ったことが生きています。学校の勉強は何に役立つのか漠然としていることも多いですが、新聞を使った勉強は実際の出来事につながっているので、意義があるなと思います。

    私は「天声人語」や「特派員メモ」が好きで、よく読みます。「天声人語」は今知りたい旬の話題がまとまっていて、文章としても完成されているので、とてもいい勉強になります。「特派員メモ」は、現地に行った人にしか分からない情報が詰まっているので、驚きがたくさんあって面白い。こういった内容はネットニュースには絶対ならないので、新しい発見があります。新聞は小さい頃から読む習慣が身についてるので、時間がないときでもこうした好きな記事は「ちょい読み」します。

    あまり新聞を読む習慣がない人は、ネットニュースでも読めるような大きなニュースではなく、あえて新聞の内側にある小さな記事や気になった記事から「ちょい読み」してみるのがいいかもしれません。著名人のインタビューも面白いのでおすすめです。まずは小さな記事や気になった記事から始めてみると読みやすいし、習慣として続けていきやすいのではないでしょうか。