新聞はネタの宝庫。
新聞なくしては、生きていけません。

漫画家/やくみつるさん

    PROFILE

    1959年、東京都世田谷区生まれ。漫画家。早稲田大学商学部卒業。出版社勤務を経て、漫画家デビュー。
    1996年に第42回文藝春秋漫画賞を受賞。テレビのコメンテーターやエッセイストとしても活躍し、好角家として日本相撲協会外部委員も務めた。世界のトイレットペーパーや有名人のタバコの吸殻など珍品コレクターとしても知られる。日本昆虫協会副会長。週刊誌などへの雑誌連載も多数。

    写真 やくみつる

    新聞が白紙で届かない限り、必ずネタが見つかる

    午前中に締め切りが多いため、朝まで仕事をして、4時頃にガタガタと配達の音を合図に朝刊をざっと読んで寝て、その後起きてからもう一度じっくり読むというスタイルです。夕刊も帰宅後に夕飯を食べながら読みますし、新聞を読まない日というのはないですね。

    時事的な記事だけでなく、生活や暮らしに関する記事もチェックします。クイズ番組などに出たり、流行語大賞の選考委員会に入っているため、新しい知識や概念の解説も必ず読みます。情報としてはもちろん、新聞にはネタがたくさん詰まっています。白紙で届かない限り、ネタが見つからないことはありません。皆が共有できる情報源だからこそ、そこを題材に創作活動が可能になる。情報や世界と自分をつなぐかすがいになっています。新聞がないと生きていけませんね。

    主要国とはいえぬ小さな国に関する小さな記事を読むのも好きで、そこから年に3回ほど夫婦で海外へ“逃亡”する行き先を決めることもあります。「ガーナには人を歓迎する文化がある」とたった一文でも興味をそそられるものがあれば、実際に見に行ってみようかと思います。新聞で知識を得て、それを元に現地に足を運び、そしてまた帰ってきてからも訪れた国の記事を読むというように、いつも行動の中に新聞があります。

    写真 やくみつる

    1日3語ずつ、新聞から新しい言葉を覚えていく

    20年以上にわたって毎日、業務日誌というのをつけています。そこに1日3語ずつ新しい言葉を書いて覚えるようにしていて、新聞から言葉を拾ってくることがよくあります。最近はちょっと中断しているのですが、思い出したようにまた始めたり、休んだりしながらずっと続けています。デーブ・スペクター氏にどうやってあそこまで日本語ができるようになったのか聞いたら教えてくれた方法で、私も実践しているんです。3語というとハードルがそれほど高くなくてちょうどいいんですよね。

    ただやみくもに「ちょい読み」を始めるといってもなかなか難しいと思うので、何か目的があるとやりやすいですよね。皆さんも新聞から3語ずつ新しい言葉を見つけながら「ちょい読み」を始めてみたらいいのではないかと思います。1日たったの3語ですが、1年後には膨大な数になりますよね。そうすればいつか自分だけの最新の国語辞典ができるかもしれません。生物に関する記事があったら切り抜いて、新たな1ページとして図鑑に追加しています。これもアップデートされた自分だけの最新の図鑑になっています。