ピーター・バラカン/吉田真弓 - ちょい読みインタビュー

ピーター・バラカン/吉田真弓

人の考え方を知ることができる、それが新聞


ピーター:
夫婦で毎朝、新聞を読んでいます。僕が読むのは英字新聞なのですが、過去に『CBSドキュメント』という報道番組の司会を担当したとき以来の習慣です。やっぱり母語で読むほうが倍くらい速いですし、日本の新聞にはない情報が載っているというのも大きいです。
他に情報収集というと、WEBブラウザーのスタートページをBBCに設定したり、ニューヨーク・タイムズの速報を読んだりしています。

真弓:
私にとっては、新聞といえば昔から朝日です。もともと活字が好きなので、新聞も細かいところまで読み込むほうです。情報を得るというよりは、読み物として楽しんでいますね。
ただニュースをさらうのではなく、それに対する意見や解説のほうに興味があるんです。時間のあるときは、そういった記事も隅々まで読みますね。長く留守にすると、新聞がたくさん溜まってしまうので、全部読むのは大変ですが(笑)。

ピーター:
それでもしっかり読むんですよ、真弓は。例えば1週間分の新聞が溜まっていたとしても、彼女は全部読みます。僕なんか諦めて処分しちゃうから(笑)。

真弓:
そういう時こそ、コラムのところだけ読み込むんです。実際あった出来事としてのニュースはなんとなく知っているので。いろんな人の考えに触れるのが面白い。それも、「ちょい読み」って言えるのかも。

ピーター・バラカン/吉田真弓

面白いと思った記事は共有したい


真弓:
私、いつも面白いと思った記事を切り抜いて、ピーターに渡しているんです。

ピーター:
そうそう。その切り抜きを読むのが、僕にとっての「ちょい読み」。

真弓:
特にコラムの「ひと」が好きです。「私もこの人にインタビューしたいな」とか「ピーターも興味あるだろうな」と感じたものを共有するんです。かれこれ15年くらい続いていますね。長く一緒に暮らしていると、彼がどういうものに興味を示すかわかってしまうんですよ(笑)。

ピーター:
だから、彼女のシェアしてくれるものは「さすが、わかってるな」というものばかり。自分の価値観に合う人の書いたものを見つけると「あっ、待ってました」みたいな気分になります。例えば、コラム「政治断簡」で編集委員の高橋純子さんが見せる、皮肉でちょっとクスってなってしまうような物言いとか。だってほら、イライラしたり、嫌な出来事って毎日絶えないでしょう?そういう時に、新聞のコラムがはけ口になってくれるんです。「よく言ってくれた!」って。それで結果的に物事がよくなるわけではないけれど、救いにはなると思います。

ピーター・バラカン/吉田真弓

全部読まなくていい、というつき合い方


真弓:
こうやって「ちょい読み」していると「あの記事どうだった?」と、ふとした時に話せるのもいいですね。私たちは、お互いに仕事とプライベートの境がないので。最近は時々、駅まで一緒に歩きながら話すこともあります。

ピーター:
ニュースへの親しみ方を、もっと工夫できるといいですよね。今の日本、特に東京だと、「全てのニュースを知らないといけない」っていう強迫観念に囚われてしまっている気がするんです。
そもそも新聞って、編集者が数ある出来事の中から内容を選んで載せているわけですよね。だから、読者も編集者になって、自分自身にとって必要な情報を取捨選択していけばいいと思う。僕の場合は真弓が教えてくれるので、感謝しています。

真弓:
面白い考え方をしている人がいるというだけで、世界が広がりますよね。そういう発見をピーターにも知らせたくて。面白い記事って、知らない世界を丸ごとギフトとしてもらったような、ワクワク感がありますから。

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