スペシャルインタビュー

家庭学習
家庭学習

新聞で「広く」「多角的な」視野を持ち、子どもの教育のあり方を考える

「最高の子育てをするためには最高の自分ありき」そんな思いをもって、母親の子育てを応援するマザーカレッジを主宰し、講演や本の出版など多彩な活躍を見せる、サイタコーディネーション代表の江藤真規さんに、教育や子育てに新聞がどのような関わりを持っているのか、お話を伺いました。

親子で学びあっていくために新聞ができること

私は仕事柄、親御さんから子どもに新聞を読ませたいという話を伺うことも多いのですが、ではご自身は新聞を読んでいるかと尋ねると、読んでいないという方もいらっしゃいます。

今を生きている子どもたちに、将来のために何かをやりなさいといってもなかなか通じません。子どもは、今楽しいことを優先したいわけですから、将来必要という理由で新聞を読ませても長続きしないのです。そのため大切なことは、親がまず模範を示していくこと。私自身の過去を振り返っても、父のイメージは毎朝食卓で新聞を読んでいる姿でした。それが日常の光景としてあったため、新聞が身近な存在としてあり、読んでみようと思うようになったのです。

ですから、子どもだけに読ませようとするのではく、親御さん自身も新聞から学ぶ姿勢を持つことが大切です。親が一人の社会人として前向きに成長しなければ、子どもも成長させてあげられません。いかなる時代にあっても親の役割というのは、自立した子どもを育てていくこと。そのためには親がきちんと子どもと意見を交わしあえる土台を持つ。新聞はよく読んでみると、子どもに関わるニュースや話題がたくさん書かれています。しっかりと読んで、自分の意見を子どもに話してあげる。親がしていることを子どもは真似ますから、次第に子どもも自発的に自分の意見を考えるようになります。親子の会話のきっかけにもなりますし、ご自身の学びのためにもぜひ親子で新聞に触れていただきたいです。

今、これからの時代に求められる、より柔軟な思考と発想ができる子どもたちを育てる教育のあり方が議論されています。これまでのように正解を求める時代から、自分の頭で考え、自分の言葉で表現する力が評価される時代へ変わろうとしています。そのためには、詰込み型の学びではなく、コツコツと積み上げていく学びが必要になってきます。

新聞は参考書のように、ある問題に対する解答を即座に与えてくれるものではありません。しかし、新聞を読み続けていると、例えばある人の人生を変えたインタビューであったり、地域の活動について掘り下げて書かれた記事であったり、普段出逢えない言葉やニュースが不意に目に入ってきます。最初は興味・関心がないと思っていても、無意識的に自分の考えに影響を与え、力になっていく。このように成長するための習慣作りのきっかけを新聞は与えてくれます。

ゆっくり幹を太くしていくように本質的な知識を身につける

最近は若い人の活字離れが少し気になっています。私も本や原稿を書きますが、出版社さんからは文章はできるだけ短く書いてくださいとお願いされるなど、手軽さやわかりやすさが大事にされている雰囲気があります。ですが、そればかりだと内容が上辺のものばかりになってしまいます。何故そうなっているのか、本当にそうなのか、と一歩引いて批判的に考えるという見方を自分のなかに作っていくためには、深く読み込まなくては理解できない情報に触れることも実は重要なのです。

私もかつて、大学院での研究のため、専門書を読もうとした時は、1ページ1ページをすごく時間をかけて読んだり、読んでは戻ったりということを何度も繰り返していました。ですが、慣れてくるとすっと読めるようになりますし、今では斜め読みをすることもできます。 読むという行為は、継続することで上達するということがわかりました。

緊急性はなくても、重要性が高いものに地道に取り組むことで、人生を生きるうえで長く使える知識が身につきます。新聞を子どものころから継続的に読んでいると、文章の理解力や表現力が上がることは間違いありません。少し面倒と感じる時もあるかもしれませんが、新聞は1日1ミリずつの成長。 継続することで、間違いなく大きな力となっていくはずです。細い線路ではなくて、太い幹で進んで行くのが人生。その基になるのが新聞だと考えています。

私は自分の講演の最初に、「大学入試改革についてみなさんどう思われますか」など、その時々に話題となっている、新聞記事を使わせていただくことがあります。このように、お互いに共通の話題があるかどうかはとても大切で、そのためにも共通言語の引き出しを増やすことが、人と自分を繋ぐコミュニケーションのうえで重要です。そうした意味でも新聞が扱う話題は、世相を反映していたり、話題になっていることを深掘りしていたりするため、今後ますます重要だとされるコミュニケーション能力を支えるもののひとつかもしれませんね。

江藤 真規(えとう・まき)
東京都生まれ。東京大学大学院 教育学研究科 修士課程修了。2人の娘を出産後、アメリカ合衆国に7年間滞在。帰国後は主婦業の傍ら、英語講師として100人以上の親子への指導経験を持つ。現在、教育コーチングオフィス、サイタコーディネーション代表として、講演、執筆活動などを行う。2010年春、お母さんのための学びの場、「マザーカレッジ」を設立。著書は『勉強ができる子の育て方』『合格力コーチング』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『子どもに自信をつけ才能をのばすほめ単語101』(ポプラ社)、『「合否は二の次」中学受験』(小学館)など多数。2016年に開校の「RISE Japan」にてアドバイザーを務める。
関連記事

ご購読申し込み

PR版請求

試し読み申し込み

学割申し込み

新聞プレゼント

朝日新聞デジタル

お引越しされる方

学情ナビ

就活ナビ

朝日新聞採用

仕事力

PAGE TOP