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みなさん、こんにちは!マグロ部編集部です。

突然ですが、AB型の人や左利きの人ってみなさんの周りにいらっしゃいますか?これらは「10人に1人」の割合でいるとか...。であれば「出会ったことない」なんてことはないですよね。

実は同じだけ、「LGBT」の人が存在するんです。今回は、Queer&Ally(クィアアンドアライ)* の活動について詳しく聞きながら、理想の社会についてQueer&Ally代表のはるさんにインタビューをしてきました。

* Queer&Ally(クィアアンドアライ)
「誰もがQueer(変わり者)であり、Ally(理解者)である」。そんな多様性を認め合える社会を目指しているのがQueer&Ally。年齢、出身、職業、性別、障がいなど様々な「バリア」が社会には存在しています。特にQueer&AllyではLGBTsとAllyの居場所作りや社会への理解促進の活動を行っています。「日本の街でもレインボーフラッグが掲げられ、そして誰もが自分らしくあれる社会に。」
Webサイト:http://queerally.wixsite.com/queer-and-ally-jpan

【今回の登場人物】

はる 青森出身、東京在住。LGBTsだけでなく、LGBTsもAllyもいっしょに過ごせる空間を増やしていきたいと思い、Queer&Allyを立ち上げる。LGBTs関連の講演の他、交流会についての企画のサポートも行う。包み込むような優しいオーラの持ち主。甘いもの好き。

LGBTsの「s」が持つ無限の意味。あなたもQueer(クィア:少数派)の時がある

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-本日はよろしくお願いします。いきなりですが、LGBTsについて、認識が間違っているかもしれないので、はじめから教えていただけると嬉しいです。

はる:そうですね。改めて言うと、LGBTは「レズビアン」「ゲイ」「バイセクシュアル」「トランスジェンダー」の略です。

さらに「性」を4つの視点に分けます。まず、「ココロの性」。自分のことを男か女かと思っているか。次に「カラダの性別」。生まれた時の染色体とか、性器の形とか。それと「恋愛感情」。誰を好きになるのかとか。最後に「らしさの性」で、社会的な役割とかジェンダーと呼ばれるところが、男なのか女よりなのか。

「らしさの性」は、男女平等の社会になれば、「そんな指標、なにそれ」と思われる部分だと思うのですが、今の所、「スカートをはくのは女性」とか、「ボウズ頭にするのは男性」という意識はありますよね。たとえば、自分はココロが「男だ」と思っているトランスジェンダーの方も「ファッションとしてスカートをはくのは好きだし、暑い時バサバサできるスカートが好き」という人はいます。他人から「それはちょっとおかしくない? ココロは男なんじゃないの?」とかって思われることもあると思いますが、視点を増やせばそこらへんも説明できるようになります。

LGBTsの「s」は何かというと、セクシュアリティにはLGBTの他に「Aセクシュアル」だとか「Xジェンダー」とか何十個もあるということを表していて、でもそれをいちいち繋げていくのは長いし、かといって「セクシュアルマイノリティ」や「性的少数者」と言うのも、噛んじゃうし(笑)「s」を使っています。

あと、セクシュアルとか性的って言葉を使うと、あんまり良いイメージを抱かない人もいます。「LGBTs」って言ったほうが、ニュートラルでポジティブな感じなので、そう表しています。

-団体名でもあるAlly(アライ)Queer(クィア)は誰を指す言葉なのでしょうか。

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はる:Ally(アライ)は一般的には、「理解者、支援者」という訳されることが多いです。ですが、「理解する/される」「支援する/される」という関係になってしまうので、自分としては「いっしょに生きていきたいと思っている人」と表現しています。

Queer(クィア)の定義は、もともとは「変態」って意味で使われていたのですが、それを逆に「個性的」など良い意味に変えて使ったという経緯があります。Queerには言語化しきれないようなマイノリティの人たちも含めていて、異性を愛し性別に違和感ない人たちでも「私はQueerだ」と話す方もいます。

活動内容はLGBTsをメインにしていますが、「QueerLGBTs」としているわけでもありません。少数か多数かは場所や時代によって変わり、Queerとされる人はその時々で変わります。日本にいたら日本人が多数派なので、マジョリティであって、Queer側ではないです。海外に行けばマイノリティになり、Queerになります。

LGBTsの交流会にAllyの方が参加するときも、マイノリティな状況になっているんです。「自分も居ていいのかな」「何か言って傷つけてしまわないかな」「LGBTのあるあるネタに自分もわらっていいのかな」とか思う人もいます。

LGBTが普段抑圧されている分、Allyの人のことまで気にかけることないじゃん」と言われたこともあるのですが、それは自分の考える理想の場ではなかったんですよね。自分は「AllyAlly」というか、関心を持ってこうやって来てくれたってだけでもかなり嬉しいです。

Queer&Allyが月に一回開催する「ことこと」は、どんな人も受け入れて、何でも語れる場所

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-Queer&Allyでは月に一回「ことこと」というイベントを開催していますが、どんなイベントなですか?

はる:こちらで話すテーマを用意して、それについて5,6人のグループで語り合います。たとえば「好きになるとどうなる?」「パートナーとどんな距離感がいい?」とか。そういったテーマを2つくらい話したら、その後はフリータイム。テーマを話したいという人もいれば、他にもっと話したいことがある人はフリータイムで話せるようにしています。

途中でデパ地下で買ってきたケーキを切り分けて、一緒に「いただきます!」って食べます。悲しいことだったり、辛いことだったり、難しいことだったり、普段話せないような話をしつつ、「おいしーーーー!!」ってみんなで食べれるのはいいなって思うんです。既に切られてたり、小分けにされているお菓子じゃなく、その場で切り分けるという作業もなんかいいなーって。

-話しやすい雰囲気を大切にされていることが伝わります。テーマは、他にどんなものですか?

はる:愛ってなんなのか、学校や職場でもやもやすることはないか、親には自分のセクシュアリティのことを言えてるか、自分はどこで生きていくのか、とかですね。LGBTsに限らず、考えたいこと、他の人に聞いてみたいことをテーマにします。テーマにしないとなかなか話し合えないけど、すごい気になるってものが多いです。

-たしかに、そう思います。ところで、「ことこと」はお昼の時間帯に開催しているのですね。

はる:はい。お昼の時間帯にやってます。年齢、セクシュアリティ関係なく話せる場でありたいので、10代の方でも来れるように昼に開催してます。実際に大学生とか、高校生も来てくれています。

どうして今の「ことこと」の形があるのかというと、「こんな会があったらなぁ」と思う自分の経験があったからです。今から4年ぐらい前の自分には、マイノリティの人たちって教室の隅っこで集まってこっそり話す、みたいなイメージがあって、クラスの中心の人たちとは線が引かれているような感じでした。自分はこの線を超えたかったし、入ってもいいんだよ、「違っていてもいいんだよ」という肯定感が欲しかった。「同じだから分かり合える」ではなくて、違っていることを認めたうえで、肯定されたいと思っていました。

年齢制限をしていない理由は、自分がこの活動を始めたとき大学生だったんですが、「大学生じゃなくなったらどこに行けばいいんだろう」と感じて、10年後でも帰ってこれる場所が欲しいと思ったからです。

-Ally(アライ:理解者、支援者にとっても過ごしやすい場所を考えているのですね。

はる:Allyの人にとっても居場所になればいいと思います。LGBTsがメディアに取り上げられて、関心を持ってくれる人も増えてきました。そんな人が「自分には何ができるかな?」って思ってくれたときに、思い浮かぶことってあんまりないと思うんです。レインボーグッズを身につけたり、「彼/彼女」を「パートナー」にすることはできても、それ以外にはなくって。勉強会を開く、社内や校則にLGBTsに関して盛り込むように動く、ってのもあるとは思いますが、「LGBTsAllyも一緒に楽しく話せる」そんな場が身近にあればいいなと。

QueerとAllyの理想の関係は「おかしいと思ったことに、素直におかしいと言える」状態

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-Queer&Ally(クィアアンドアライ)の活動のゴールはどこでしょうか?

はる:自分が活動していて思うのは、LGBTsじゃない人だって「愛ってなんだろう」「パートナーとの関係、どうしよう」って思うことがあるということ。「近所のおばさんからあれこれ言われて辛い」という状況があったとしても、ひとつの視点で縛られることはないんだよって気づける場所があればと思う。たとえば「無理に"女の子"しなくとも自分の魅力って他にもたくさんあるんだよ」ということを考えるきっかけになってもらえればいいなと思います。

-こういう場所をどんどん増やしていきたいということですか?

はる:そうですね。自分は、年齢制限を設けないイベントを開いているので、たまに50代の方が来たりすると、また違った視点や考え方に「なるほどなあ」と思うんです。年齢制限を設けていたら出会えない人だったかもしれないんです。

-自分がLGBTsかもしれないと悩む人は、最初の一歩をどのように踏み出すべきなのか教えてください。

はる:そうですね。その方が大学生なら、大学ごとにLGBTs関係のサークルがあることが多いので、そこを中心に、高校生とか20代の方が集まれればいいなと思います。社会人として働き出したら、いまだに行き場がないんじゃないかなと思うので。

近くにLGBTsサークルが無いとなると、まずはネットを介して1:1で会うということが多くなるのかもしれません。また、地方でもLGBTに関してのセミナーや講演会が開かれたり、大学の中でジェンダーの授業があったりすれば、そこで同じような関心を持った人がいる可能性は高いと思います。最初はどうすればいいのか不安だったり、恋愛対象になりうるもの同士であれば距離感に戸惑ったり、貴重な知り合いを失いたくないという気持ちが生まれたりすると思いますが、まずは自分を大事にしてほしいなぁと思います。

あと、Twitterは情報量が多いので、LGBTsの人をフォローしたらいろいろなニュースやイベントの情報が流れてくるので、まずは情報収集という感じからでもTwitter始めてみるといいと思います。

-なるほど。では最後に、はるさんの考える理想の世界について教えてください。

おかしいと思ったことに、素直におかしいと言えるといいですね。LGBTsだから特別扱いするというよりは、どこかで困っている人がいたらそれを手伝ってあげるのがいいと思うので、わざわざAllyとLGBTsを分けて考えるということがなくなるのがベストだと思います。

-ありがとうございました!

広がっていく輪。不動産仲介、Webマガジンやセミナー運営の「IRIS」、LGBTの教育・成人式・就活を支援する「ReBit」との情報共有

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△左から はるさん、ReBit 山下さん。IRIS 須藤さん(右奥)、IRIS 池澤さん(右手前)。

インタビューの後、LGBTs関連で活動されているRebit(リビット)さんとIRIS(アイリス)さんが「顔合わせ会」を行っていました。各団体が「今どんな層を対象にしているのか、どんな活動をしているのか、これからどうしていきたいか、活動の課題は何か」という情報を共有し、これからどのような動きをしていくべきかという話し合いをされていました。

ReBit(リビット)

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NPO法人(特定非営利活動法人)です。「LGBTを含めたすべての子どもがありのままで大人になれる社会へ」を理念とし、LGBT教育、LGBT成人式、LGBT就活の三軸で活動をしています。 LGBT教育は子供達や先生への出張授業・研修(年間約150回)と、行政機関などと連携し、教材作成をしています。LGBT成人式は「ありのままのあなたを祝うイベント」で、これまで全国13地域、1歳から80代の約4,000名の方にご参加いただきました。LGBT就活は、「自分らしくはたらく」ことを目指し、LGBTの学生・就活生にセクシュアリティを問わず自分らしくはたらける職場の存在や、自分らしくはたらいているLGBTの大人の姿を伝える活動をしています。
【Webサイト:
http://rebitlgbt.org/

IRIS(アイリス)

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LGBTsのライフプランニングのトータルサポートを目的としているベンチャー企業です。2016年4月に設立されました。現在は「誰もが自分らしく」という理念を軸に、不動産仲介、Webマガジンやセミナーでの情報発信などを行っています。不動産仲介では、特に同性パートナーとのふたり暮らし支援に力を入れており、将来的にはFP(ファイナンシャルプランニング)不動産としてお客様を幅広くサポートしていくことを目指しています。Webマガジンでは、FPの視点からLGBTsにとって有益なライフスタイルの情報を提供しています。またLGBTsのための勉強会"マナビヤ"を定期開催していて、ここではお金のこと、人生のこと、恋人のことなど、さまざまなテーマで学べます。
【Webサイト:
http://iris-lgbt.com/

(取材・執筆:渡辺彩香 編集:富澤友則)

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