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突然ですが、問題です。

下の文章には間違いがそれぞれ1個ずつあります。それはどこでしょうか?

1. 久しぶりにふたりで映画館に行った。

  「大人2名様で2600円になります」「もう、前売り券は一人1800円だったのに」彼女に怒られた。

2. 相手の強烈なタックルを受けたアラタは、腕の骨を骨折してしまったのだ。

3. 決戦だ。志を同じくする勇士が一同に会した。

・・・みなさん分かりましたか?正解は、

1.  会話から当日券は1300円、前売り券は1800円だったことが分かる。通常、前売り券は当日券より安いので間違い。(事実確認)

2. 同じ意味の言葉が重なって表現されているので間違い。「腕を骨折してしまった」が正しい。(日本語の使い方)

3. 誤字。「一に会した」が正しい。(誤字脱字)

事実関係や誤字脱字、日本語の使い方。このような間違いを直し、読者に正しい言葉を届ける仕事。そう、それが校閲です。

石原さとみさん主演の10月新ドラマ「地味にすごい!校閲ガール 河野悦子」でも、その謎に包まれた校閲の仕事にスポットライトが当たります。いったいどんな仕事をしているのでしょうか?

今回は、今年から大手出版社で校閲の仕事を始めた、新卒校閲ガールAさんにインタビュー。校閲ガールとして奮闘中の彼女に、校閲のお仕事をナビしてもらいました!

カルビかどうかまでチェックする?!正しい情報を提供する校閲の仕事

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Aさん:校閲の仕事は一言でいうと、「言葉の番人」。正しい言葉を読者に提供するために、誤字・脱字、日本語の間違い直しはもちろん、事実確認も行う仕事です。

事実確認とは例えば、ある雑誌で焼き肉の特集があったとしますね。私たち校閲は、記事内の文章チェックはもちろん、写真が本当に文章と合っているかというところまで調べるんです。例えば、「カルビが美味しいお店」という特集に、牛タンの写真が載っていたらおかしいですよね?そういうところも確認しています。

また、小説や週刊誌では、時刻表や歴史も確認します。その史実は本当に正しいのか、その根拠をネットや文献で探したり。また小説内の時刻表は現実のものと合っているのかを調べたり。普通に読んでいては気づかないような細かいところにまで気を配って、より良い文章にすることが私たちの仕事です。

1日で同僚と交わす言葉は「おはよう」と「おつかれさま」の挨拶だけ。ひたすら文章を読み続ける校閲

―1日の仕事のスケジュールってどんな感じなんですか?

Aさん:私は、9:30に出勤。その後、お昼休憩を除いて17:30までずーっと原稿に赤(=チェック)を入れています。

―1日中文章を読むんですか?!想像しただけでもう...(笑)

Aさん:それを、月曜~金曜まで毎日。基本、1冊ずつ読んでいきますが、忙しい時は何冊か平行して読んでいきます。とにかくひたすら文章を読み続けるだけなので、打ち合わせ以外は話しません。中には「おはよう」と「おつかれさま」だけを言って帰る方もいます。ちょっと普通の職場とは違っているかも。

―ちょっとじゃありません(笑)

LINEがなかなか返せない?!知られざる校閲あるある

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―ところで、校閲には「あるある」とかってあるんですか?

Aさん:ありますね!まず、赤ペンは手放せません。筆箱には赤ペンが2本くらいと青ペン、赤鉛筆と、鉛筆。要確認の時は鉛筆、確実に間違っている場合は赤ペンで使い分けることが多いです。そこは暗黙のルールですね。それから、国語辞典、漢和辞典も必ず持っています。

―これらはすべて必需品なんですね!

Aさん:そうですね。ただ、校閲の部屋ってめちゃくちゃ「しーん」としていて。エアコンの音が聞こえるだけ。だから鉛筆を落としたあのさりげない音でもすっごい響きます。私も落とさないように細心の注意を払っています(笑)

ー挨拶しか言葉ありませんからね(笑)

Aさん:そうなんです(笑)みんな静かに下を向いて原稿をチェックしているので、人の名前と顔が一致しないことも、最初のころは大変でした(笑)これも校閲の仕事ならではなのかなと!

あと、個人的には、LINEとかも、ちょっと長めの文章は送る前と送った後に必ず確認するようになりました。間違っていたときは、もちろん直して送ります。友人には、「どこが間違ってたの?」って言われるほど細かいところですけど(笑)

ー校閲の仕事が生活にも、しみていますね(笑)

人の心を揺さぶる一文を届けたい。私が校閲を選んだ理由

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―そもそもAさんはなんで校閲の仕事を選んだんですか?

Aさん:私は文字に関わる仕事がしたいと思ったからですね。

もともと本や雑誌が好きで。よく読んでいました。就活のとき、何で自分は本を好きかを考えたとき、本を読んでいると、たまに心にぐさっと刺さる、素敵な一文があったりして。それに出会えるから好きなんだなって思ったんです。

そこから、文字に関わる仕事がないかを探していたら、校閲と出会いました。

―文字に関わる仕事ということで校閲を選んだんですね。では最後に、今後、どのように頑張りたいのかを教えてください。

Aさん:1冊の本、1冊の雑誌が出来上がるまでに、作者も人間ですからたくさんの間違いが見つかります。そうしたものを、正しい言葉に直して、正しい内容を読者の人に届けたいですね。

私は言葉の持つ力は大きいと思っています。以前、ファッション雑誌で、トップで活躍しているモデルさんがインタビューに答えていて。そこには、「困難を乗り越えられたのは、先輩の言葉や、とある本の言葉があったから」って書いてあったんです。それを見た時、私みたいな一般人も、最前線で活躍するモデルさんも、"言葉"によって救われることがあるって分かって。それ以来、言葉の持つ力ってすごいなと思ったんです。

だから、私は校閲として文字や言葉に関わって、正しい言葉で作者の想いを伝えたい。その言葉が読者にとって忘れられない、心を揺さぶる一文になったらいいなって思います。

ー私たちの知らないところで、正しい言葉を提供するために働いている校閲の方々。私たちも一文一文、ひと言ひと言を大事にしていきたいですね。Aさん、本日はありがとうございました!

(取材/執筆:濱田七海 編集:伊藤新)

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