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夏の日差しは完全に姿を失くし、風が強く冷たくなってきました。学生のみなさんは肌寒さと共に「就活」の襲来に怯えているのではないでしょうか。

これから企業研究を始める人もいるかと思います。朝日新聞朝刊の連載「カイシャの進化」で、あのポテトチップスで有名なカルビー株式会社が取り上げられていました。今回は新聞記事の要約から、一緒に企業研究を進めてみましょう!

近年爆売れの「フルグラ」を支えるのは、午後4時退社の"主婦の目"

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多くの人がご存知のシリアル食品、フルグラ。「フルーツグラノーラ」から改名して「フルグラ」が正式名称になったことが話題にもなりましたが、現在日本ではシリアル界の大御所です。近年売上が好調のフルグラですが、これを支えているのは女性社員の活躍です。フルグラ事業部の企画部長を務めるのは網干弓子さん。網干さんには4歳になる息子がいます。現在は育児休業から復帰して午前9時〜午後4時の時短勤務。さらにカルビーでは上司に認められた場合、週2回まで在宅勤務が可能です。実際に、網干さんは週に1回在宅勤務をして資料と作っているといいます。

"「パソコンと携帯電話さえあればどこでも働ける。机にしがみついている動き方は前近代的ですね」
在宅勤務の日は、主婦の気持ちになってスーパーの売り場を観察する。新商品に結びついたこともある。"

フルグラの好調は女性社員達のこの働き方から生まれているものでもあります。網干さんは普段スーパーでの買い物の際には会社員としてではなく、主婦としての目線から売り場を観察することで、新しいアイデアが浮かんでくることもあるといいます。実際にそのアイデアから商品が生まれたこともあるそうです。これは1日中会社でずっと机と向かって過ごす働き方では決して生まれないものです。

新しいポテチを生み出す原動力は、徹底した時間管理と子供のため

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カルビーの売上高の約3割を占めるというポテトチップス。この商品企画部の課長もなんと女性です。ポテトチップス部ベーシック課長の荒木友紀さん。荒木さんにも2人のお子さんがいます。荒木さんは子育てと仕事を両立させるために、時間管理を徹底しているそうです。日々の仕事をいかに効率良くこなすかを考え抜いた結果、仕事と子育てを両立できたといいます。

"午前8時半に会社に着くと、前日に文面を準備していたメールを送信し、午前10時までは企画の立案など自分の仕事に集中する。その後、午後3時ごろまで同僚や取引先と打ち合わせ。4時半ごろまでには仕事を終え、6時過ぎに帰宅する。夕食を家族で食べて、洗濯等の家事をして子供の宿題を見る。午後9時までに子供を寝かしつけ、メールを点検して就寝する。「家族と一緒に過ごす時間をつくりたい。そのためにどうしたらいいかと試行錯誤した結果、仕事の効率も高まっていった」"

働く時間が短くても、その時間を効率的に使うことで仕事にもメリハリが出ます。また、仕事にやりがいを感じることも、仕事に対する姿勢を常に高く保つ秘訣であるといえます。カルビーの主力商品であるポテトチップスを任されていることに重い責任を感じつつも、やりがいを感じている荒木さん。子どもたちに「ママが作ったんだよ」と胸を張って言うためにも、「商品に自身の痕跡を残したい」と語っています。

カルビー会長・松本晃氏「女性の活躍なくして成長なし」。ダイバーシティ(多様性)が成功の鍵

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なぜカルビーでは働く女性達の活躍が目覚ましいのでしょうか。カルビー社員の多くが女性の活躍の場を広げたのは「松本会長のリーダーシップだ」といいます。カルビーの会長兼CEOの松本晃氏はアメリカ企業ジョンソン・エンド・ジョンソンの日本法人トップからカルビーにやってきました。その松本氏がカルビーにやってきて最初に感じたことは「男村」であったといいます。

"09年6月に就任した松本会長がカルビーに感じたのは「なんだ、男村じゃないか」。すぐに「女性の活躍なくして成長なし」と社内に宣言。当時、相談役秘書だった後藤綾子コーポレートコミュニケーション本部長は「この会社、1世紀遅れているね」と声をかけられたことを覚えている。"

松本氏はすぐに社内環境改善のための「ダイバーシティ委員会」を設置しました。その結果、2016年現在のカルビーの女性管理職率は22.1%(63人)になり、5.9%(11人)だった2010年と比べると急速に増えてきていることがわかります。松本氏はジョンソン・エンド・ジョンソン時代に女性管理職を増やし、働く環境の改善を行いました。その結果「起用した女性社員が活躍し、売上高が伸びた。その成功体験が原動力となる」と経験を語ります。

ダイバーシティを進めるとアイデアの宝庫になる

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松本氏が女性の働く環境を見直すことの背景にあるのは「ダイバーシティ」という言葉の存在です。実際に連載記事の中でも数多くこの言葉が使われています。ダイバーシティとは、日本語に訳すと多様性のことです。多様性という言葉を聞く機会は多くありますが、あまり正確に意味を知っている人はいないかもしれません。

"「ダイバーシティを進めないと会社は存続できない、勝てない」"

多様性とは様々な性質のものが多く存在していることをいいます。昔の時代と比べて今の時代は多様性に富んでいると言われていますが、それは老若男女、さらに様々な国籍や人種の人がひとつの国で生きているということを指していることが多いです。

消費社会も時代の変化に伴って変化しています。産業革命から続いてきた画一化された商品を大量生産する時代は徐々に変化し、様々な人々のニーズにそれぞれ応えられる商品が求められる時代になってきています。それらのニーズに答えるためには、柔軟な組織であることが求められます。松本会長がカルビーに来て感じた「男村」では女性の感性が製品に取り入れられにくく、女性のニーズに応えられない可能性があります。この問題を解決するためにも、女性の働きやすさや管理職への登用を改善したのです。

ダイバーシティ、つまり多様性は女性だけに当てはまるものではありません。もちろん男性や外国人、老若男女全ての人に価値があるということを意味しています。企画会議などでは経験豊富な年配の方だけではなく、若い人の斬新なアイデアが救世主となることもあります。組織にさまざまな人がいるということはアイデアの宝庫だといえるのです。

新しい社会に対応できる柔軟な組織が作れているか

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"「女性が4割いるなら、管理職も4割いるのが当たり前。女性にゲタをはかせているとの批判があるが、もともとゲタをはいていた男性に脱いでもらっただけ。これから社会はそうなっていくでしょう」"

これからの社会はより多様性を意識したものに変わっていくでしょう。日本で働く外国人も増えていくでしょう。常に変わっていく社会の中で、柔軟に対応していける組織を作ることのできる会社がこれからも活躍していくのではないでしょうか。

これから就活を始める学生のみなさんも、企業研究をする際には企業がいかに「働きやすさ」を意識しているかを気にしてみると、その会社に対する理解がより一層深まるはずです。

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今回の記事は朝日新聞朝刊の連載「カイシャの進化」から紹介させていただきました。新聞には毎日多くの企業の情報が掲載されています。企業研究の際に新聞を読んでみてはいかがでしょうか。

第2弾は株式会社星野リゾート!
【新聞で企業研究】日本旅館を世界へ。星野リゾートの成長を支える働き方「マルチタスク」の背景とは

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