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(キャリアコンサルタントの古澤有可さん。スイス航空客室乗務員として9年半乗務後、2006年にエアライン就職支援を専門とする「ストラッセ東京」を設立。これまでに500人以上のCA・GS・総合職内定者を輩出してきた)

みなさん、こんにちは! マグロ部編集部です。

女子学生から絶大な人気を集める、エアライン業界。3月の就活解禁を控え、ライバルの動きが気になっている方も多いのではないでしょうか。業界を目指す学生はいま何をすべきなのか。エアライン業界専門のキャリアコンサルタント、古澤有可さんに聞きました。

今すべきは面接の準備。問われるは積み上げた経験

本日はよろしくお願いします。キャビンアテンダントになるためには、をテーマにお聞きできたらと思います。学生の皆さんは「いま何をやるべきか」に大きな関心があると思いますが、そもそも今から新しいことってできるでしょうか?

あせってしまう学生は、どうしても今の時期から「春休みどこかに行こう」「海外に行って経験を積もう」となってしまうんですが、今の時期にそれをやってしまうと、面接に対しての準備をすることができなくなってしまうんですね。年があけると企業はスピードを上げて動いていき、3月以降はおおっぴらに説明会ができる。となると面接もそれに準じて行われてきます。

面接の準備はどんなことをすればいいのでしょう?

採用者の方々が見ているものは大きく分けて二つあります。言葉遣いや、大人の方との接し方といった汎用的なコミュニケーション能力と、がんばって何かしら一つのものごとをつきつめ、積み上げてきた経験と。

━積み上げてきた経験とは?

たとえばチームでの取り組みです。客室乗務員やグランドスタッフになるにはかなりやっていて欲しいと思っているようで、面接でわざわざ「チームで何か取り組んだことはないですか」と聞いてくることもあるんです。

チームリーダーが有利ですか。

いえ、リーダーでなくても構わないです。組織の中で自分が役割をもってやってきたことがあれば、支える人でも良いし、メンバーの一員として頑張った、でもいいんですよ。よく、みなさんは「リーダーでやったことがないのでアピールになりません」と切り捨ててしまうんですが、けして切り捨てないでください。頑張って取り組んできて継続して、何かしらの成果をあげたものであれば、それは十分アピールになるので。成果というのは、始めたときから終えるまでの自分の成長だったり、チームの成長だったり。あるいは外から何らかの良いフィードバックが返ってきたとか、そういうもので構わないんです。ごく一般的なものでもアピールになります。

おじさまとの接し方、今からでも磨ける

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(全日空の客室乗務員=出典:朝日新聞)

今はそういう経験のリスト化をする時期だということでしょうか。

そうですね。それに加えて、企業から見られているもう一つのもの、コミュニケーションの力も磨いていかなければなりません。特に大人の男性の方々と話をするのがみなさん苦手なんです。レガシーキャリアと呼ばれるフルサービスのキャリアでは、いちばん上得意になるのはビジネスマンのお客様。その方々ときちんと会話ができないとダメなんですね。ところが、女子学生たちはそういう人たちと触れあう機会がほとんどないので、お話しができないんです。ですので、そういう方々とお話を弾ませられるようにしていきましょう。

━━でも、大人の男性と触れあう機会って持ちにくいのでは?

そういう方々がいるところに足を運ぶことです。たとえば親戚のおじさんの集まりでもいいのです。あとはアルバイトですね。新しく始めるのは難しいかもしれないので、今やっているアルバイトで上司と話すときに気をつけてみたり、お客様とお話するときに気をつけてみたり。

いま2年生という方に関しては、これから始められるでしょうから、あえて大人の男性が集まるような場所を選ぶと良いですね。たとえば高級な割烹料理。よくあるカフェのアルバイト、いまならカフェチェーン店がありますが、ああいうところだとみなさん働いていて、みんなと差をつけられないし、じっくり接客することもできない。でも一番苦手とするところでトレーニングをしていきたければ、接待に使われるような高級なところを選ぶと良いです。ホテルのラウンジとか、変わったところでは野球場のビップルームとか。もしくはサービスを自分から生み出していける個人経営のカフェ。サービス力を磨くだけでなくて、働きかけ力を磨くことができます。外国人と触れあいたければ、わざわざ浅草という土地を選ぶとか。そういうところをわざわざ選んでアルバイトをしている学生もたくさんいます。そんな風にして自分自身の弱点を強化できる機会を探していくんですね。

いろんなところに実践の機会はあるんですね。

そうですね。実践も大事ですし、フィードバックをもらう機会も大事です。自分の話し方とか内容の評価を受ける機会を持つと良いですね。私のようなキャリアコンサルタントのところに来て頂くのが手っ取り早いですが、できないならば職場の上にあたる方々に聞いてみましょう。

━━いきなり社会人の男性と積極的に触れるのは気が引けるという学生はどうすれば。

せめて話の内容でついていけるようにしましょう。新聞や、大人の方が手に取るような書籍を読んでみましょう。ビジネスコーナーに行って、自分が関心を持てる、航空業界やホスピタリティの業界に関する本で構わないです。そういうものを手にとってみることが大事で、そうするとおじさまがたの思考が理解できます。

客室乗務員に求められるのは「引き出し力」「読み解き力」

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(インタビューに答える古澤さん)

おじさま相手というのはわかりました。それでは、航空業界で求められるコミュニケーション力の特徴は?

英語力は必須です。語学だけでなく、国際的な感覚を身につけることが大事です。言い換えれば、多様性に反応できる柔軟性。マニュアル通りに進まないことがありますので。例えば、おいのりの時間にサービスが中断されることがあります。食べられないものがある場合、食べられるもの食べられないものをうかがって、こちらであるものを見繕ってお持ちします。新人の頃はその都度自分で考え、先輩に教わりながらやるしかないんです。

リーダーシップとか、調整力ではないんですか。

リーダーシップというよりは、むしろお話を引き出す力だったりします。「この人とまた話したい」「この人とずっと話していたい」と思われるようになりなさいと、研修の時によく言われます。ただふんふんと聞いているだけじゃダメです。お客様が話していて、気持ちよく話が進んだり盛り上がったりするためには、何らかの働きかけをしていく必要があります。

一番始めの段階として、まずひとことプラスアルファで何かつけなさいと先輩から言われます。たとえば、「ご搭乗ありがとうございました」だけではなくて、「本日はゆっくりおくつろぎください」など、何かつけることで特別感を与えることができたり、この人に相談しようかなと思ってもらえる。「パリに出張するんだけど、おいしいものある?」と聞かれた場合、おいしいお店の話をするだけではなくて、そこにあるメニューで自分が食べて一番記憶に残っていることを話したり。そうするとお客様もイメージしやすいですよね。「もうちょっと聞いてみようかな」と思う。

通り一遍の情報ではダメだと。

この店とこの店があります、だけだとお客様もイメージしづらいですよね。

面接でもそういう力は見られているんですか。

はい。面接官はそこを重視しています。お客様のペースやお客様の気持ち、期待にこたえることが客室乗務員の仕事です。面接でも同じで、面接官はこういう人に働いて欲しいと期待感をもって見ているわけなので、その期待感にこたえていくことがアピールになります。こんな答えであって欲しいというのはおぼろげに面接官の中にあるんです。そこから大幅にずれてしまったり、簡潔にまとまっていないと違うなと思われてしまうので、できるだけ近いものを出していくことが大事です。

たとえば「今日ニュース何か見てきましたか」と言われた場合、学生はほとんどの方が「今日」のニュースを見てこなかったと思い、「本日は時間がございませんでした」と答えてしまう。でも今日でなくてもいいんです。話のとっかかりとして一番始めに聞いているとしたら。「今日は忙しくてみる時間がなかったんですけれども、昨日こんなことがありましたね」とこたえることができたら、面接官はとっかかりとして聞いているわけだから、そこにとっかかりとしてのインフォメーションを与えてくれたという意味で、良い評価を得られる。

柔軟性にもつながってきますね。

そうなんです。いかに面接官の期待通りのものを出せるかが勝負だと思っていただいたら良いですね。だから答えをつくっていっても意味がない。ある程度の筋書きは必要ですし、自分の売りになるもの、エピソードで自分の強みになるものはもっていって構わないんですが、その場に行って面接官が何を期待しているかをまず読み解く力が必要で、その期待に自分自身の持っているリソースを使ってどう答えていくかが大事です。

お客さんの本当に意図していることを読み解くことが一番求められていると。

そうですね。やっぱり仕事では雑談から引き出したり、お客様の様子を観察したりするので。いちばん始めのボーディングのときにお客様にあいさつするんですが、そこで新人のときによく言われるのは「ここが一番大事だから」。ボーディングのときに目を合わして下さる方か、元気におはようと言ってくださるか、おはようと言うんだけれども、ずっと下を向いている方か。「この方はおとなしめな方で、こちらから言わないといけない」だとか、「この人は癖のある方だから注意して見ていく必要があるな」とかわかってくるんです。席をメモして、あとで担当の方に、「ちょっとボーディングのときに気になったお客様がいたんで、もしかしたら癖があるかもしれないわ」ってお渡ししたりするんですよ。

客室乗務員の仕事の中に、サービス以外に保安の業務もあるので、そういう意味でもきちんと見分けるのが大事です。私は客室乗務員時代、不審者を見つけて捕まえたことがありました。3人組だったんですが、始めから様子がおかしい。お食事を食べている様子もおかしい。胃の中に何か入っているはずだと判断して、地上のスタッフと連絡をつけました。薬物の持ち込みで、入国審査のところで捕まっていました。

今からでも遅くない。でも「他人の3倍やりましょう」

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学生はいま周りの優秀な学生がなにをやっているか気になると思います。たとえばインターンシップにはもう行っているかも知れません。あるいは他に何をやっているのでしょう?

特別なことは何もないと思います。優秀な学生たちって、日々一所懸命こつこつ積み上げているんです。その違いです。学生はどうしても先輩を見て安心する学生が多いんです。あの人がなれているから私も大丈夫と。でも気をつけて下さい。受かった方々はえてして「何もしなくても大丈夫」とおっしゃるんですが、その言葉を真に受けないでください。何もしなくて良いという言葉は、積み上げているものを継続しているという意味であって、何もしないという意味ではないということです。

あまり自分の大学生活、積み上げてきたものがないな、という学生が、今から何かできることはありますか。

ぎりぎりで始めても受かる学生はいるので、やりようだと思います。たとえば英語をやっていないなら、今からやり始めて、「GTECとかTOEFLの点数を3カ月で300点あげよう」とか。努力や成長力を企業に見て頂ける。ぎりぎりで何もしてこなかったと相談に来る学生には、「今から他の人の3倍やりましょう」と言っています。

実際に話を聞いてみたい方は「朝日就職フェア」で!

いかがだったでしょうか。ひとくちにコミュニケーション力といっても色々ありますが、相手がおじさまで、相手を読み解く力が問われるというのはキャビンアテンダントやサービス業ならではだなと思いました。

もっと詳しく知りたい方は、3月8日の「朝日就職フェア」に古澤さんが登壇されますので、直接お話を聞いてみてはいかがでしょうか。参加費は無料です。申し込みの締め切りは2月28日(火)なので、ご検討はお早めに!

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