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インターネットやスマホが普及した昨今、新聞を読まなくなった方も多いことでしょう。しかし、新聞にはWebコンテンツにはない魅力が詰まっています。今回はそんな新聞の魅力を伝えるべく、普段新聞を読まない30代に1週間朝日新聞を読んでいただき、その感想を語ってもらいました。モニター対象者には「ひと」「患者を生きる」「けいざい+」いずれかのコラムを読んでいただきました。さっそく、その感想を語ってもらいましょう。

会ったこともない「ひと」のストーリーに、こんなに感情移入するとは思いませんでした。

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川田亮(36)広告代理店 映像ディレクター

最近スマホでニュースを読むことが多かったので、久しぶりに新聞を読んだというのが正直なところです。モニターを依頼されたときは、「ネットがあるのに、なんで今さら新聞?」と思いました。しかし、実際に新聞を読んでみると「やっぱりWebコンテンツにはない良さあるんだな」という印象です。

とくに印象に残ったのは、3月2日の紙面で紹介されていた映画監督、尹美亜さんのコラム。「生きてて地獄ってあんだ」----石巻市でお子さんを3人亡くしたお父さんの言葉。「時間が解決するとは思わなくて」----南三陸町で結婚式6日後に旦那さんを奪われた女性の言葉。子供も妻もいる僕には、こうした言葉が他人事にはどうしても思えませんでした。

取材する方も覚悟がいるような被災地を巡り、映画を撮り続ける尹さん。彼女のモチベーションの源泉はわからないけど、映画作りへの情熱だけはたった数百文字のコラムから十分に伝わってきます。

「ひと」で取り上げているのは世の中で話題になっている映画やイベントを裏で支えている人たち。無名だけど、生き様は素晴らしい。そんな彼ら、彼女らのフォーカスされにくい側面にスポットが当たることで、世の中はいろんな人のいろんな思いが作り上げていることに気づかされます。

メディアは有名なアスリートやタレント、政治家に一斉にスポットを当てがちです。しかし、こうした無名の人の知られざるストーリーを主要新聞社が報じることで、多様性のある生き方、生き様が当たり前の世の中になっていくような気がしました。

スマホやネットの普及でコンテンツは保管するものから消費するものになりました。もちろん新聞も情報の消費、という側面では同じかもしれません。ただ、情報の伝達だけを目的としたコンテンツにはない良さが、「ひと」からは感じられます。切り抜きを保管して折を見て読み返したくなる。そんな血の通ったコラムを久しぶりに読んだ気がします。

30代男性として、「不妊治療」というテーマは他人事に思えませんでした。

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山本康平(31)広告代理店 ディレクター

僕が夢中になって読んだのが「患者を生きる」というコラムでした。平日5日間連載のようなのですが、僕が読み始めた3月5日からちょうど始まったテーマが、「不妊治療」でした。

僕は現在、結婚を控えているんですが、結婚後は"当然"子どもが欲しいと考えています。このコラムで描かれているのは、そんな風に「当たり前に」子どもが欲しいと思っていた夫婦たちが、直面する「不妊」という問題です。

連載の第1回の見出しに「精子が見当たりません」とありますが、この見出しを見た瞬間、「他人事じゃないな」と思い、5日間興味深く読むことができました。その第1回の書き出しが、"約300万円の貯金がまさか尽きるとは----"で始まるんですが、正直「ぎょっ」としました。不妊治療という言葉は知っていましたが、具体的にいくらかかるかは想像したこともなかったので。

記事では「夢精子症」と診断されたある男性とその夫婦に密着しながら、不妊治療のさまざまな現状を、特に「費用」にフォーカスしながら教えてくれます。例えば第2回では、顕微鏡を通して精巣から精子を取り出す「マイクロTESE」という手術について具体的に書かれていました。

 "手術費用は入院費なども含めて約50万円。ほかに予想外に高い出費もあった。妻が通う千葉県のクリニックの培養士にも、精子を探したり運んだりするために越谷病院に来てもらっていた。その「派遣代」が約25万円。「不妊治療はこんなにかかるのか」と驚いた。"

しかも、この手術では「受精しない」という結果に終わります。"特効薬"が存在しない苦しさが読みながら伝わってきました。その他にも不妊治療にまつわる費用が、かなり具体的に書かれています。手術だけでなく、助成金の存在や対象についてもまとめてあり、シンプルに知っていてよかったと思える情報も多かったです。

「患者を生きる」という名前なので、今後は「親の介護」などにまつわる話が読めるといいな、そうした連載があれば読んでみたいなと思いました。

経済情報ではなく、小説を読んでいるような感覚でした。

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石原敬太(35)広告代理店 セールス

これまで新聞といえば、スポーツ面とテレビ欄しか読んできませんでした。そんな僕が経済面で連載されているコラム「けいざい+」を読んだところで、面白さがわかるわけがない、と最初は思っていました。しかし、3月2日(金)から3日間にわたり連載されていた「シェアハウスの闇」、上・中・下を読んで、その印象は覆されました。

「シェアハウスの闇」では1000人以上のオーナーがシェアハウス投資で億単位の借金を背負うことになった問題にフォーカスしています。オーナーたちは年収1000万円以上の高所得なエリートがほとんど。そんな彼らがなぜシェアハウス投資に手を出してしまったのか。

コラムの「上」では、そんな謎に迫り、「中」で不動産業者の巧妙な誘い文句の手口を紹介します。そして、「下」では多くの会社員たちがシェアハウス投資に手を染める一端を担った地方銀行の闇が紹介されます。ここまで読んでしまうと、もはや推理小説を読んでいるかのような感覚さえありました。真相は解明されていないまま「下」が締めくくられているため、続きが気になって仕方がありません。

しかし、これは小説でもフィクションでもなく、事実。ここまで知ってしまったら、もうこのテーマに関心を持たざるを得ません。これからも僕はこのシェアハウスの闇を個人的に追い続けるでしょう。

そしてコラムの随所に登場する「朝日新聞の取材にこう明かした」という文言。シェアハウス投資で借金を迫った人たちや、その裏で暗躍していた業者、銀行も気になりましたが、この事実を追いかけている記者たちにも想像が及びました。「この問題の真相に迫るために、一体どれだけの人を取材し、どれだけの情報を収集したのだろう」、と。

Webコンテンツでここまでリアリティのある記事は滅多にお目にかかれません。最近、時短のためにWebコンテンツばかりを読んでいましたが、報道の元祖である新聞には、まだまだ読み応えのある記事がたくさんあるのだと気付かされました。

まとめ

知りたい情報をダイレクトに検索することは新聞にはできません。しかし、紙面を開けばあらゆる情報が一斉に目に飛び込んできます。今、世の中で何が起こっているのか、世の中で何が注目されているのか。世の中全体の流れ、トレンドを、新聞を毎日読めば、感覚的に把握することができます。

そして、今回モニターしたメンバーが体験した、「なぜ」「もっと知りたい」という欲求を掻き立ててくれるのも新聞の魅力。何気ない日常で起きている事実に、ストーリーと命を吹き込む。それは、百選練磨の記者を抱える新聞社だからこそ成せること。旬の情報と、読み物としての面白さ、そのどちらも提供してくれるコンテンツこそが新聞なのかもしれません。

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