坂本内定塾

就職活動
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提出者の86%が『根拠なし自己PR』(400人中345人)

朝日新聞社主催・就職フェア(2013/6/29)でおこなった『ESコンテスト』の講評です。今回は第3回で、『誇張表現自己PR』に対する改善アドバイスです。今回も内定獲得のために極めて重要な内容です。 

第3回:評価が大幅に下がる「誇張表現」に気をつけよう!

説得力(アピール力)を高めるつもりでやっていることがマイナス効果になることがあります。たとえば、『最後までやり抜く粘り強さ』を強くアピールしようとして、『何事も最後までやり抜く粘り強さがあります』と『何事も』という言葉を付け加えることです。面接官からすれば単なる誇張に感じられます

3大誇張表現

以下の3つの誇張表現は、不用意に使うと大変なマイナスです。気をつけましょう。

●誇張表現1.何事も
不合格例:何事も最後までやり抜きます。
何事も…と言い切ってしまうと、自分を客観視できていないと評価される。

●誇張表現2.常に
不合格例:私は常に努力をし続ける人間です。 
常に…と言い切ってしまうと、極端すぎると(嘘をついている)評価される。

●誇張表現3.誰にも負けません  
不合格例:接客力においては誰にも負けません

内容や範囲を限定せず、しかも、何の根拠もなく、誰にも負けません…と言い切ってしまうと、世間知らずと評価される。

■最もよくありがちな「何事も…」の自己PR例を挙げて説明します

●NG例   

何事もやると決めたことは、それをやりきるまで諦めません。逆境にも常に前向きに取り組みます。ラクロスで培った「持ち前の根性」は誰にも負けません。

【ここがダメ】
威勢はよいが、具体例、根拠は何もないので説得力はゼロ。しかも、人は誰しも、最後までやり抜いていないこともあるはず。よって、「何事も・・・」とか「誰にも負けません」と言い切ってしまうと、自分を客観視できていないと評価されたり、誇張のある人であると思われ、他の発言の真実性も疑われる危険もある。

●改善例 

激しく叩かれても、体当たりされても全試合フル出場しました。私はラフプレーにも絶対にひるみません。ラクロスで「激痛にも負けない根性」を鍛えました。

【改善のポイント】
 ① 誇張表現(何事も、常に、誰にも負けません)を削除した 
 ② 試合時の迫力あるエピソード(具体例)を活用した 
 ③ 面接で質問してもらえるようにインパクトある表現を使った(激しく叩かれても…)

■面接官になったつもりで、5人分の自己PRを読んでみてください!
以下の5人分の『誇張表現自己PR』と各解説(面接官の見方、改善方法)を読んで下さい。自己PRを書く場合の注意点がよくわかります。

●誇張表現自己PR 1人目

【面接官の見方】
「何事も…」という書き出しの自己PRは大変多く、そのほとんどが単なる誇張なので印象が悪い。中身をじっくり読みたい気持ちが失せてしまう。この学生の自己PR(何事も恐れる事なく挑戦し…、粘り強く続けることができる)も単なる誇張に感じられる。理由は、①陸上部で何を挑戦したのか。②恐れるほどの凄い事に挑戦したのか。③どんなレベルの努力をしたのか。④どのくらいの期間続けたのか。⑤挑戦の結果、高い成果を上げたのか。疑問点は少なくとも5つはある。具体例・データが全く書かれていないので、評価ができない。
また、何事もというからには、スポーツのことだけではなく、学業の高い成績やアルバイトでの高い貢献など、複数の事例を挙げていないと説得力がない。
「何事も…」という誇張表現を使うのではなく、実際に行った具体例を軸にした自己PRを書いてほしい。
【改善方法】
陸上部で挑戦した種目について頑張った練習のことを具体的に書くと高評価が得られる。たとえば、練習量(走った距離や時間)、猛暑や極寒の中での練習、自主練習、怪我や痛みに負けなかったこと、戦績がどのくらい上がったか、運動能力がどのくらい上がったか、高いか。などのデータを交えて書くと良い。地区大会や学内大会などの小さな大会でも、高い戦績は、高評価が得られる。また、高い戦績がない場合や補欠選手でも、厳しい練習のことや高い運動能力のことを書けば、高評価が得られる。

●誇張表現自己PR 2人目

【面接官の見方】
「何事も…」という書き出しの自己PRで最も多いパターンは、2人目と3人目の自己PRである「何事も最後まで取り組む」。
この学生は新人教育の事例を挙げているが、このレベルの具体性では説得力はゼロである。学生目線ではこの内容で十分だと思ってしまうかもしれないが、社会人目線では不十分である。そもそも、①新人にどんな仕事のスキルを指導しているのか。②レベルの高いことを指導しているのか。③何人の新人を指導した実績があるのか。④新人の習得の達成度は何によって測られたのか。⑤新人は売上や利益を稼ぎ出す戦力になっているのか。⑥社員から新人教育の良さを褒められたそうだが、具体的にどんな地位・立場の社員からどんな点を褒められたのか。⑦新人のトレーニングを最後までやり遂げたと言える客観的な根拠は何か。⑧新人指導をする他のメンバーと比較して優れているのか。疑問を感じる点は少なくとも8つはある。
また、アルバイトの事例を1つ挙げただけでは、「何事も…」と主張できるほどの説得力はない。
「何事も…」という誇張表現を使うのではなく、実際に行った具体例を軸にした自己PRを書いてほしい。
【改善方法】
アピールポイントは、面接官の印象が悪い「何事も最後まで…」ではなく、「責任感」や「細部まで注意深く指導」などにしたほうがよい。上記の疑問点①~⑧を全て書く必要はない。特に重要な⑤や⑥を含めて、複数書くだけで高評価は得られる。たとえば、指導した新人の人数がおおい場合はその人数、新人の売上が以前よりも(他の指導員よりも)高くなっていること、新人の辞める率が減ったこと、地位の高い社員から表彰されたこと、指導のノウハウが店のマニュアルに採用されたこと、他店でも新人指導を依頼されたこと、このようなことを具体的なデータを交えて書くと高評価が得られる。

●誇張表現自己PR 3人目

【面接官の見方】
「何事も根気強く、最後まで取り組むことができる」ことが納得できるほどの説得力がある事例ではない。「大変な時期」とか「大変なこと」とあいまいに書いているだけで、どんな立場で、どんな努力をして、どんな成果を上げたか、具体例・データが全く書かれていない。要するに、①アイスクリームの販売員として笑顔で接客してきたことだけでは(志望企業の仕事に)根気強く最後まで取り組むことができるだけの力が身につくとは思えない。どんな大変なことがあったのか、困難の具体的に書いていないので説得力はゼロ。②大学でのイベント企画についても、困難の具体例が書かれていないので説得力はゼロ
【改善方法】
最後まで取り組む…ということは証明が難しいアピールポイント。もっと証明しやすく、かつ実務的なアピールポイントにしたほうが良い。そして、数行程度の欄ならば、題材は、アイスクリームの販売員か大学のイベント企画のどちらか1つに絞ったほうが良い。たとえば、アイスクリームの販売員を題材にするならば、アピールポイントは、「クレーム客にも率先して対応。笑顔で問題解決」、「8時間立ちっぱなしでも、満面の笑顔で接客」、「笑顔でもう一品お勧めして、客単価を2割アップ」といった実務的なものにすると大変効果的。本文に、これを証明する具体例・データを盛り込むと高評価が得られる。

●誇張表現自己PR 4人目

【面接官の見方】
見出し(何事にも…)で大きなミスをしていて、とても残念。何事にも…という見出しは、単なる誇張表現に感じられるので、第一印象が悪い。中身を読もうという意欲を失わせてしまう。また、本文も、入稿日に間に合わせるためにどんな努力をしたか具体的に書かれていないので説得力はゼロ。また、アピールポイントが3つもあってピントがぼやけてしまっている。(1.負けず嫌い、2.粘り強い、3.周囲を説得し引っ張っていく自信がある)。最初の行に書いたアピールポイントと最後の行に書いたアピールポイントが違っているのは、読み手を混乱させてしまうので大変なマイナス。
【改善方法】
高評価を得るには、見出しは、具体例・数値を交えた実務的なアピールポイントにすること。たとえば、「締切に間に合わせる根性。徹夜しても必ず仕上げる」、「3000字の記事を90分で書く集中力あり」、「自分の仕事は早く終わらせ、仲間7人の仕事を手伝う」など。本文は、見出しに沿った(一つのアピールポイントに絞った)内容にして、具体例・データを軸にすること。

●誇張表現自己PR  5人目

【面接官の見方】
「何事も全力投球」と言えるほどの説得力はない。①大学の講義は皆勤と書いているが、授業中に寝ていたのか、しっかり受けていたのか(受講態度)が不明。全力投球と言うからには、成績のこともアピールすべき。②ジャズダンスサークルでの活動…と書くだけでは全力投球しているか不明。③家庭教師のアルバイト…と書くだけでは全力投球しているか不明。大学の講義、ジャズダンスサークル、家庭教師に3つが全て中途半端な書き方になっている。
【改善方法】
高評価を得るには、題材は、大学の講義、ジャズダンスサークル、家庭教師のどれかに絞る(この欄に書かない題材は別の欄に使ったり、面接用の話題にとっておくと良い)。見出しは、具体例・数値を交えた実務的なアピールポイントにする。本文は、アピールポイントを証明する具体例・数値を軸にした内容にする。

■まとめ
以上、5名の自己PRを読んで、「何事も…」の書き出しの自己PRの危険性に気付けたのではないでしょうか。自己PRのアピールポイントは、志望企業の仕事に役立つ実務的な内容が最も効果的です。仕事に必要な能力や資質、心構え、経験、考え方などの企業研究をすれば、最適なアピールポイントがわかるようになり、「何事も…」という誇張表現自己PRからは脱却できます

今回、マイナスのコメントを書かれてショックを受けている方がいるかもしれません。でも、安心してください。ポイントをおさえて書けば、見違えるような「受かる自己PR」に早変わりします。これから順次、良い自己PRの実例や改善アドバイスを紹介していきますので、ぜひ読んで参考にしてください。

坂本直文(さかもと・なおふみ)
キャリアデザイン研究所代表。大学非常勤講師(就職指導担当)。ES本・面接本とも売上1位。(有名書店・大学生協・売上ランキング)。全国の大学等で就職講座の講師を務める(実績:東京大学・京都大学・千葉大学・岡山大学・早稲田大学・慶應義塾大学・立教大学・法政大学・日本大学など62大学)。●大学時代に就職支援ボランティアをしたことがきっかけで、将来、就職コンサルタントになることを志し、証券、広告、新聞、教育業界で勤務後、独立。●著書68冊。『内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版』・『内定者はこう話した! 面接・自己PR・志望動機 完全版』(高橋書店)、『何をPRしたらいいかわからない人の受かる!自己PR作成術』(日本実業出版社)など。●ツイッターで毎日指導(@SakamotoNaofumi)。
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