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『留学自己PR』に対する改善アドバイス

朝日新聞社主催・就職フェア(2013/6/29)でおこなった『ESコンテスト』の講評です。今回は第4回で、『留学自己PR』に対する改善アドバイスです。

面接官になったつもりで、10人分の自己PRを読んでください

以下の10人分の『留学自己PR』と各解説を読むと気を付けるべきことがよくわかります。

●留学自己PR 1人目 (アメリカに短期留学)

→抽象的に書かれているので本当に成長できたのかわかりにくい。この自己PRは、以下の9人分の自己PRを読んだ後、もう一度、読み返してください。比較すると、かなり物足りなく感じるはずです。具体的に書かないことの危険性を実感できることでしょう。

●留学自己PR 2人目 (ケンブリッジ大学に留学)

留学するための努力が具体的に書かれているので、努力家であることは伝わる。よって、それなりの高評価は得られる。ただし、問題点は留学の成果が一言も書かれていないこと。これは大変もったいない。留学をするための努力よりも、留学中の努力のほうがインパクトがあるので、後者の自己PRの学生に、評価の高さで負けてしまうリスクがある

●留学自己PR 3人目 (アイルランドの大学に1年間留学)

漠然とした感想文になっているので大変もったいない。留学中にどんな視点を得たか。それが志望企業の実務の中でどう役立つかを具体的に述べることができれば高評価が得られる。後ろの2行の忍耐力を得た話は、「得られた」が2回繰り返されていて文法的にも問題があり、抽象的な概念で伝わりにくいので割愛したほうがよい。

●留学自己PR 4人目 (オーストラリアに短期留学)

留学中に英語を使ってイベントをしたという自己PRは、①行動力の高さ、②コミュニケーション力、人を巻き込む力、④実戦的な英語力と、4つのアピールになるので、とても良い。ただし、この文章は、テレビ会議にどうやって数十人が参加したのか、背景が読み手にわかりにくい。その説明をわかりやすくすると高評価が得られる。

●留学自己PR  5人目 (中国に短期留学)

→中国語検定3級は、中級レベルであり、中国語を本格的に勉強している人においては取得している学生が多い。よって、その他大勢に埋没する危険性がある。高評価を得るには、この文章の5行目に記載の「留学中に行った福祉に関する調査」をメインに取り上げたほうが得策留学中に中国語を使って自主的な活動をしたという自己PRは、①行動力の高さ、②コミュニケーション力、③人を巻き込む力、④実戦的な中国語力と、4つのアピールになるので、とても良い

●留学自己PR 6人目 (アメリカに留学)

→何百人もの学生の留学自己PRを読んで、目が肥えている面接官がこれを読んだ場合、ニックネームで呼ばれるようになった程度のことでは、粘り強さがあるとは見なしてもらえない危険性が高い英語力を自己PRにできない場合は、度胸や行動力を自己PRにする手がある。たとえば、大勢の前で、日本文化の紹介のため、日本語の歌を独唱した、よさこいを踊った…など

●留学自己PR  7人目 (中国に留学)

→何百人もの学生の留学自己PRを読んで、目が肥えている面接官がこれを読んだ場合、身体全体で気持ちを伝える努力をした程度のことでは、粘り強さや努力家の評価はしてもらえない危険性が高い。中国語力を自己PRにできない場合は、アピールポイントを(語学力ではなく)度胸や行動力にする。空手や書道のパフォーマンスをした、あるいは日本料理を振る舞うパーティーやスポーツ大会やピクニック、カラオケ大会を企画開催した…などにすると効果的である。

●留学自己PR 8人目 (中国に留学)

→解説は、上記7人目と同様。

●留学自己PR 9人目 (アメリカに留学)

現代は、留学している人は珍しくないので、留学したことだけでは高評価されない。高評価を得るには、留学先で何を行ったか。どんな成果を得たかを具体的に書くこと。後半の2行は、単に心構えを述べているだけで、実際にできているかは不明なので、これで高評価されることはない。 

●留学自己PR  10人目  (韓国に1年間の留学)

具体的な行動事例(教育実習、韓国語で授業)が軸になっていて良い。書きかけなのが大変もったいない。回数や人数、評価等の数値を盛り込み、客観的にわかりやすく書くと高評価が得られる

■まとめ
高評価を得やすいのは以下の7つ。
1. 志望企業の実務で役立つ専門知識や経験を身に付けた
2. 飛びぬけて高い語学力を身に付けた
3. 語学力を生かしてイベントを企画開催した 
4. (語学力は乏しくても)度胸や行動力を発揮してイベントを企画開催した 
5. 志望企業の現地支社を訪問した
6. 現地でボランティアなどの活動に参加した
7. 現地でマスコミに出演した

今回、マイナスのコメントを書かれてショックを受けている方がいるかもしれません。でも、安心してください。ポイントをおさえて書けば、見違えるような「受かる自己PR」に早変わりします。これから順次、良い自己PRの実例や改善アドバイスを紹介していきますので、ぜひ読んで参考にしてください。

坂本直文(さかもと・なおふみ)
キャリアデザイン研究所代表。大学非常勤講師(就職指導担当)。ES本・面接本とも売上1位。(有名書店・大学生協・売上ランキング)。全国の大学等で就職講座の講師を務める(実績:東京大学・京都大学・千葉大学・岡山大学・早稲田大学・慶應義塾大学・立教大学・法政大学・日本大学など62大学)。●大学時代に就職支援ボランティアをしたことがきっかけで、将来、就職コンサルタントになることを志し、証券、広告、新聞、教育業界で勤務後、独立。●著書68冊。『内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版』・『内定者はこう話した! 面接・自己PR・志望動機 完全版』(高橋書店)、『何をPRしたらいいかわからない人の受かる!自己PR作成術』(日本実業出版社)など。●ツイッターで毎日指導(@SakamotoNaofumi)。
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