林先生の知のアラカルト 〜かしこく生きるコツ〜

Vol.1 情報収集のコツ

言わずと知れた知の巨人、林修先生。現代文の予備校講師として、東大受験生から絶大な支持を得る傍ら、タレントとしても『林修の今でしょ!講座』(テレ朝系)を含む冠番組3本を抱え、その知識をたくさんの人々に届けています。
なぜ林先生は予備校講師とタレントという二足のわらじを履いて活躍することが可能なのか? 忙しい毎日の中でどのように情報を収集しているのか? どうすれば林先生のように成功を収めることができるのか?
そんな疑問にお答えする新連載がスタート! 林先生の頭の中を少しずつのぞき見しながら、“かしこく生きるコツ”を探っていきます!

情報の全体像を把握する

写真 林修

忙しい現代人は、短時間で効率的に情報を収集することが必要不可欠です。僕自身、情報収集は普段から息を吸うように行っていて、隙間時間で気になった本はすぐ読むし、ネットに掲載されている論文などもPDFで保存し、プリントアウトして読んでいます。新聞だと運転すると読めなくなるので、移動は電車にしています。

その際に心がけているのは、“情報の全体像を把握する”ということ。本を例に挙げると、限られた時間の中で、全文を通読するのは不可能です。そこで、まず「目次」をしっかり読んで自分の必要としている箇所を見つけ、そこから読みはじめるというやり方もよいのではないかと思っています。また、全体に対してどこまで読んだのか、何分の一まできているのかがすぐ分かるのが紙の良さです。

新聞も、紙面を見ていけば、情報の全体像が即座に理解できます。見出しの大きさ、記事の大きさで、その記事の重要度を把握することができ、「どのニュースを読むべきか」という情報の取捨選択にも役立ちます。ネットだと重要度の違いがわかりづらいですよね。

このように、全体像を把握することで、自分に必要な情報だけを取捨選択することが可能になり、効率良く情報収集ができる。新聞こそ忙しい現代人に適しているメディアだと僕は思います。

実は、生きる上でも“社会で起きていることの全体像”を把握することは重要です。ものごとは単独で存在しているわけではなく、さまざまな関係が絡み合っている。全体を俯瞰することで、その関係性を読み解くことが可能です。そのために日々の“情報の全体像を把握する”訓練が役に立ちます。

“自分だけの方法”を作る

写真 林修

現代人の情報収集においては“自分だけの方法を作る”ということも重要です。例えば、僕は「この本が面白そうだ」という情報はウェブメディアで知ることが多い。そして本を読みながら、興味がある単語はネットでその都度すぐ調べる。

このように各メディアを使い分け、自分なりの接し方を探るのが大切。そして、実はこのやり方、中学生時代の「辞書を引きながら漢文を読んでいた方法」と全く一緒なんです。小さい頃に作った習慣は、50歳になっても変わらないんですね。つまり、その人にあった方法論は限られているし、意外と一生変わらない。

これからの時代、人に言われた通りにものごとを進めることは、AIの方がずっと上手になる。であれば、これからの時代を生き抜くためには自分なりの方法論を見つけることが大切です。「このやり方でやれば俺はなんとかなるんだ」という方法論を確立できている人が、これからの時代、ますます必要とされると僕は思います。

林先生流 情報収集のコツ おさらい

情報の全体像を把握する

“自分だけの方法”を作る