シニア世代のための
「ちょい読み」

子育てや仕事が一段落したら、自分の時間、そして夫婦の時間。新聞が会話のきっかけになっているという関東在住の読者、Sさん夫妻に、楽しみ方をうかがいました。

PROFILE

夫:67歳でサラリーマン生活を終え、「いまは家事見習い中です」
妻:子どもに関わる仕事をしつつ、子4人や孫たちの成長を楽しんでいる

勤めや育児を終えて生まれたひととき

最近やっと、じっくり新聞を読めるようになったと聞きました。

妻:子育て中は無理でしたね。みんな独立して、退職した夫がテーブルで朝ゆっくり読むようになって、「それなら私も」と、前日の新聞を向かい合って読むようになりました。

夫:サラリーマン時代の平日は、1面のニュースと「天声人語」ぐらいまででした。ようやく新聞の価値がわかってきたかな。

妻:私は夫と全然違って、カタい記事は興味がない。でも、2面の「いちからわかる!」は必ず読んでます。社会のいろんなことをコンパクトに教えてくれる。毎日スクラップノートに貼って、コメントも書くようにしているの。

夫:広告も今は楽しみなんですよね。最近は私が買いものに出ているので、折り込み広告や紙面の広告も大事な情報源です。

妻:1面の下に時々載る、絵本のカラー広告も好きです。新刊も古い本も出ていて、すごくいい。この絵本広告とか土曜日の「読書」面で、孫たち向けの本を探してよくプレゼントしています。

いちからわかる!

ロゴ いちからわかる!

話題のニュースをQ&Aスタイルの文章や図表で素早くわかりやすく解説します。時事問題が苦手な人でも、いきさつや背景を楽につかめます。

サンプル記事を読む

写真 夫婦

音読でわかるお互いの興味、始まる会話

妻:それから、土曜日に入ってくる別刷り「be」。あれだけは私が先にもらって、「いわせてもらお」を音読するんです。

音読ですか。

妻:ちょっと笑える家庭内のエピソード。ツボに入る投稿があったら、夫に読んで聞かせるんです。実のところは老化防止が目的なんですけれども。

夫:老化防止といえば、私は「beパズル」だな。この間、図書カードが当たりました。

妻:もう赤ペンで真っ赤になるんです、パズルのページは毎週ね。

夫:音読は、僕はたまに「天声人語」を。「ここを読んだら?」という意味で声に出してます。

妻:私の音読は一緒に笑いたいからだけど、そんな意味があったのね。

be パズル

ロゴ be パズル

土曜別刷り「be」の人気コーナー。迷路や数独、クロスワードなどを週替わりで掲載。脳トレにオススメ。

デジタル版にも数独ページ→

そのオススメは奥さんの好みに合ってるんですか。

妻:いや、遠慮しますっていう場合も(笑)。ただ一緒に読むようになってから、それまでと違う読み方はできるようになったかな。きょうも国債の記事があって、前は読みもしなかったけど、これは国民のすごい負担になると夫が話してくれたから、大変さが確かに伝わりました。

夫:記事の書き方だけでなく、グラフとか図とかわかりやすいポイントを設けてくれているので、説明もしやすいんですよ。

妻:そうなの? 知らなかった(笑)。

夫:「はやぶさ2」が小惑星の砂を採取した記事でも、その方法の簡単な絵をちゃんと載せている工夫が僕はうれしい。理解しやすく説明しやすいから、コミュニケーションを取りやすいんです。前に他の全国紙や地元紙を試したこともあったんですが、情報が十分に頭に入ってこない感じがして、結局、朝日に戻りましたね。

写真 夫婦

子どもや孫とのコミュニケーションにも

ニュースを知るにはテレビやラジオ、今はインターネットもありますが。

夫:新聞に載っているニュースは、今はインターネットに先に出ていることが多いので、情報としては子どもたちの方が先に知っている。だけど、新聞の価値というのは、人の考え方とか論調にじっくり文章で触れられるところにあると思ってます。

妻:先日、スマホと子どもの関わり方の記事があって、コピーして孫たちに送りました。ちょうど子どもたちが家庭内で四苦八苦していたので。子どもや孫が今どういう社会にいるかを知れて役立ち、伝えて役立つことがけっこうありますね。

読むところ、興味のある記事がご夫婦で違うのも面白いですね。

夫:違うからこそ役立っていると思うんですよ。これだけたくさん情報が載っていて、読むところが違うから分け与えられる、そんな感じです。

新聞がコミュニケーションのきっかけになってるんですね。

妻:それは大きいですよ。テレビは話さないでじーっと見てるけれど、新聞だと「これは」って話しかけて会話が始まる。

夫:ラジオとかテレビの情報は流れていっちゃう。新聞は、書いてあるものがじっくり顔に向かってきます。

妻:私はそんな真面目には読んでない。楽しく読んでるだけなんですけれどね(笑)。