乃木坂46のメンバーとして高校1年生で芸能活動をはじめ、乃木坂卒業後は、タレントやラジオパーソナリティとして多岐にわたり活躍、忙しい毎日を送る山崎怜奈さん。クイズ番組や情報番組への出演だけでなく、報道特番では若手コメンテーターとしても注目されています。
幅広い知識を求められる仕事が多く、そのためにも、仕事の合間の情報収集は欠かせないといいます。普段から朝日新聞デジタルにも目を通しているという山崎さんに、今回、紙の朝日新聞を試し読みしてもらいました。はたして、どのような気づきがあったのでしょうか。

これからの生活にも新聞は欠かせない
新聞は仕事柄、5紙に目を通しています。読むのは、移動中や就寝前、一人でご飯を食べている時など。移動が多いので、普段読んでいるのはデジタル版です。紙の新聞は、仕事で地方に宿泊する際にホテルで提供されるものを読むことが多いですね。
自分で新聞(デジタル版)を契約したのは、大学を卒業したあたりのタイミングだったと思います。高校1年生で芸能界の仕事を始めて、中高一貫校で勉強も大変だったし、大学に入学してからも仕事と学業の両立で、新聞を読む暇がほとんどありませんでした。それに、特に大学は自然といろいろな情報が入ってくる環境だったから、「自分から情報を取りにいく」という意識は薄かったんです。
それが、大学卒業とコロナ禍の緊急事態宣言のタイミングが重なり、仕事と学業でものすごく忙しかった環境からいきなり暇になってしまって。時間ができたことで、テレビの情報番組を見たり、新聞を読んだりするようになりました。もしかしたら、自分でインプットする「時間ができる」ということも、新聞を読むきっかけの一つになるのかもしれませんね。
その後、昼の帯番組でラジオパーソナリティをつとめ、選挙特番などの情報番組や報道番組に出演する機会も増えたことで、さらに幅広い情報が求められるように。新聞は私になくてはならない情報源になりました。朝刊、夕刊の内容をまとめたポッドキャストも聴いています。時短の恩恵を受けているな、と感じますよ。

読みたいコラムが多かったから朝日新聞を読みはじめた
朝日新聞デジタルを読みはじめたきっかけは、読みたいコラムが多かったから。例えば、「三谷幸喜のありふれた生活」「いちからわかる!」「日曜に想う」「売れてる本」「清水ミチコ まあいいさ」など。結構前のものだと「BIGBOSS語録」「どっちだ日本」「ルポ注目選挙区」など好きな連載がたくさんありました。
また、私がパーソナリティをつとめるラジオ番組では、毎回ゲストをお招きしているので、その方についての情報を頭に入れておかなくてはいけないし、クイズ番組に出演するときは地理や歴史の雑学、報道番組では政治の情報が不可欠になります。
そのために、日々いろいろなソースから情報を得ていますが、新聞の情報は特に信頼しています。有料・無料を問わず、インターネットなどにあふれる膨大な情報のなかで、どんな媒体から情報を得るのか、どんなニュースを読むのかは自分次第。新聞には、丁寧な取材を重ね、記事に起こして発信してきた長い歴史があり、その積み重ねは信頼につながります。そこには、お金を払うに値する価値が確かにあるのではないでしょうか。
さらに、朝日新聞デジタルであれば、スクラップ機能を利用して自分が読みたい記事を一覧にして保存できるし、キーワード検索もあって便利。いろいろな分野の識者や専門家の見方を知ることのできる「コメントプラス」はとても勉強になります。新聞を読み始めて気づいたのは、「読まなければ知らないままだった!」という出来事がたくさんあるということですね。

紙の新聞の良さは、ひと目でニュースバリューの大小がわかる一覧性
今回、紙の朝日新聞を数日試し読みする機会をいただき、あらためて「一覧性」の良さを感じました。私は1日のうちで新聞を読める時間が限られているので、まずは、読みたい記事、読むべき記事、見出しだけである程度は理解できる記事、今読まなくてもいい記事などを判断しました。だから、15分でも必要なニュースをちゃんと読めます。その点は、ネットより簡単で、「紙は楽だな」と感じました。
例えば、選挙の話題はキャッチしておきたいけど、自動車保険の話題は見出しで理解しておけばいいか、とその時の状況に応じて読み飛ばしを瞬時に判断できます。自分の主観のみで取捨選択することにならず、万遍なく情報をキャッチできるのは新聞の良いところではないでしょうか。
また、見出しの位置や大きさから、ニュースバリューの大小がひと目でわかり、読むべきニュースの優先順位をつけやすい点も便利ですよね。見出しの大きさなどからつくり手の意図も感じられます。「どうしてもこれを伝えたい」「絶対に読んで欲しい」という記者の想いは、紙の方が伝わってくると思います。
今は、紙の新聞を朝ゆっくり読んだり、持ち歩いたりといったことが仕事柄なかなかできません。ただ、情報のインプットもアウトプットもしなくてはいけませんから、どちらかというと、私にはスクラップ機能やキーワード検索があるデジタル版も合っていると思います。ただ、今回の機会をきっかけに、紙とデジタル版の併用もいいなと思っています。

思い込みで誰かを傷つけてしまわないよう、ちょい読みで自分を客観視
思想がまったくないという人はいない、と私は思っていますが、興味のある分野の情報だけ、自分と同じ意見だけを得て、その思想が偏っていくことは怖いですよね。インターネットからの情報だけだと、そのリスクを抱えやすくなるかもしれません。
正しさが求められがちな今の時代、「自分は間違っていない」と思い込むことで誰かを傷つけてしまう可能性もあります。「自分は物事の一面を見ているだけかもしれない」「自分のこの見方は偏ったものかもしれない」と、常に自分の見方を客観視する姿勢が必要だと思っています。
ですから、自分の関心分野だけでなく、万遍なく情報をキャッチでき、さまざまな立場から物事を多角的に見やすい新聞がきっと役に立つはずです。まずは朝日新聞の「ちょい読み」からはじめてみてはどうでしょうか。