幅広い意見を紹介して自由に議論をする声欄は井戸端会議のようなものだと思います。

担当記者に聞く、「ちょい読み」/声

見出しや年齢、職業。
関心を持った投稿から「ちょい読み」を。

元 大阪本社声編集長/塩谷祐一

PROFILE

1964年、千葉県生まれ。1989年に朝日新聞入社。
大津、阪神、秋田支局などを経て東京本社へ。紙面のレイアウトや見出しを考える整理部(現・編集センター)で主に事件などを扱う社会面やプロ野球の結果などを伝えるスポーツ面を担当、その後、前橋支局を経て東京本社整理部から大阪本社整理部へ。20年にわたって新聞編集の最前線で時間に追われる仕事を続ける。
2016年5月から3年間、大阪本社声編集長。読者の投稿を全て手にとって読むのが朝の日課で、特に小学生の作文が届くのが楽しみだった。
仕事の後はスポーツクラブで筋トレに励む。

「声」とは?

あらゆる世代が、あらゆるテーマで思いをつづる投稿欄。オピニオン面に毎日掲載されています。過去に文豪や政治家、俳優など著名人の投稿が紙面掲載された例も。今も広く投稿募集を続けています。

写真 塩谷祐一

100年を超える歴史

声欄は読者の皆さんから寄せられた投稿を紹介する欄です。1917年にスタートしたので、100年を超える歴史があります。毎日5本から10本の投稿を掲載していて、1つの投稿は長いもので500文字ほど、短い投稿ですと300文字程度のものもあります。テーマはさまざま。政治や経済、世の中の出来事へのリアルタイムの反応が掲載されています。社説と同じオピニオン面なので、あえて違う意見を載せることもありますよ。1日のはじまりの朝に読んで楽しいように、テーマもそうですが、年齢層や職業、男性女性の比率などを1日の紙面でできるだけバリエーションを持たせたいと思って作っています。

写真 塩谷祐一

普段触れあうことのない人の意見に出会う声欄

声欄のおすすめポイントは、テーマ、世代、いろんな意見が詰まっていること。ニュースの場合は見出しの大きさでそのニュースの大小を表しますが、声欄の見出しは全て同じサイズ。子どもだろうと大人だろうと、同じように扱っているのが面白いところです。私が編集長になって1年ちょっとの間にも、100歳以上の方の投稿も何回か掲載したことがありました。ご高齢の方は人生経験が豊富ですし文章も上手ですから、読んでいてこちらが感心させられることも多く、本当に勉強になります。毎月1回、原則交互に載せている「語りつぐ戦争」「平和のバトン」では、当時子どもだった80歳代の投稿が今も届きます。戦争経験者が少なくなっていくなか、貴重な体験を語りついでいくことは声欄の大事な使命の1つだと思っています。

多様な意見に触れるという点で、就職活動をしている学生のみなさんにもおすすめです。自分とは違う意見や気づかなかった物の見方を発見できることがあり、企業選びや面接でのやりとり、入社試験の論文テストやエントリーシートに記入する内容にもプラスになるのではないでしょうか。

写真 塩谷祐一

関心のあるテーマを選んですきま時間に

声欄の投稿は1本400〜500字ですから、数分で読むことができます。見出しを見て関心のあるテーマの投稿をちょっとしたすきま時間に「ちょい読み」していただければと思います。見出しやテーマで選ぶ以外にも、関心のある職業の人の意見を読むこともできるので、まずは1本選んで読んでみてください。朝日新聞デジタルでは住んでいる地域以外の紙面も読めるので、意見の地域性を楽しんだり、同郷の人の投稿に触れて懐かしんだり、という楽しみ方もあると思います。

また、ご家族での楽しみ方では、火曜日には「若い世代」というコーナーがありますので、お子さんと同じ年代の子どもが書いた投稿を読んで、どう思うか親子で議論するのもいい勉強になると思います。掲載された投稿を読んで親子で「私はこう思う」と反論や共感の作文を送ってくださる方もいらっしゃいます。教室やおうちで意見を言い合って活発な議論ができればいいなと思います。

「声」をもっと楽しむアイテム

「声」欄 投稿キット

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