
往復ヒールで立ち子さん(26歳 大学職員・デザイナー)
4人目は、社会人2年目の女性(ペンネーム希望)。仕事仲間との飲み会をきっかけに、新聞を読み始めたそうです。どんなモチベーションの変化があったのか聞いてみました。
「誰、それ?」が読むきっかけ

新聞を読み始めたのは、ある飲み会がきっかけだったそうですね。


社会人1年目の夏ですね。大学職員の仕事とは別に個人でデザインを請け負っているんですけど、その依頼主との飲み会があったんです。依頼主が鳥取県出身で、有名な人が多いっていう話になって。それで、ある大物政治家の名前を言われたんですけど、全然知らなくて「誰でしたっけ?」って言ったら、場がシーンとしてしまったんです! 「知らないの……?」って言われて、知ったかぶりしちゃったんですけど(笑)。その後、しばらく考えてからトイレに行ってスマホで調べました。それでやっと「あの人か~!」ってなりましたね。恥ずかしかったし、自分のこと「無知だよな~」ってすごい思って。それが大きなきっかけですね。

それはきつい!
実際に読み始めたのはいつですか?

次の日です。通勤に1時間くらいかかるので、「その時間に読めるじゃん!」と思って。実家で新聞を取っていたので、朝刊を持って行って読んでみたんです。そしたら、意外と堅くなくて、「なんかふつうに読めるかも?」ってなって、毎日持って行くようになりました。それまでも、「読まないとな」とは思ってたんですけど、きっかけがなくて。
人に言われたから読む、は続かない

ご実家で取っていたなら、「新聞を読みなさい」とか言われませんでした?


母にずっと言われてました! 耳にタコができるほど言われてきたんですけど、聞いてなかったです。小学生の時は、家でハムスターを飼ってて、ケージの底にちぎって入れるものっていう、その程度の認識でしたね(笑)。
中高生になっても同じで、全然興味なかったです。大学生でハワイに留学した時は、政治の授業があって、なんで日本の政治もよく知らないのに、アメリカの政治の勉強してるんだろう?って思ったんですけど、帰国したらやらないとな、って思いながら放ったらかしにしてました。なんだろう、その時はそんなに危機感がなかったんですよね。母に言われて、就活のために読もうとしたこともありましたけど、1回でリタイアでした(笑)。いま読むようになったのは、人に言われるんじゃなくて、自分で身をもって読まないとまずいと思ったからですね。
なくてはならない通勤のお供に

自分で必要性を感じるのが大切なんですね。今も通勤中に新聞を読んでいるんですか?


はい、ヒールで立ちながら(笑)。「往復ヒールで立ち子」っていうペンネームはそこからです。脚パンパンになりますけど、何もしないで突っ立ってる方がきついですね。朝刊を忘れたことがあるんですけど、途中で降りてキヨスクで買おうかと思ったくらい。以前はスマホ見たり音楽聴いたりして過ごしてたんですけど、この時間もったいない! って思うようになりました。それに、新聞読む人ってかっこいいですよね。そういうかっこいい大人になりたいっていうのも、ややありますかね。

今はまさに、そのかっこいい大人になっていますね!

どうなんですかね、4コマ漫画読んじゃったりしてるんですけど(笑)。でも、読む前と比べたら、断然今の自分の方がいいです。読んでよかったなと思います。とりあえず、きっかけの飲み会と同じような場面があったとしても、今なら「誰、それ?」にはならないです!

日々の情報収集の成果を発揮できる場面が待ち遠しいですね。
ありがとうございました!
新聞が、ハムスターのケージ用にちぎられる存在から、かっこいい大人の女性の通勤のお供にまで、出世できて良かった! (笑)。


WRITER PROFILE
いぐっちー
2011年、朝日新聞入社。無駄に大きなカバンを担ぎ、「ちょい読み」を求めて日本中を駆け巡る。
趣味は探検、徹底的な事実確認。
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