1つでも当てはまったあなたは、先輩たちの大学生活Q&Aを読んでみよう!
河尻桃子さん
Momoko Kawajiri
岡田直之くん
Naoyuki Okada
柳田悠里さん
Yuri Yanagida
親の反対を押し切って浪人するも、第1志望を掴めず…。大学生活は誰よりも充実させると心に誓う。上京した後、サークルにアルバイトに一人暮らしと、新しいことにどんどん挑戦。全てが楽しく、毎日お祭り感覚で過ごし、あっという間に1年が。大学2年になっても、目の前にある楽しいことに追われ、将来のことをこれっぽっちも気にせず。2年の9月に、高校時代の後輩が就活を始めたという話を聞いてようやく焦り、少しずつ将来を意識した行動をとるように。
大学受験の悔いを受け、人間的に成長したいと考えて行動。サークルで人前に出る役割に立候補したり、接客アルバイトに挑戦したり…。吹奏楽の演奏会準備や練習、学業、アルバイト、(彼女)など、やるべきことが重なり辛かったが、諦めずに取り組めば成長に繋がると思い、気合で乗り切る。「自分には無理」と手を抜かずにやってきたことで、人間的に成長できたと思う。
学部の特性上、留学生や帰国子女が多く圧倒される日々。授業や日常会話もベースは英語だが、全然わからず、この先不安に…。英単語帳を買う、受験の参考書を引っ張り出すなど、環境についていく努力を続けた。小1から続けている軟式野球の部活に入り、部費やユニフォーム代、合宿代などを捻出するため、必死に塾のアルバイトに従事。上下ジャージで大学に行き、野球の朝練→授業→バイト→終電で帰宅という日々を送る。
吹奏楽や理系の友人に囲まれ落ち着いた大学生活を送る中、就活で初めて破天荒な学生に遭遇。見た目だけで圧倒されてしまった…(笑)アルバイトやイベントなどを活用し、意識的にあらゆるコミュニティの人と会う機会をつくると、就活生や社会人になって役立つはず。
大学生活は人生の夏休み。でもただ休んでいるだけじゃなくて、興味をもったらすぐに行動することが大切!視野が広がるし、自分のことを知るチャンス!試してなんぼ!
塾の営業アルバイトは、ノルマが辛く辞めたいと思うことも多々あったが、やり抜くことで自信に繋がった。大学生活は、辛い環境を避けたり、楽な道を選んだりしがち。継続は決して楽なことではないが、だからこそ、やり抜けば成長に繋がるし、就活時は自己PRになる。エレベーターでなく階段を使う、新聞は1面だけでも毎日読むなど、些細なことも続けるようにしていた。
ストリートダンスを始めてみたり、ゲストハウス巡りをしたり。経営者にインタビュー、コーヒー農園主に会いに行く、新聞を読んでみるなど、とにかく行動。自分の好きなことや得意なこと、苦手なことがわかり、自己分析に繋がった。大学生活は、お金はないけれどやれることは無限にあるので、迷う前に行動すべし!
大学3年の夏、最後のコンクールや演奏会、インターン。「理系で忙しい」「周りもやってないし」などと思っていたら大間違い!インターンの面接で、他大生をみて愕然。友人に「インターン受けるなんて意識高い」と言われることもあったが、視野を広げるとまだまだだったと実感。周囲に惑わされないように!
フィリピンへの留学中、ご飯を注文するとき以外、ほぼ一言も喋らず、言葉が通じない不自由もなく生活。今思うと、あえて自分から現地のコミュニティに飛び込んでいれば、いろんな発見や学びがあったはず…。留学先には日本人コミュニティなど、居心地のいい環境もあるが、そこを抜け出すことも大切!
社会人と同じ目線で話すためにも、準備が大切だと考え、大学3年から新聞を読み始めた。自分とは違った着眼点を知る、文章力をつけるためにとても役立った。スキルアップには日々の積み重ねが大切。もっとはやくから読んでおけばよかったと思う…
就活を意識し始めた大学2年の秋学期、マスコミ志望だったことから、アナウンススクールに通い始める。意識の高い子、就活を1年から始めている子に出会って、さらに焦ったのを覚えている。周りの学生をみながら、全く政治や経済について知らないことに気づき、視野を広げるためにも、学割のある朝日新聞を購読し始めた。
常識的な時事ネタを知らないと、アルバイトで大人と話すときや就活の面接などで「こんなことも知らないのか」と思われ恥をかく可能性も。「部活が忙しくて」は言い訳にならない…。実際忙しかったので、授業の合間や通学時間など、ちょっとしたスキマを有効活用して新聞をチェック。大学1年から世の中にアンテナを張る癖をつけた。
大学3年の夏、周りが就活を始め、「私は何がしたいのだろう」と初めて将来について考え悩んだ。そこで、まずは仕事を知ろうと、商社、金融、航空、広告など人気業界から、朝4時半から働く野菜卸など、これまで興味のなかった仕事も幅広く情報収集。身の周りから視野を広げることで、少しずつやりたいことが見えた。
ずっとテレビ局で働くことを夢見ていたので、他企業に興味をもつとは想像できず。ただ、「人を笑わせたり感動させたりできるコンテンツを作りたい」「流行を作る人になりたい」とぼんやりと思っていたため、その軸はブレていないと思う。
誰にも負けない!というくらい繰り返し行い、自信をもって面接に臨めたことが、第1志望の内定に繋がったと確信。また、面接では意外と学業や成績について聞かれることも多い。大学の勉強も手を抜かず、きっちり取り組んでおくと◎!(最終面接で「君、可が多いね」と言われ、落ちてしまった友人も…)
来年からは、社会の今を見ながら仕事をすることになるので、就活が終わっても引き続き新聞はチェック!また、大勢の前で話す機会も増えると思うので、社会人準備としてプレゼンスキルを高めていきたいと考えている。
社会人準備として内定先の事業に加え、将来仕事で関わりそうなクライアントの会社についても調べている。また、新聞をじっくり読むことで、社会の出来事やニーズ、変化をもっと知り、理解できるよう努力。
忙しくて○○できない、は言い訳な気がして…。通学の電車で勉強したり、アルバイトの帰り道、自転車をこぎながら面接の反省や改善点を考えたり。野球の練習が終わったら寄り道せずにすぐ帰るなど、時間をつくるように心がけていた。
夕刊 特集面 月曜
言いたいことはあるのに、上手く言葉にできない…。そんなとき、新聞に出てくる表現を使ってみよう。「協力する」→「良い部分を融合させる」、「一体感」→「心が繋がる」など、使えそうなものはメモ。周りと差のつく表現に!また、目に留まる見出しは「凄腕しごとにん」が参考に。ESの教科書のような内容で、勉強になるはず! ( 岡田くん)
大学の吹奏楽団のコンクールや定期演奏会に向けた活動に力を入れてきました。
当楽団は約70人の学生が集まって活動しており、普段は別々のキャンパスで活動しているため、全メンバーが集まることのできる機会は年数回程度でした。私はセクションリーダーを務め、楽団全体の合奏を担当したのですが、レベルが様々な部員と一緒に練習して…
※岡田君のES
ESで学生時代頑張ったことが上手く伝えられない・・・
【リーダーとして吹奏楽団を統率、2年で140人超】
大学の吹奏楽団でコンクールや定期演奏会に向けた活動に力を入れてきました。
青森県、神奈川県、東京都の3つのキャンパスから約70人の学生が集まって活動しており、全メンバーで練習できる機会は年5回のみでした。1年時より2年間、リーダーとして合奏を仕切る役割などをしていましたが、初心者もいれば10年以上続けている人もいて…
※岡田君のES
朝刊 1面 毎日
1面に毎日603字で掲載されている時事コラム。
時事ネタを押さえておきたいけど、お堅いニュースは苦手…という方にオススメなのが天声人語。朝刊に毎日載っている天声人語は今一番ホットな話題が扱われているコラム。例えば「キウイフルーツの名前は…」という書き出しから、ニュージーランドの女性首相出産のニュースに繋げるなど、読み手を惹きつける工夫がされており、楽しみながらサクッと時事ネタを押さえることができます。(河尻さん)
決まった短い字数の中で、話を面白く展開する方法を天声人語から学びました。とくに就活のエントリーシートでは、内容より書き方で目を引かないとダメだと思ったので、天声人語を参考に、 読み手に楽しんでもらえるよう文章展開を工夫。すると「面白い」と面接官から好評でした! (柳田さん)
朝刊 1面 毎日
哲学者の鷲田清一さんが、古今東西の著名人、テレビドラマ、ツイッターのつぶやきまで、あらゆるシーンの様々な「ことば」を紹介。
「折々のことば」は、そうだよな~と共感できる言葉が載っていてお気に入り。「人の心はポイントカードのデータや全国平均では測れません」という折々のことばを使いつつ、「人の心に寄り添いながら、会社の利益になることができるよう心がけたい」と、就活の面接ネタに使ったことも。(柳田さん)
朝刊 総合面 毎日
朝日新聞の「ひと」は、「障害や難病の女性向けフリーペーパー編集長」や「白髪を隠さないフリーアナウンサー」など、なかなか出会えない、様々な生き方の人が取り上げられていて、将来を考える上で役立ちました。文章表現やまとめ方も勉強になります。(河尻さん)
大学の授業で、「命に関わるものならテーマ自由」という発表課題が出され、「孤独死」をテーマに決めたが、よくわからない…。
そこで、社会で今、まさに問題になっている事例や、本に載っていない最新の対策を新聞でチェック。資料に記事やグラフを引用したところ、説得力をアップさせることができ、わかりやすい発表ができた。
(国際医療福祉大学1年・戸部可奈子さん)
※実際に使用した発表スライドの一部
新聞を元に・・・
2019年7月9日の朝日新聞朝刊によると、ゲノム編集技術を使った食品の流通を認めることが決まったそうです。ゲノム編集食品とは…(以下、概要)。届出表示義務がないことが論点となっていますが…(以下、自分の意見)。
授業のテーマである「食品の安全性」にアンテナを張って新聞を見ていると、「ゲノム編集食品」が社会で話題だと知った。新聞だと「何があったか」という事実に加え、それがどういう意味をもつのか、論点もわかるので便利!
新聞を活用して考えをまとめ、発表したところ、「村田さんはそういう関係の研究をしているの?詳しいね」と教授に褒められた。「いつ出た、何の情報なのか→概要→論点→意見」の順で話すとわかりやすくなる。
(東京農工大学大学院1年・村田美和さん)
「現代人の職業」という授業で、「ライフワークバランス」「女性の社会進出」などの概要を聞いたが、まだ働いていないため、あまりピンと来ず。授業で8,000字・テーマ自由のレポート課題が出てピンチ…。そんな中、何気なく新聞を見ていたら、「老後」「人生100年時代」などの記事が多く取り上げられているのを発見!ホットな話題だと思い、レポートテーマに決定。朝日新聞デジタルも使って知りたいテーマの記事を収集。論文だったら1つ読むのに時間がかかるが、新聞ならさらっと読めておススメ!
(早稲田大学3年・岡村菜々子さん)
※実際に提出したレポートの参考文献記載部分
朝刊 総合面 月曜~土曜
今話題のニュースが絵やグラフを使って、わかりやすく解説されているので、難しくて聞き流していたテレビのニュースも理解できるようになった!( 航空業界内定H・Mさん)
朝刊 総合面 日曜
前1週間の重大な出来事と、先1週間の主要な事柄がまとまっていて、時事ネタを抜け目なくチェック可能。忙しい就活生におススメ。 (テレビ業界内定Y・Sさん)
原田朱美 記者
[プロフィル] 2000年入社。社会部で教育や若者文化の取材をしてきました。
あくまで○○氏が「面接会場に入った瞬間に……第一印象が決まる」と主張しているだけで、世界の真理ではありません。
1. そもそも○○氏の主張をうのみにしてはいけません。まずは「本当なの?」と疑うスタンスで調べましょう。
2. この書き方では書いた学生さんがこう考えているように読めます。引用部分を明確に分けましょう。「○○氏は著書で『面接会場に入った瞬間に……第一印象が決まる』と書いている」といった書き方なら、自分の考えではないことがわかります。
この学生さんは、冒頭の本に書いてあった「メラビアンの法則」をそのまま書き写していました。
「メラビアンの法則」が本当にこういう内容なのか、出来る限り自分でも調べる必要があります。もし間違っていた場合に恥ずかしい思いをします。デマを信じて自分でも広めてしまうことと似ています。
面倒くさいなあと思うかもしれませんが、実はこの事例だと、新聞の過去記事検索をして最新の記事3本を読むだけで怪しいと気付けます。10分もあればできますよ。
それに、もしこの法則が本当なら、見た目さえキレイならヘイト発言をしても合格することになります。さらには、言葉が通じなくても世界中の人がコミュニケーションを取れることになります。少し用心深く考えるだけでも、不自然さに気付けますね。
一見科学的に見えるデータでも、自分の持論に都合が良いように切りとっていることも少なくありません。
この調査が掲載されたwebページを見てみたら、中途採用に関するアンケートでした。今回は新卒採用についてのレポートなので、ちょっとズレていますね。
ネット上には「○○についての調査」がたくさんあります。いつ誰がどういう手法で行った調査なのかは、必ずチェックしましょう。それっぽく見えるデータでも、全てが信用できるわけではありません。自分たちに都合が良いように答えてくれる人たちを集めたアンケートかもしれませんし、誘導的な質問をしているかもしれません。「当社比9割増」とか「98%が『また使いたい』と回答」といった広告と同じです。うしろめたいところがある調査は、誰にどういう質問をしたのかをあえて隠すこともあります。
ではどういう調査が信用できるのか。まずは学術論文で使われるデータを参考にしてください。まさに大学で習う内容です。
このグラフは、学生さんがwebサイトからコピペしていたものです。回答を業種別に分けたものですが、本当に「第一印象が決め手になっている証拠」になるでしょうか。
よく見ると、最多が「第一印象」として飛び抜けている業種と、他の項目とそう変わらない業種、むしろ第一印象が1位ではない業種もあります。私はこのグラフを見たときに「第一印象をそんなに気にしない人たちもいるんだなあ」と思いました。「この学生さんが「やっぱり第一印象が決め手なんだ」と思ったのと逆の印象です。
また、この書き方では質問内容がわかりません。「面接で見るポイントはどこですか」なのか「合否を左右するポイントはどこですか」なのかでこの結果をどう見るのか変わってきます。前者だった場合「そりゃあ第一印象は見るよね」ですし、それが合否の決め手とは限りません。
(表1)
レポートを書いた学生さんに聞くと、この部分は冒頭の本「面接は3秒で決まる」に書かれていた内容でした。つまり、あくまでこの著者の持論。事実ではありません。ネットには、自分の意見を事実であるかのように書く例が少なくありませんので、引用には細心の注意を払いましょう。
またこの書き方では本からの引用ともわからず、学生さん自身がこう考えているように読めます。書いた本人は「自分の意見ではない」と分かっていますが、読み手にそれが伝わらなければ、「書き手が他人の意見をパクって自分の意見であるかのように書いた」とすら思われてしまいます。文章は、あなたのことを知らない他人が読んでも誤解されない書き方が大事です。
1冊の本、1人の持論だけで結論を出してしまっています。世の中には正反対の考えの人もいるし、正反対に見える事実も存在します。複数の視点で情報を集め「自分ならどう考えるか」を書きましょう。
メラビアンの法則についてうのみにせず、自分でも調べましょう。もし法則が本当なら、見た目が良ければヘイト発言をしても合格することになります。少し考えれば不自然さに気付けますね。
最終段落は冒頭の本で著者が述べていた持論で「事実」ではありません。持論を真理かのように書く人は少なくありません。またこの書き方では本の引用ともわからず、学生自身の意見に読めます。
この学生さんは、冒頭の「面接は3秒で決まる」という本を読み、その内容が事実だと思い込んでいました。「実際に第一印象で合否が決まることを示すデータは他にないか」という探し方をしている時に後半のグラフを見つけたので、細かいところをよく見ていませんでした。思い込みでデータの見方は変わってしまいます。
Webの情報は玉石混淆です。自信満々で書かれた文章が、まったくなんの根拠もないデマだったということもあります。google検索でたまたま一番上に表示された記事が信頼できるものだとは限りません。
せっかくなので、私もこの学生さんと同じテーマ、同じ題材からスタートして、文章を書いてみました。スタイルはweb記事風にしました。新聞やwebで記事を読む時に、どういうところを参考にして読めばいいのかも同時に解説します。
以下の記事は、大きく分けると(1)事実=青、(2)個人の意見=黄、(3)引用=緑というパーツがあります。それぞれ色をつけました。
「面接は3秒で決まる」。先日、刺激的なタイトルのビジネス書を教えてもらいました。ひねくれた性格の私は、「3秒って大げさじゃない?」「見た目さえ良かったら面接で変なことしゃべってもいいの?」と、気になって仕方ありません。ググると「面接は第一印象で決まる」「第一印象が良ければ合格」と、似たような内容のネット記事がいくつも出てきます。第一印象って、そんなに面接を左右するのでしょうか。調べてみました。
「面接は第一印象で決まる」といった内容の記事をいくつか読んでいて、気付いたことがあります。「メラビアンの法則」という言葉がよく出てくるのです。
各サイトによって説明は少しずつ違いますが、以下のことは共通しています。
・メラビアンさんというアメリカの心理学研究者の実験結果
・「視覚55% 聴覚38% 言語7%」という数字
・この数字は、「人間が相手のことを判断する時に、どの情報を重視しているか」
そしてこの法則を根拠に、
・「相手にどう思われるか」は視覚情報と聴覚情報で93%が決まってしまうから、第一印象を上げることが大事(=身だしなみが大事)。
・言語で相手の印象が決まる確率は7%しかないから、話す内容は関係ない。
つまり「第一印象で決まる」という結論を導いています。
「3秒」の根拠は、サイトによって説明があったりなかったり。
あるサイトは「面接会場に入って(見られて)、挨拶をする(聞かれる)のがだいたい3秒」と書いていました。
この「メラビアンの法則」を、朝日新聞の過去記事で調べてみました。
すると「一部の内容だけ誤解して解釈している人が多い」と書かれてある記事を見つけました。
例えば、2005年にベストセラーになった「人は見た目が9割」(竹内一郎著/新潮新書)の書評記事。
” ところで、大前提になっている「7・38・55」は、「メラビアンの法則」として知られる。矛盾した情報に接したとき、言語・聴覚・視覚のうち何を優先するかを調べた実験だが、博士自身がこれは限られた場面についてだけのもの、とクギを刺していたはず。“
(2005年12月5日朝日新聞朝刊掲載 筆者はライターの永江朗氏)
さらに、経済評論家の勝間和代さんのコラムでも、以下のように書かれていました。
少し長いですが、引用します。
“実際にこの実験を行った米国の心理学者アルバート・メラビアンが調べたかったのは、「言語の情報と、耳から来た情報と、目で見た情報が矛盾した場合に、人はどの情報を一番優先するか」ということだったのです。
例えば、「honey(愛〈いと〉しい人)」という優しい言葉を、悲しい声音で怒った顔の写真を見せながら相手に聞かせたとき、言語、聴覚、視覚のうち、どの情報が優先されるかを調べました。
結果は言語7%、聴覚38%、視覚55%となり、視覚が最優先されることがわかりました。つまり、言葉の持つ優しいニュアンスよりも、怒りの感情の方が強く伝わってしまうのです。
この法則で学べることは、「言葉はコミュニケーションの中で7%しか意味をなさない」ということではなくて、「何かのコミュニケーションを行うときには、言語、聴覚、視覚のそれぞれの情報を相手に混乱がないように、一致させなければいけない」ということです。“
(2010年7月3日朝日新聞朝刊掲載)
んんん? メラビアンの法則は、どうやら「3秒で決まる」的な単純な話ではなさそうです。
最初の記事には、研究者本人が誤用にクギを刺しているともあります。
次に「メラビアン」「誤用」でgoogle検索をしました。
「メラビアンさん本人のサイト」とされるページが見つかりました。
このページには、「この実験は限定的なものだから、それ以外の場面では意味がないよ」といった内容のことが書かれています。
なんと、「第一印象が大事」という記事の根拠が大きく揺らいでしまいました。
さきほどご紹介した経済評論家の勝間和代さんの記事、コラムの最後は、こんな言葉で締めくくられていました。
”流布している俗説も、大事なことを私たちに教えてくれます。何かについて「こういうことだよ」という説明を人やメディアから聞いたときには鵜呑(うの)みにせず、自分でも違う方法で確かめることが重要だということです。
インターネットで検索するなどして、本当にそうか、誇張はないか、情報を批判的に見る癖をつけることをお勧めします。“
耳が痛いですね!
色分けをすると、事実や引用部分がほとんどだと気付くと思いますが、全体を読んだ印象では、書き手のカラーがよく出ていたのではないでしょうか。たとえ事実の羅列でも、どの事実をどの順番でチョイスするのかは主観です。それによって印象が大きく変わります。
世の中に、無色透明な情報はありません。
こう言うと「何を信用すればいいのか」「すべてを疑っていたら疲れる」と戸惑う人がいるのですが、よくよく考えると、世の中ってよくわからないものだらけです。
医者が人体のことを100%理解していたら、誰も死なないですよね。わからないことが多くても、「ここまでは確からしい」という事実を積み重ねて治療をします。情報も同じです。人が介在する以上、「100%無色」「100%正しい」というものはありません。新聞記者は、恣意的な部分、都合良く解釈した部分をできるだけ排して、「すくなくともこれは事実らしい」をより分けて書くように、日々鍛えられています。
どんな工夫をして書いているのか、よかったら参考にしながら新聞を読んでみてください。
情報の信頼度では、誰がいつ言ったのかが重要です。1次情報は本人の証言で最も信頼度が高い。2次情報は本人に聞いた人の情報。3次情報は本人に聞いていない又聞き。 まとめサイトやwikiです。新聞は1次情報だけを集め、そこからより信頼度の高いものを選んで報じます。 ネットには何次情報かもわからない情報があふれています。判断する力を養いましょう。
新聞記事には種類があります。事実のみを伝える速報記事、特定のテーマについて解説する記事、ある問題について持論を述べる記事など。 それぞれの特性を知り、調べものに活用してください。
世の中に「無色透明な情報」はありません。ひとつのテーマでも、さまざまな意見があり、視点があります。 単純に言い切る言説はわかりやすいですが、単純化しすぎた文章は、大きな落とし穴があります。 いい加減な情報をもとにいい加減な文章を書くと、「この人は情報をうのみにする人だ」とあなたの評価を下げるだけでなく、誰かを傷つけることも。文章力が上がることは、確かな情報を整理して考えられるようになること。 社会に出ても役に立つ力です。新聞は、複雑怪奇な社会を、少しでも整理して伝えようとする記事の集まりです。様々な工夫が凝らされています。参考にしてみてください。
福島柚乃さん
Yuzuno Fukushima
大穂哲史さん
Satoshi Ooho
松原弘和さん
Hirokazu Matsubara
リラックスしているときに横になりながら読んでいます。全部読もうとせず、半分くらい読めればという軽い気持ちで読むのがコツ。
毎朝、始業30分前に出勤して読みます。
平日は5分、土日は15分読んでいます。まずは1面のインデックスを読み、気になったら中面を読むというスタイルです。
お客様に提供するネタを収集したり、お客様の業界を知ったりするため。取引業界は建設、飲食、製造、IT、ホテル、エネルギーな どさまざま。 情報収集は仕事の基本。金融業界だと経済紙のイメージが強いですが、朝日新聞は企業情報がまとまっていて、読み やすい。「労働問題」「インバウンド」など世の中の話題にアンテナをはり、ビジネスチャンスを探っています。
社会のことを知るため。知らないと、取引先や上司に常識がないと思われてしまいます。また、職場の目上の方々と共通の話題が 少ない中、時事ネタで繋がることができます。 「新人なのによく知っているね」と褒めてもらえ、人間関係を深めるきっかけにも。新聞は自分への投資。支払った以上の価値になって返ってくるはず。 実際、新聞から情報を得て、志望企業に内定しました!
バランスよく情報を収集するため。新聞には、地域の話題など、 ネット検索の上位になりづらいニュースも載っています。
朝日新聞は、可視化されたグラフィックデータがわかりやすい。 広域災害などの数的データは、多くのお客様にとっても関心度の高い出来事なので、情報提供のトピックスとして役立てています。 「保険」の営業は目に見えるモノがないため、ことばが勝負。 言語感覚を磨くため、新聞で良い表現をみつけたら、スマホにメモしています。 限られた紙面で完結、的確に要点を伝えている新聞の文章は、取引先にプレゼンするスキルを学ぶのにも役立ちます。
「○割減」「○%上昇」といった数字、記事掲載日は特にチェック。 例えばセキュリティー商材を売るとき、「メール型ランサムウェアが4割増」という記事をもとに営業。 新聞のデータを用いることで、お客様の信頼を得ることができ、席に座って話を聞いてくれなかった方が、着座して真剣に聞いてくれるようになりました。
5分でも、毎日読む。何かを習慣にするには時間がかかるので、 大学生のうちから読むことが大切だと思います。 「消費者が商品 の袋に貼ってあるQRコードを読み取ると、その農作物がどのように作られているか知る事が出来るサービスが始まった」という記事をみて、IT業界と農業の思わぬ繋がりを知りました。 新たな視点を得ることができるのは新聞ならではだと思います。
「GLOBE」は自分の知らない世界を知ることができるし、オフモ ードにフラットな気持ちで読めるのでおすすめ。
その日の大きいニュースを知るため、1面は欠かさずチェック!オピニオン面は、1つの話題に対し、専門家がそれぞれの切り口で語るなど、様々な角度の意見が載っていて、視点の勉強になります。
読書面がおすすめ。気になった本を実際に買ってみたことも。 「新聞=時事ニュースを知るため」と思われがちですが、B級グルメを紹介する記事など面白い読みものがたくさんあります。新聞が高いという方も、1日あたりの額で考えれば安いですよ。
※朝日新聞社調べ(学生読者223人を対象とし、2017年9月に実施したアンケートの結果)
※朝日新聞社調べ(入社1~3年目の社会人読者225人を対象とし、2018年3月に実施したアンケートの結果)
Cover illustration
Miyo Tsuchiya
土屋 みよ
千葉県生まれ 東京都在住
「一緒にいると毎日が映画のようになる女の子」をコンセプトにガールズイラストを描くイラストレーター。
似顔絵やライブペイントも手がけ、女性を中心に、幅広い年齢層からの支持を受ける。
お問い合わせ:朝日学生サポーター事務局
gakusei-supporter@asahi.com