Q.志望企業の社員に名刺を頂いて2か月経ちました。今から“お礼メール”をして失礼にならないでしょうか?
坂本塾長の「気合い回答」
“お礼メール”が遅いのは超NG。ぜひとも“近況報告メール”で挽回しよう!
インターンシップや会社訪問、OB訪問、支店見学、セミナー等では、社員から名刺を頂くことがあります。残念なことに、もらったままで何もしていない人がほとんどです。素早いお礼メールで、高い熱意、誠実さ、行動力、マナーの良さを感じてもらい、好印象を得ているのは、ほんのごく一部です。
今回は、名刺を頂いたにも関わらず、お礼メールをせずに何か月も経ってしまった場合の対処について説明します。(※お礼メールを出した人にも役立つ内容です。参考にしてください)
■熱意は、行動で示してこそ、伝わるもの
第一志望群の企業だったら、最低1時間以内(できれば30分以内)にお礼メール。
それ以外でも、最低24時間以内(できれば当日中)にお礼メールをすることをオススメします。
熱意(感謝)を示すには、スピードが大切です。
なお、相手が驚くほどの早さでメールすれば、あなたの印象は強く残り、名前も憶えてもらえます。数多くの学生がいる中で、覚えてもらえるというのは、極めて大きなメリットです。
■縁を大切にしない人は、採用する価値を認められない
せっかく名刺を頂いたのに、何もせずに、何か月も放置してしまっているようでは、相手に対して失礼です。印象は悪くなることはあっても良くなることは皆無です。採用する価値を感じてもらえるわけがありません。
野球でたとえれば、
せっかくバッティングチャンスを頂いたのに、バットを一度も振ることなく見逃し三振になってしまった新人選手のようです。監督の印象は悪くなり、レギュラーにする価値を感じてもらえなくなるのと同じです。
●名刺は、単なる紙ではない
学生の多くは、名刺を頂くことを軽く捉えすぎています。要するに、『名刺を頂く=会社名や氏名が印刷してある紙(カード)を頂く』と勘違いしているのです。これでは志望企業の社員からガッカリされます。
そもそも名刺とは、もっと遥かに大きな価値があるものです。
名刺交換は、簡単にできることと思ったら大間違いです。
たとえば、企業の営業社員は、取引を開始したい企業に、何回も何十回も足げく通って、ようやく担当者と名刺交換させてもらえるようになるものです。
私自身、証券会社の社員の時、某大手企業の社長に1年がかりで営業をかけ、約100回目の訪問でようやく社長室に通されて、名刺交換させてもらったことがあります。嬉しさが胸にこみあげて涙がでそうになりました。その後、その社長、および、その社長が紹介して下さった別会社の社長とも取引をさせてもらえるようになり、人と人との縁の重要性を痛感しました。
●『名刺を頂く=縁を頂く』
『名刺を頂く=縁を頂く』と捉えることが大切です。
すると、
名刺を頂くことに有難さを感じるようになります。
そして、何十倍もの価値を覚えるようになります。
自然と、お礼メールを(速攻で)したくなります。
■素早いお礼メールをしなかった場合の挽回策:近況報告メール
では、お礼メールをせずに何か月間も放置してしまった場合の挽回策を紹介します。
一番のオススメは、近況報告メールです。
これならば、時間的余裕がない就活生でも簡単にできます。
近況報告メールとは、
現在、志望企業(メールを送る相手の企業)に対して、どんな就職活動をしているかの報告メールです。
以下の事項について、自分なりの言葉で、感謝の気持ちを込めて書くと好印象が得られます。
●近況報告メールに盛り込むと好印象なこと
・お礼の言葉
・自分のことを思い出してもらえる自己紹介(大学学部、会った時に話をした内容、服装、特徴など)
・会った時に印象に残った相手の言葉等で、その後、自分が実行していること、自分が成長したこと
・その後、どんな企業研究を行ったか(メールする相手が所属する企業の研究)
・最近の新聞記事で、メールする相手の企業や業界で話題になっていること
(志望企業・志望業界の新聞のスクラップは、近況報告メールにも役立つ)
・企業に対する熱意や決意の言葉
●定期的に出すと縁を深めることができる
近況報告メールは、1か月~2か月おきに(定期的に)出すと効果倍増です。
縁を深めることができます。
なお、たとえ相手から返事がなくても、何回か出してみることが大切です。
すぐに諦めてはダメ。粘り強さがあってこそ、本気さは伝わります。
■補足:お礼手紙を郵送する場合
素早い“お礼手紙”も大変好印象です。ただし、お礼メールには、相手が簡単に返信しやすいメリットがあり、その後、メールの往復が始まることがよくあります。よって、“お礼手紙”を郵送する場合は、併せて“お礼メール”も発信するとよいです。
今回の内容は、とても手間がかかると感じられるかもしれません。
しかし、内定獲得、および、楽しく豊かな社会人ライフの実現に着実に近づきます。
一般の就活生はやっておらず、圧倒的な差をつけることが可能です。
ぜひ楽しみながら実行して下さい。
キャリアデザイン研究所代表。大学非常勤講師(就職指導担当)。ES本・面接本とも売上1位。(有名書店・大学生協・売上ランキング)。全国の大学等で就職講座の講師を務める(実績:東京大学・京都大学・千葉大学・岡山大学・早稲田大学・慶應義塾大学・立教大学・法政大学・日本大学など62大学)。●大学時代に就職支援ボランティアをしたことがきっかけで、将来、就職コンサルタントになることを志し、証券、広告、新聞、教育業界で勤務後、独立。●著書68冊。『内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版』・『内定者はこう話した! 面接・自己PR・志望動機 完全版』(高橋書店)、『何をPRしたらいいかわからない人の受かる!自己PR作成術』(日本実業出版社)など。●ツイッターで毎日指導(@SakamotoNaofumi)。