Q.Uターン就職をしようと思います。地元の有力企業の見つけ方を教えてください
坂本塾長の「気合い回答」
帰省しなくてもできる!今すぐできる!Uターン就活を成功させる5つのフットワーク技
大学で地元を離れたものの、就職は地元に帰りたい。いわゆる“Uターン就職”をしたいと思っている学生は、非常に多いです。上記の質問の学生は、立教大学(東京)に進学した北海道出身の男子学生です。同様の質問を、九州大学に進学した岡山県出身の女子学生からも頂きました。
今回は、Uターン就職で、地元企業を見つけるための方法(フットワーク技)を具体的に説明します。ほとんどの学生はやっていないことなので、非常に大きな差をつけることができます。なお、次回は、今回の続編として、Uターン就職で地元学生に負けないための方法(ヘッドワーク技)を詳しく説明します。併せて読んでください。
※今回も次回も、地元就職を希望する地元大学生にも大変役立つ内容です。参考にしてください。
■地元の有力企業の見つけ方(5つのフットワーク技)
地元に帰省しなくては、企業を見つけることは難しい…なんて誤解している学生がほとんどです。実は、
帰省しなくても、今すぐできることが5つあります。
今日から一つでも構いませんので実行してみてください。大変かもしれませんが効果は抜群です。内定力も身に付きます。
■1.大企業の地域職 (帰省しなくても店舗見学や社員訪問ができる)
帰省しなくても就職活動(企業研究)ができる方法の中で、最も実践的で自己成長が得られます。
この方法は、Uターン志望学生の盲点であり、実行している人は極めて少ないです。
全国展開している大企業ならば、大学所在の都道府県にも、地元にも店舗があるものです。そこで、大学の授業期間中は、大学所在地にある店舗を訪問したり、そこに努めている社員(OB)を訪問して、足を使った企業研究をしましょう。これにより、地元に帰って就職活動をする頃までに、十分に志望企業の研究をしておくことができます。
社員とのコネクションもしっかり構築しておきましょう。熱意と礼儀正しさが認められれば、地元支店(店舗)の社員を紹介してもらうこともできるようになります。
●日本銀行内定者、東京海上日動火災内定者の例
東京の大学で学んでいたAさんは、大学の授業期間中は、東京にて、日本銀行のOB訪問、店舗訪問を行いました。その後、地元・北海道の地域職(特定職)を受験して内定しました。
福井県の大学で学んでいたSさんは、大学の授業期間中は、福井県にて、東京海上日動火災のOB訪問、店舗訪問を行いました。その後、地元・愛知県の地域職を受験して内定しました。
■2.図書館で“全国企業あれこれランキング”を閲覧(好業績なのに応募者が少ない企業が見つかる)
各都道府県別に好業績の優良企業がわかる書籍です。売上高や利益といった客観的な指標で、企業がランキングされています。地元での優良企業が網羅されているので、志望企業選びに大変参考になります。大学の図書館、キャリアセンター、公立の大きな図書館の蔵書にないか問い合わせてみましょう。
この書籍をチェックすると、好業績なのに、応募者が少なくて入社試験倍率は低い…という穴場的な企業も多数見つけることができます。
理由ですが、このランキングには、いわゆるBtoB企業が多数含まれているからです。
BtoB企業とは、企業向けに商品・サービスを提供している企業で、一般の学生は企業名を知りません。よって、採用試験に応募者が殺到しないのです。
■3.地元が営業エリアの就職情報サイトを活用
大手の就職情報サイトだけを使うのではなく、地元を営業エリアとする中小の就職情報サイトも積極的に使いましょう。重要なのは、早めに登録して頻繁に閲覧することです。帰省しなくても、地元企業の採用の動きを知ることができます。また、地元企業に特化した合同会社説明会の情報もわかるので、帰省の予定を効率的に立てることができます。就職情報サイトによっては、Uターン学生のために、近隣県や東京、大阪で地元企業の合同会社説明会を開催することがありますので、要チェックです。
●地元金融機関の内定者の例
地元の就職情報サイトが主催する、お正月の帰省中に行われる合同会社説明会に参加した際、地元の有力金融機関の採用担当者に仕事内容を詳しく教えてもらい、ダントツの第一志望になったそうです。後日、何回か行われた別の合同会社説明会でも、その採用担当者に必ず質問に行き、熱意をアピールしました。このフットワークが内定を頂くことができた大きな要因とのことです。
■4.志望企業の採用チーム(人事部)のツイッター・フェイスブックのチェック
とっておきの凄技を紹介します。それは、志望企業の採用チーム(人事部)のツイッター・フェイスブックで、会社説明会情報をチェックして、メール(メッセージ)もしくは電話で参加依頼をする方法です。最初は勇気がいりますが、慣れれば簡単にできます。
地元企業で、Uターン学生を積極的に採用したいと考えている企業は、他地域でも頻繁に会社説明会を行っています。そして、担当者は、いつどこで会社説明会を行うか、ツイッターやフェイスブックに書き込んでいることが多いです。
重要なのは、ツイッターやフェイスブックには、公式WEBサイトの採用ページとは異なり、採用担当者の会社説明会スケジュールや本音が細かく書かれていることが多いということです。
たとえば、「来週○日は、東京の○○に出張して会社説明会。翌日○日は、名古屋の○○で会社説明会を行います。皆様のお越しをお待ちしています」、「○月○日は、大阪の○○に出張して会社説明会を行います。一人でも多くの方に、当社の魅力をお伝えしたいです。どんな質問も大歓迎です。ぜひ来てください」。
●食品メーカー内定者の例
第一志望の地元の某食品メーカーの人事採用チームの公式ツイッターをフォローして、会社説明会の情報を毎日、チェックしていたそうです。ある時、東京の某大学に出張して会社説明会を行うというツイートを見つけたのですが、自分の大学には来る予定はなく、しかも、12月中に採用担当者から直々に説明が聞けるチャンスはこれしかないと思い、人事部にメールと電話をして飛び入り参加を熱烈にお願いしたそうです。すると、先方の大学に許可を取ってくださり、特別に参加を認めてもらえました。この思い切った行動によって、採用担当者の皆様に、熱意を認められ、名前も憶えてもらえて、他の受験者と大きな差をつけることができたとのことです。
■5.大学のキャリアセンターで、地元企業の求人情報、内定した先輩情報をチェック
できるだけ早い時期にキャリアセンターに足を運び、地元企業の求人情報・内定者の情報がないかチェックしてください。採用試験スケジュールや採用条件も書かれていたり、会社案内のパンフレットもあったりして、志望企業の選定に大変役立ちます。そして、地元企業に内定した先輩情報もとても有益です。受験レポートがある場合は熟読しましょう。なお、先輩に連絡を取ること(電話やメール、訪問)も大変オススメです。
Uターン就職を成功させて、地元企業で働いている方に直接指導してもらえるのです。この上なく貴重な情報が入手できますよ。
■補足:地元企業が他の地域で行う会社説明会に参加(地元では満席でも他地域では空いている)
3と4で触れたことを詳しく説明します。
地元の人気企業の会社説明会は、他地域開催のものにも積極的に参加することを強く勧めます。
理由ですが、地元の学生には非常に人気がある企業でも、他の地域の学生には(知名度が低いので)人気はありません。したがって、地元開催の会社説明会は超満員でも、他地域開催の社説明会は空席だらけのことが多いです。人事の社員に大歓迎され、密に接することができて、名前も憶えてもらえます。
●内定者の例
大阪の大学で学ぶDさんは、地元・静岡県の某人気企業を志望していました。静岡県での会社説明会は、200人くらいの学生が詰めかけていて、社員に質問ができる状態ではありませんでした。ところが、大阪で行われた説明会に行ったところ、学生は数人しか来ておらず、社員と1時間あまり話ができ、質問にも丁寧に答えてもらえました。これが内定獲得の大きな要因になったそうです。
次回は、今回の続編として、Uターン就職で、地元学生に負けないための方法、地元の社会経済情報の収集技・新聞活用法(ヘッドワーク技)について詳しく説明します。今回のフットワーク技と次回のヘッドワーク技を併せて身につければ、最強の内定力となります。
キャリアデザイン研究所代表。大学非常勤講師(就職指導担当)。ES本・面接本とも売上1位。(有名書店・大学生協・売上ランキング)。全国の大学等で就職講座の講師を務める(実績:東京大学・京都大学・千葉大学・岡山大学・早稲田大学・慶應義塾大学・立教大学・法政大学・日本大学など62大学)。●大学時代に就職支援ボランティアをしたことがきっかけで、将来、就職コンサルタントになることを志し、証券、広告、新聞、教育業界で勤務後、独立。●著書68冊。『内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版』・『内定者はこう話した! 面接・自己PR・志望動機 完全版』(高橋書店)、『何をPRしたらいいかわからない人の受かる!自己PR作成術』(日本実業出版社)など。●ツイッターで毎日指導(@SakamotoNaofumi)。