Q.志望業界の企業は全部落ちて、不本意な企業しか受かりませんでした。就職浪人する金銭的余裕はないので、将来、転職で再挑戦したいです。アドバイスをお願いします。
坂本塾長の「気合い回答」
不本意な企業と思うのは感情的な判断で、実際に働くと合っていることが多い
不本意な企業しか受からず、就職浪人して就活をやり直そうか、とりあえず就職して、転職試験で再挑戦しようか、悩んでいる学生は少なくありません。相談メールも頻繁に来ます。たとえば、アナウンサーを目指していたけれど全部落ちてブライダルしか受からなかったとか、商社を志望していたけれど受かったのは食品メーカーだったとか…。 今回は、そんな方のための気合アドバイスです。
■受かった企業こそ、“自分の成長の場”だと考えよう!
基本的には、『内定を下さった企業には強い縁があり、そこで一生懸命働くことで道が開ける』と思ってください。
面接官は、あなたの性格、適性、スキル、潜在能力、将来性が、その会社に向いている(マッチしている)と強く感じたからこそ、内定を出したのです。
自分はその企業に向いていないと判断したとしても、その判断が正確だとは限りません。
むしろ、社会経験が豊富な社員達の判断のほうが、正確である可能性が高いです。
●向いていないと思うのは、感情的な判断で、理性的な判断ではないことが多い
第一志望の企業(業界)に対する憧れが強いと、それ以外の企業(業界)には、自分が向いていないと(感情的に)思うようになってしまうケースが非常に多いです。
●実際に働くと、このように感じる人が大半
・働いているうちに、仕事にやりがいを感じるようになった
・辛いこともあるけど、自分には乗り越えられる辛さだと思った
・自分が成長できる場だと思った
・気の合う同僚が多くて、居心地が良い
この会社しか受からなかった…、不本意な就職になってしまったと(ネガティブに)捉えるのではなく、この会社に強い縁があった、自分の成長の場だと(ポジティブに)捉えましょう。
■将来の転職も視野に入れたキャリアプランもある
さて、どうしても志望企業・志望業界に対する情熱が断ち切れない場合は、将来、転職試験を受けることを視野に入れて働くのも良いでしょう。実際、転職でリベンジ内定している人も多くいます。
●転職を成功させるための努力
入社して○年後には○○の仕事(企業)に転職したい。このように考えている人は、(いきあたりばったりではなく)計画的に自分の実力を磨き、情報を収集し、転職の備えをしておく必要があります。目の前の仕事に打ち込むことは当然ですが、転職試験突破のために以下のことも心がけましょう。
・現在の仕事と転職希望先での仕事の共通点を見出し、努力しておく
・転職試験で、努力の成果を数字でアピールできるように高い成績、実績をあげる
・転職試験で、努力の成果を視覚的にアピールできるものを残す (写真、賞状、制作物等)
・転職に役立つ人脈の形成、資格の取得をする
これらは転職の際の履歴書・職務経歴書、面接において強いアピール材料になります。
■最初の就職先の仕事を頑張ってこそ、転職の道は開ける
根本的に大切なことを述べます。それは、「転職を成功させる上で一番重要なのは、就職した企業の仕事に全力で取り組み、何らかの成果を上げる」ということです。
どうせ転職するから、この仕事は怠けよう…なんて思っていたら、転職は成功しません。なぜなら、面接官が採用したいのは仕事にしっかりと取り組む行動特性を持っている人だからです。怠け癖がついているような人は絶対に採用したくないものです。
新卒で入社した、最初の仕事を頑張ってこそ、転職の道は開けます。与えられた仕事から決して逃げることなく、人の何倍も努力して、企業に、そして、社会に貢献しましょう。このような姿勢で仕事に取り組んでいる人が(転職希望先の)面接官が真っ先に採用したいと思うタイプですよ。
■転職先探し10類型
では、将来に備えて主な転職先探しの方法をご紹介します。以下の10類型があります。それぞれに特徴があり、希望や状況に合わせて使い分けます。
- 新聞・雑誌型
新聞紙面の求人広告、折込の求人広告、求人雑誌、駅置きの求人フリーペーパー - ネット検索型
ネット上の転職情報サイトで、希望条件を入力し、検索するやり方 - ネット予約
ネット上の転職情報サイトで、志望企業の採用情報の紹介・通知を予約するやり方 - スカウト型
ネット上の転職情報サイトで、自己PR・希望条件を公開し、企業側に応募してもらうやり方 - イベント説明会型
転職イベントや転職説明会に参加し、転職情報を得るやり方 - エージェント型
転職情報会社のキャリアアドバイザーに相談し、転職先の紹介をしてもらうやり方 - ハローワーク・人材銀行型
公共の職業紹介機関。教育訓練給付や失業保険に関する相談もできる - 人脈活用型
今まで築いてきた人脈を辿ったり、コネがありそうな方に紹介を依頼したりするやり方 - 売り込み型
志望企業に自ら売り込みをかけるやり方 - 大学キャリアセンター活用型
(企業の人事と繋がりがある)キャリアセンターの職員に紹介を依頼するやり方
■初めての転職情報収集は、新聞・雑誌が便利
初めての転職情報の収集に最もお勧めなのは、1.新聞・雑誌型です。なぜなら、一覧性が高い媒体なので、様々な業界・職種・企業の情報を幅広く知ることができ、求人情報の概要や一般的な雇用条件・給与・待遇等を把握しておけるからです。その次は、2.ネット検索型を使うとよいでしょう。これは、希望条件を入力して企業を検索する形式なので、その条件に当てはまる求人情報が無数に集まります。1.と2.で、求人情報を見る目をある程度養ったら、3.以降の方法も活用しましょう。
今回は転職に関する内容でしたが、大切なことを改めて強調しておきます。転職を成功させるためには、就職した企業の仕事をしっかり頑張ることが必要不可欠です。たとえ目を見張る成果は出なくても、頑張ったことは雰囲気に表れ、面接官は高評価してくれますよ。
キャリアデザイン研究所代表。大学非常勤講師(就職指導担当)。ES本・面接本とも売上1位。(有名書店・大学生協・売上ランキング)。全国の大学等で就職講座の講師を務める(実績:東京大学・京都大学・千葉大学・岡山大学・早稲田大学・慶應義塾大学・立教大学・法政大学・日本大学など62大学)。●大学時代に就職支援ボランティアをしたことがきっかけで、将来、就職コンサルタントになることを志し、証券、広告、新聞、教育業界で勤務後、独立。●著書68冊。『内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版』・『内定者はこう話した! 面接・自己PR・志望動機 完全版』(高橋書店)、『何をPRしたらいいかわからない人の受かる!自己PR作成術』(日本実業出版社)など。●ツイッターで毎日指導(@SakamotoNaofumi)。