Q.経営状態が良い企業は、どうやって見つけたらよいですか? 私は、知名度に惑わされず、中身(経営内容・事業内容)で判断して、志望企業を選びたいです
坂本塾長の「気合い回答」
上場企業3600社を1日で全てチェックする方法を紹介!大変だが、一生に役立つ企業選択ができる。
テレビや新聞、雑誌で広告を頻繁に流している企業しか知らず、その中から志望企業を選んでいる学生が大半です。しかし、今回の質問者は、経営状態や事業内容を見て、志望企業を選びたいというのですから、とても素晴らしいです。以下、優良企業を見つける効果的な方法をご紹介します。集中して行えば1日で終わります。企業選びは一生を左右することなので、意欲的な学生には、強くお勧めします。
志望企業選びを間違えると、受験チャンス(内定チャンス)を無駄にしてしまう
就職活動に費やせる時間や労力は限られています。無限に多くの企業を受けることはできません。あなたが就活に費やせる時間と労力の範囲内しか受けられないのです。しっかり企業研究をして、エントリーシートを丁寧に書き、面接を受けるとなると、30社~100社程度が一般的な限界です。
したがって、受ける企業の研究・選択はとても重要です。就職活動の序盤では、このことはわからないのですが、終盤になると、あの企業の採用試験も受けておくべきだったと後悔する就活生は、非常に多いです。
たとえば、一業界の有名企業しか受けてない就活生の大半は、終盤になってから、もっと幅広い業界、幅広い規模の企業を受けるべきだったと悔いることになりがち。あなたは、せっかくの受験チャンス(内定チャンス)を無駄にしないでください。
会社四季報で、上場企業3600社から50社程度を選び出す!
企業研究、企業選択の理想は、日本経済を支えている企業を一通りチェックすること。そのために役立つのが『会社四季報』(東洋経済新報社)という書籍です。大学のキャリアセンター(就職課)や図書館に必ずあります。
『会社四季報』には、上場企業約3600社分のデータが掲載されています。これを最初のページから順番に閲覧していきます。チェックするのは3カ所。①「記事欄(コメント欄)」、②「売上高の推移」、③「利益の推移」です。
※①記事欄を読んで興味が全く湧かない企業については、②③の欄はチェックしなくても構いません。
会社四季報を使った企業選びのコツ
四季報は数字が多く読む気がしないという人もいるかもしれませんが、3カ所だけチェックすればよいので、難しくありません。経済・財務の専門知識も特に必要ありません。すぐに慣れます。
- 志望企業にしたくなった企業のページ張るように付箋(ポストイット)を50枚~100枚用意する。
- 読むのは、「記事欄(コメント欄)」、「売上高の欄」、「利益の欄」の3カ所だけでよい
- まず企業の「記事欄(コメント欄)」を読む。企業の概要が把握できる。
- 3で興味が湧いた企業は、売上高の推移をチェック。増加傾向にあれば、商品・サービスが時流に合っていることがわかる。さらに、利益の推移もチェックして経営状態も確認する。興味がわかない企業は、売上高と利益の欄は読み飛ばしてもよい
- 売上高や利益が減っている場合は、理由を「記事欄(コメント欄)」で確認する
- 志望企業候補となったものには付箋を貼る。この要領で次々と読み進めていく
- 最後の企業までチェックが終わったら、付箋をつけた企業について他の項目も熟読。そして、インターネットで企業のサイトを閲覧して、会社概要や求人情報を確認する。
チェックするのは、3カ所だけなので、時間はかかりません。しかも、興味が全く湧かない企業の売上高・利益の欄は、読み飛ばしてよいので、かなりスピードアップできます。1社あたり10秒以内で速読するように心がけてください。すると、1日(8時間~10時間)で全上場企業をチェックすることができます。50社程度を選び出しましょう。
企業のマイナス情報もわかる
会社四季報には、売上や利益の減少と理由、経営判断ミスなど、マイナス情報も書かれています。よって、企業の現状と将来性を分析する上で大変参考になります。
志望企業のライバル企業と取引先も研究
志望企業をピックアップしたら、その各社のライバル企業と取引先企業の研究も併せて行いましょう。これによって、深い企業研究ができます。内定獲得の可能性も大きく高まります。
成長企業、未上場企業もチェックしたい学生は、未上場会社版・会社四季報もチェック
上場企業にこだわらず、成長企業、未上場企業も受けたい方は、未上場会社版・会社四季報という書籍も同様に活用することをお勧めします。
今回、紹介した企業探しの方法は、ほとんどの学生がやっていないことで、圧倒的な差がつきます。あなたが思いもよらない優良企業が沢山見つかります。大変ですが、一生役立つことなので挑戦してみてください。
キャリアデザイン研究所代表。大学非常勤講師(就職指導担当)。ES本・面接本とも売上1位。(有名書店・大学生協・売上ランキング)。全国の大学等で就職講座の講師を務める(実績:東京大学・京都大学・千葉大学・岡山大学・早稲田大学・慶應義塾大学・立教大学・法政大学・日本大学など62大学)。●大学時代に就職支援ボランティアをしたことがきっかけで、将来、就職コンサルタントになることを志し、証券、広告、新聞、教育業界で勤務後、独立。●著書68冊。『内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版』・『内定者はこう話した! 面接・自己PR・志望動機 完全版』(高橋書店)、『何をPRしたらいいかわからない人の受かる!自己PR作成術』(日本実業出版社)など。●ツイッターで毎日指導(@SakamotoNaofumi)。