Q.就職活動に出遅れました。今から始めて、ライバルに追いつき、追い越すには、まず何をしたらよいですか?
坂本塾長の「気合い回答」
業界地図本、会社四季報、新聞を使って、業界・企業研究を!圧倒的な力がつきます!
今回は、11月から就職活動を始める人のために“短時間で大きな成長が得られること”を紹介します。トップレベルで受かる実力がつきます。
■面接再現:この質問に答えてください(企業研究で調べるべきことがわかる)
以下の質問は、入社試験の面接で実際にあった質問です。参考までに企業名を付記していますが、他の企業でも頻出です。自分の志望企業の面接試験で出題されたと想定して、回答を考えてみましょう。
- なぜ総合商社ですか?なぜ当社ですか?(住友商事、その他)
- 当行と他のメガバンクの違いを述べてください。(三菱東京UFJ銀行、その他)
- これからの航空業界はどうなっていくと思いますか?(ANA、その他)
- なぜ他の業界ではなく、住宅業界を志望するのですか?(積水ハウス、その他)
- 今後のお菓子業界はどうなっていくと思いますか?(明治製菓、その他)
- 現在の金融業界について、どう考えているか教えてください(みずほ信託銀行、その他)
- 生保と損保の違いは何ですか?(東京海上日動火災、その他)
- 他社と比較して、当社の強みは何ですか(JTB、HIS、その他)
- 変革の中にあるこの業界で、当社は何すればよいと思いますか?(トヨタ自動車、その他)
- 当社と他社の違いをどう理解していますか?(資生堂、その他)
(※筆者の就職講座受講生の就活レポートより)
これらは、業界や志望企業、同業他社の特徴に関する質問です。就職活動の初期段階で、しっかり研究するべきことです。そもそも業界研究・企業研究をしっかり行わなくては、企業選択が的確にできません。また、合格レベルの志望理由・自己PRを作成することもできません。 生半可な業界研究・起業研究では、面接でこれらの質問に答えることができず、落とされます。
■圧倒的な差がつく業界研究・企業研究の方法
短時間で大きな効果が得られる業界研究・企業研究の方法をご紹介します。3点あります。これらを行うと、社会的な視野が広がります。
企業選択の判断力も高まります。エントリーシート・面接の志望理由・自己PRの内容も飛躍的にレベルアップします。
- 業界研究本の活用
- 会社四季報の活用
- 新聞の活用
■1.業界研究本の活用
業界地図本を使って、業界の現状、先行き、ライバル企業の動きをチェックすることはぜひお勧めします。業界地図本は3~4時間程度で各業界の要点を押さえることができます。しかも客観的な情報ですから、志望企業を冷静な目で分析することができます。志望企業のWEBサイトや説明会の情報だけでは、企業寄りの見方に偏ってしまいます。よって、このような第三者的な視点の情報にも目を通すべきです。業界地図本は、複数の出版社から発売されていますが、自分にとって図が見やすく、解説がわかりやすいものを選びましょう。キャリアセンターや図書館にもあります。
●業界研究本で、業界の先行きをつかむ
業界地図本を読むと、日本経済、世界経済の動向、税制、金利、為替レートなどの変化により、企業の先行きにどんな影響があるのか推測できるようになります。
●業界研究本で、ライバル企業の動きをつかむ
企業研究は必ずライバル企業とセットで行う必要があります。ライバル企業の動きを調べることによって初めて、志望企業の経営戦略、事業活動の特徴や背景がわかります。業界地図本は、ライバル各社の動きが端的にわかるので大変便利です。
■2.会社四季報(会社情報)の活用
株式の上場企業でしたら、会社四季報(東洋経済新報社)を使い、未上場企業でしたら、未上場会社版会社四季報を(東洋経済新報社)使って、企業研究することをお勧めします。企業の客観的な情報が得られます。課題や短所も掲載されていて大変参考になります。特に役立つ情報は、「記事欄」、「売上高の推移」、「利益の推移」の3点です。「記事欄」は、最新号と前の号の内容を比較読みするとさらに深い理解が得られます。
●会社四季報で、売上高の推移をつかむ
ここ3年くらいの売上高の推移を調べると、企業の営業力がわかります。まず、上昇傾向にあるのか。減少傾向にあるのかを確認しましょう。この理由は、記事欄に書いてあるものですが、
OB・OG訪問の際に聞いてみると知識が深まります。
●会社四季報で、利益の推移をつかむ
ここ3年くらいの利益(税引き後利益)の推移を調べると企業の経営状態がわかります。まず、上昇傾向にあるのか。減少傾向にあるのかを確認しましょう。要注意なのは、売上高が上昇傾向なのに利益は減少傾向の場合と売上高が減少傾向なのに利益は上昇傾向の場合です。この理由は通常、記事欄に書いてあるものですが、OB・OG訪問の際に聞いてみると知識が深まります。
■3.新聞の活用(志望業界の記事スクラップ)
志望業界と志望企業に関する記事、および、志望企業の広告を継続的にスクラップすることをお勧めします。志望業界と志望企業に関する動きがわかり、プラスのことはもちろん、マイナスのことにも大変詳しくなります。志望理由の説得力が増します。
スクラップのやり方は、毎日継続して、新聞をチェックし、志望業界・志望企業に関する記事があったら切り取って、ノートに貼るだけです。最初は記事の内容がよくわからないかもしれません。しかし、1ヵ月ほど続けると理解できるようになります。慣れてきたら、重要な部分に赤ペンか蛍光ペンでラインをひいたり、自分の意見を書き添えたりするとよいです。
●過去記事検索もオススメ(朝日新聞の聞蔵。朝日新聞デジタルの過去記事検索)
新聞の過去の記事をカバーするために、図書館にて、新聞の過去記事検索サービスを利用することをお勧めします(聞蔵など)。志望企業名で検索し、過去3年分くらいの主要な記事をチェックしましょう。重要な記事は印刷し、スクラップしましょう。(※図書館によって利用の仕組みが異なります。職員にご確認ください)。なお、朝日新聞デジタルを購読している方は、過去記事検索が簡単にできます。ぜひ活用しましょう。
業界地図本、会社四季報、新聞の3点を使って、業界・企業研究をしている受験者は滅多にいません。手間がかかるように思うかもしれませんが、実は短時間で効率よくできることです。他の受験者に圧倒的な差をつけることができますので、得られる学びや成長を楽しみながら、取り組んでください。
キャリアデザイン研究所代表。大学非常勤講師(就職指導担当)。ES本・面接本とも売上1位。(有名書店・大学生協・売上ランキング)。全国の大学等で就職講座の講師を務める(実績:東京大学・京都大学・千葉大学・岡山大学・早稲田大学・慶應義塾大学・立教大学・法政大学・日本大学など62大学)。●大学時代に就職支援ボランティアをしたことがきっかけで、将来、就職コンサルタントになることを志し、証券、広告、新聞、教育業界で勤務後、独立。●著書68冊。『内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版』・『内定者はこう話した! 面接・自己PR・志望動機 完全版』(高橋書店)、『何をPRしたらいいかわからない人の受かる!自己PR作成術』(日本実業出版社)など。●ツイッターで毎日指導(@SakamotoNaofumi)。