Q.文章を書くのが苦手です。エントリーシートの自己PRは、箇条書きで書いても大丈夫でしょうか
坂本塾長の「気合い回答」
熱意を伝えるには、必ずキチンとした文章構成で書くこと。最高の手本は、新聞記事
今回は、エントリーシートの文章の書き方について、初歩的なアドバイスをします。箇条書きだけで書いてしまう人がいますが、それは超NGです。
ラブレターを箇条書きで書く人はいない!(熱意を伝えるには、キチンとした文章で書く)
文章を書くのが苦手な人は、エントリーシート・履歴書の各項目を文章で書くことができず、箇条書きで(要点だけを羅列して)送ってしまうケースが見受けられます。しかし、これでは採用担当者の高評価は得られません。理由は2点、熱意(気持ち)が伝わらないこと、そして、基礎学力(文章力・国語力)を疑われることです。
エントリーシート・履歴書は、採用担当者に対するラブレターの一種と考え、熱意を込めて、キチンとした文章で書きましょう。ラブレターを箇条書きで書くことはありえないように、エントリーシート・履歴書を箇条書きで書くことはありえないことなのです。
上級者向けのアドバイス:箇条書きの使用条件 (文章の中に要点を目立たせる工夫)
例外も述べておきます。内定者は、箇条書きを全く使っていないわけではありません。実は、キチンとした文章が書ける人は、箇条書きを戦略的に使うことが可能となります。要するに、文章の中に、要点を目立たせる工夫として使うならば問題なく、評価を高める効果があるのです。新聞において、解説記事の中に要点が箇条書きでまとめられていることと同じです。
注意点を繰り返しますが、あくまで主役は文章であり、箇条書きはわき役です。例えて言えば、文章はご飯であり、箇条書きはふりかけです。ご飯あってこそのふりかけであるように、文章があってこその箇条書きです。
見出しには、具体例や数字を挙げて、アピールポイントに説得力を持たせる!
エントリーシートは採用担当者に気持ちよく読んでもらえてこそ、高評価が得られます。したがって、読み手(採用担当者)が読みやすいような配慮をすることが大切です。たとえば、見出しをつけるのも、根本的な目的は、読み手が内容を一目で理解できるようにするためです。しかし、見出しをつければよいわけではありません。抽象的な見出しは逆効果です。重要なのは、具体例や数字を挙げて、アピールポイントに説得力を持たせることです。新聞の経済面の記事の見出しが特に参考になります。
以下のNG例とOK例を比較してください。
【添削前】(NG例)
何事も諦めず最後までコツコツ努力を継続。体力は誰にも負けません
→抽象的な言葉の羅列で、説得力はゼロ。何を努力したのか、どの程度の体力か全くわからない
【添削後】(OK例)
サッカー猛練習歴11年。40度のグラウンドでも3時間走り続ける体力あり
→具体例・数字を挙げると説得力が高まる。読み手の目にパッと飛び込むように書くことが差別化の秘訣
書いた文章は、第三者にチェックしてもらう
書いた文章は提出前に、必ず第三者にチェックしてもらいましょう。なぜなら、独りよがりの文章になっていて、他人が読むとわかりにくい場合が多々あるからです。様々な年齢・立場の人に見てもらい。以下の4点を点検することをお勧めします。
- 誤字脱字がないか。
- アピールしたいことがしっかり伝わっているか(説得力があるか。)
- 社会人にわかりやすい言葉や表現が使われているか。
- 採用担当者の年代(30代~60代)の人にわかりやすい内容か。
なお、一番実践的なアドバイスが得られるのは、志望業界や志望企業、志望職種の社員にチェックしてもらうことです。OB訪問や会社訪問、店舗見学などに持参して見て頂くことをお勧めします。
キャリアデザイン研究所代表。大学非常勤講師(就職指導担当)。ES本・面接本とも売上1位。(有名書店・大学生協・売上ランキング)。全国の大学等で就職講座の講師を務める(実績:東京大学・京都大学・千葉大学・岡山大学・早稲田大学・慶應義塾大学・立教大学・法政大学・日本大学など62大学)。●大学時代に就職支援ボランティアをしたことがきっかけで、将来、就職コンサルタントになることを志し、証券、広告、新聞、教育業界で勤務後、独立。●著書68冊。『内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版』・『内定者はこう話した! 面接・自己PR・志望動機 完全版』(高橋書店)、『何をPRしたらいいかわからない人の受かる!自己PR作成術』(日本実業出版社)など。●ツイッターで毎日指導(@SakamotoNaofumi)。