Q.志望理由は、どんな内容を書けば受かりますか?
今回は、志望理由の基本を解説します。志望理由は、エントリーシートや面接で必ず聞かれます。合否に最も大きく影響しますので、企業の質問意図を知り、入念に練り上げておくことが重要です。
坂本塾長の「気合い回答」
志望理由で大切なのは“志”の高さ、具体性
■「志望理由=会社に興味を持った理由」と誤解している人が多い
志望理由を「会社に興味を持った理由」と誤解してしまうと、高評価は得られません。志望理由とは、「志および、その志を持った理由」です。志とは要するに、どの部署のどんな仕事で当社に貢献したいかということです。内容が具体的でなければ単なる想像・妄想だと見なされてしまいます。
以下、Aさん、Bさん、Cさんの3人の志望理由を読んで、どれが一番高い評価を得られるか、考えてみてください。
●一人目:Aさんの志望理由
私は人と接することが好きです。御社であれば、子供からお年寄りまでたくさんの人と接することができます。なので、ぜひ御社で働きたいと思い志望しました。
●二人目:Bさんの志望理由
御社の法人営業部で行っているネットワークソリューション・プロジェクトの仕事に携わりたいと思い、志望させて頂きました。先日、法人営業部で働く、渡辺一郎様にお話を伺い、ますます興味が強くなりました。他にも情報セキュリティの仕事やソーシャルメディアコンサルティングの仕事にも強い興味を持っています。
●三人目:Cさんの志望理由
はい、自分を大きく成長させたいので志望させて頂きました。御社は業界トップクラスの企業であり、大変優秀な社員が多数いらっしゃいます。したがって、自分を成長させるにはもってこいの環境だと思います。どんな厳しさも持ち前のねばり強さで乗り越えます。よろしくお願いします。
■3人の志望理由の解説
●一人目:Aさん
Aさんは、幅広い年代の人と接することができる企業に入りたいようですが、それならば当社に限らず、他にいくらでもあります。これでは、志望企業に対する“志”になっていません。熱意も目的意識も全く感じられません。
●二人目:Bさん
Bさんの志望理由には、当社で取り組みたい仕事が具体的に述べられており、目的意識の高さが感じられます。当社の社員にOB訪問もしていて熱意も感じます。評価はとても高いです。
●三人目:Cさん
「自分を成長させたい」と言っていますが、どう成長させたいか何のビジョンも提示されていないので大変幼稚な内容に感じられます。本当に成長させたいと思っている人は、取り組みたい仕事が明確に示されているものです。
■高評価の志望理由
志望理由(志)に具体性を持たせる上で、役立つことは以下の4点です。①志望企業のホームページにあるIR情報を読む。②OB訪問や会社訪問、店舗見学をする。③会社説明会で社員に積極的に質問する。④志望企業・志望業界の新聞記事のスクラップをする。これらを実行すると、志望企業でどんな仕事をしたいか、はっきり見えてきます。志望理由の内容がとても具体的になり、目的意識の高さが感じられるものになります。そして、実行したことを志望理由の文中に盛り込むと、説得力も格段に増します。
なお、入社後に取り組みたい仕事は、3つ以上言えるようにしておくことをお勧めします(メイン1つ・サブ2つ以上)。すると、目的意識の高さに加えて、柔軟性や適応性、視野の広さもアピールできます。たとえば、「特に取り組みたい仕事は○○です。他にも強く興味がある仕事は、□□と△△です」という感じです。(※Bさんの返答もこの形式の一種)
今回は志望理由の基本を解説しました。特殊な書き方、発展的な書き方については改めて解説します。
キャリアデザイン研究所代表。大学非常勤講師(就職指導担当)。ES本・面接本とも売上1位。(有名書店・大学生協・売上ランキング)。全国の大学等で就職講座の講師を務める(実績:東京大学・京都大学・千葉大学・岡山大学・早稲田大学・慶應義塾大学・立教大学・法政大学・日本大学など62大学)。●大学時代に就職支援ボランティアをしたことがきっかけで、将来、就職コンサルタントになることを志し、証券、広告、新聞、教育業界で勤務後、独立。●著書68冊。『内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版』・『内定者はこう話した! 面接・自己PR・志望動機 完全版』(高橋書店)、『何をPRしたらいいかわからない人の受かる!自己PR作成術』(日本実業出版社)など。●ツイッターで毎日指導(@SakamotoNaofumi)。