Q.『“落ちる自己分析”と“受かる自己分析”の違いを教えてください』 (前編)
多くの就活生が、落ちる自己分析(=間違った自己分析)を行っています。そして、内定を逃しています。落ちる自己分析は4タイプありますが、今回と次回で、2タイプずつ解説します。
坂本塾長の「気合い回答」
未来を描く自己分析、長所を見つける自己分析が内定獲得の秘訣!
■落ちる自己分析1.【過去ばかり見る自己分析】
面接官は、受験者の過去のことだけではなく、未来のことも質問してきます。よって、未来(将来やりたい仕事等)も具体的に話せるように分析・準備しておく必要があります。
→過去ばかり見る自己分析では、未来に関する質問に答えられません。
●東芝内定者Mさんが失敗から学んだこと
就活の序盤で15社に落ちた後、東芝の内定を取ったMさんは、こんな反省をしました。『私は、自己分析とは過去を振り返ることだと誤解していました。そして、自己分析ノートに、小、中、高、大学と過去の自分をまとめました。面接試験では、過去に関する質問は答えられましたが、未来に関する質問はお手上げでした。たとえば、将来やりたい仕事とか、そのために身に付けるべきスキルは何かとかなどについての質問は、具体的に答えられませんでした。このままでは落ち続けてしまうと思い、未来の自己分析もしたら、受かるようになりました』。
■過去も大切だが、未来はもっと大切!
面接官の高評価を得るのは、未来もしっかり考えている学生です。企業に入社すると、仕事で必要な能力・知識等は、自ら計画立てて努力し培うことが求められます。できる社会人は“自分の未来は、自分で作るもの”という意識を持っています。そして、5年後、10年後はどんな自分になるか、そのためにはどんな努力をすべきかを考えています。
■落ちる自己分析2.【短所ばかり見る自己分析】
長所を見ずに短所ばかり見ていると、自信が失われ、厳しい面接に受かるための精神的な強さや心の余裕を持つことができなくなってしまいます。その結果、落ち着きを失い、オドオドしたり、極度に緊張したりしてしまいます。
→短所ばかり見る自己分析では、自分に自信をつけることができません。
●NHK内定者Aさんが失敗から学んだこと
34社も落ち続け、35社目でNHKの秋採用の試験に受かったAさんは、こんな反省の弁を述べました。『落ち続けた理由は、私のマイナス思考の自己分析に問題があったからです。私は自己分析の際、短所ばかりに目が行っていました。たとえば、大学受験に失敗したこと。語学も苦手。人に誇れるような経験や資格は何もなく、ゼミやサークル、アルバイトでもリーダーを務めたことは1度もないことなどです。自分に自信が全くなくなり、面接でビクビクし、極度に緊張したりするようになってしまいました。ところが、長所を見つけるために他己分析をするようになったら、90も見つかり、自信が生まれて平常心で面接を受けられるようになりました』。
■長所は、他己分析をすると短期間で数多く見つかる!
マイナス思考の人は短所だけに目が行ってしまう傾向が高いので要注意です。短所を把握することも大切ですが、長所を把握するのはその何十倍も大切です。長所を大量に見つける(手軽な)方法は他己分析です。友人に自分の長所を3つ~5つ程度、書き出してもらいましょう。10人以上お願いすることをお勧めします。私の就職対策講座の受講生には実行してもらうのですが、少ない人でも30、多い人は100以上の長所を見つけて、自分に大きな自信をつけています。自己PRネタが膨大に増えますので、エントリーシートを書くのも容易になります。
※次回のコラムでは、落ちる自己PR3と4を解説します。併せてお読みください。
キャリアデザイン研究所代表。大学非常勤講師(就職指導担当)。ES本・面接本とも売上1位。(有名書店・大学生協・売上ランキング)。全国の大学等で就職講座の講師を務める(実績:東京大学・京都大学・千葉大学・岡山大学・早稲田大学・慶應義塾大学・立教大学・法政大学・日本大学など62大学)。●大学時代に就職支援ボランティアをしたことがきっかけで、将来、就職コンサルタントになることを志し、証券、広告、新聞、教育業界で勤務後、独立。●著書68冊。『内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版』・『内定者はこう話した! 面接・自己PR・志望動機 完全版』(高橋書店)、『何をPRしたらいいかわからない人の受かる!自己PR作成術』(日本実業出版社)など。●ツイッターで毎日指導(@SakamotoNaofumi)。