アナウンサー志望者の自己PR(学習塾のアルバイト)の添削例
朝日新聞社主催・就職フェア(2013/6/29)でおこなった『ESコンテスト』の講評です。今回は第8回で、『アナウンサー志望者の自己PR(学習塾のアルバイト)』に対する改善アドバイスです。
アナウンサー志望者の自己PR(学習塾のアルバイト)を添削しました。
添削前と添削後を比較して読んでください。志望企業の仕事に役立つアピールポイントにすることの重要性がわかります。
[添削前]
【ここがダメ】
高倍率のアナウンサー試験に受かるためには、改善すべき点が2点あります。
① アナウンサー試験に受かるには、このアピールポイントでは弱い。
アナウンサーの仕事に役立つアピールポイントになっていません。添削前のアピールポイントは「多世代の人に発信し、広めていくことはどういうことか考えている(発信することに魅力を感じている)」ですが、このようなことは、マスコミ志望者全員が、考えていること(魅力に感じていること)であり、当たり前のこと過ぎます。考えているだけ(魅力を感じているだけ)では、アピールポイントとしては非常に弱く、500倍以上の受験倍率のアナウンサー試験に受かるのは難しいです。
② 具体例や数字がないので言いたいことがわかりにくい。
「具体例・データ(数字)」がないので、言いたいことがわかりにくいです。アナウンサーは、第三者にわかりやすく伝える力が必要とされる仕事なので、この書き方をすると、アナウンサーとしての能力・適性が低いと思われてしまいます。情報の伝達には、内容が端的にわかる具体例・データを添えることが大切です。
[添削後]
大学に入って3年間、学習塾で講師のアルバイトをしてきました。生徒たちと関わる中で、自分の話のネタ、話し方次第で、相手の心を動かせることに強い関心を持ちました。毎回、講義前に「滑らないネタ」を一つ二つ考えておき、生徒たちをゲラゲラ笑わせます。講義は週3回なので1年間で約100回、3年間で約300回。コツコツ実行しているうちに、とっておきの「滑らないネタ」は30以上たまりました。面接でいくつか披露します。
【改善のポイント】
① アナウンサーとしての能力があることを感じさせるアピールポイントにした→(笑わせるトーク術)
② 具体例・データ(数字)を盛り込み、わかりやすくした→(滑らないネタは30以上)
③ 文末に「面接でいくつか披露します」と太字で書いて、度胸・積極性も強くアピールした
■仕事で役立つ(実践的な)能力をアピールポイントにすると高評価!
自己PRで高評価を得るために根本的に重要なことは、志望企業・志望職種の仕事で役立つ実践的な能力をアピールポイントにすることです。
1.志望企業の仕事内容を徹底的に研究して、仕事で必要な能力を洗い出す。
2.そして、自分の体験の中で、それらの能力を培っていないか自己分析する。
このプロセスを経ると、高評価を得る自己PRになります。
キャリアデザイン研究所代表。大学非常勤講師(就職指導担当)。ES本・面接本とも売上1位。(有名書店・大学生協・売上ランキング)。全国の大学等で就職講座の講師を務める(実績:東京大学・京都大学・千葉大学・岡山大学・早稲田大学・慶應義塾大学・立教大学・法政大学・日本大学など62大学)。●大学時代に就職支援ボランティアをしたことがきっかけで、将来、就職コンサルタントになることを志し、証券、広告、新聞、教育業界で勤務後、独立。●著書68冊。『内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版』・『内定者はこう話した! 面接・自己PR・志望動機 完全版』(高橋書店)、『何をPRしたらいいかわからない人の受かる!自己PR作成術』(日本実業出版社)など。●ツイッターで毎日指導(@SakamotoNaofumi)。