旅行会社志望者の自己PRの添削例
朝日新聞社主催・就職フェア(2013/6/29)でおこなった『ESコンテスト』の講評です。今回は第20回で、『旅行会社志望者の自己PR』に対するアドバイスです。
旅行会社志望者の自己PRを添削しました。
添削前の書き方と添削後の書き方を比較して読んでください。企画案を(数多く)考えたことをアピールするとインパクトが高まることがわかります。
[添削前]
【ここがダメ】
この文章内容では、旅行が好きなだけの人であり、ビジネス感覚があることが感じられないです。旅行会社で活躍できる人には思われないので、高評価は得られないです。文末の「夢を持ち続け実行する力が売りです」と主張していますが、(この文脈では)実行という言葉が、自分が旅行をすることになってしまっています。採用担当者は、旅行ビジネスを実行できる人を求めているのです。ビジネス目線の内容に改善する必要があります。
[添削後]
幼い頃から各旅行会社発行の旅行パンフレット集めが趣味でコレクションは現在320冊。過去から現在の企画を比較研究しています。大学生になり、アルバイトでお金を貯めては海外旅行に行くようになり、20日間イタリア全体をめぐる23万円の旅行など、少し高価な旅も経験しました。将来、御社で旅行に携わる仕事がしたいと思い、OG訪問で「売れる旅行企画」と「顧客が手に取るチラシ」の秘訣を教わり、自分で10種類制作しました。サークルやゼミでのアンケート調査で好評でした。面接でご覧ください。
【改善のポイント】
① 旅行企画を考えたことを見出しに盛り込み、旅行ビジネスの感覚があることを強くPR
② 趣味で集めた旅行パンフレットの数を明記して、比較研究していることを書き、ビジネス感覚をPR
③ OG訪問で「売れる旅行企画」「顧客が手に取るチラシ」について教わったことを書き、ビジネス感覚をPR
■企画案を考える際は、朝日新聞の記事を参考にすると数多く作れる!
改善例の「10種類の旅行企画」を考え…。という文章を読んで、そんなに考えるのは難しいと思った人にアドバイスです。実は、朝日新聞の記事を参考すると数多く作れます。たとえば、JTBに関する記事だけでも、ここ1年間(2013年1月~12月)で200前後あります。他の旅行会社の記事も併せると更に増えます。記事の内容は、旅行会社の最新の動向、および、最新の旅行企画に関するものです。何百もの記事を参考にできるのですから企画案を10程度考えることは難しい事ではなくなるのです。
近年、(旅行会社に限らず)各業界のエントリーシート・面接で、新商品・新サービス・新ビジネスの企画案を求められることが多くなっています。新聞記事を参考にすると、客観的なデータに基づいた、レベルの高い企画案を考えることができます。各企業の新聞記事は、日々、スクラップをしておくことが望ましいです。なお、朝日新聞デジタルの過去記事検索機能を使うとイッキにリストアップして調べあげることができて、大変便利です。
キャリアデザイン研究所代表。大学非常勤講師(就職指導担当)。ES本・面接本とも売上1位。(有名書店・大学生協・売上ランキング)。全国の大学等で就職講座の講師を務める(実績:東京大学・京都大学・千葉大学・岡山大学・早稲田大学・慶應義塾大学・立教大学・法政大学・日本大学など62大学)。●大学時代に就職支援ボランティアをしたことがきっかけで、将来、就職コンサルタントになることを志し、証券、広告、新聞、教育業界で勤務後、独立。●著書68冊。『内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版』・『内定者はこう話した! 面接・自己PR・志望動機 完全版』(高橋書店)、『何をPRしたらいいかわからない人の受かる!自己PR作成術』(日本実業出版社)など。●ツイッターで毎日指導(@SakamotoNaofumi)。