学生時代、失敗したことはありますか?にロジカル返答
皆さん こんにちは
就職コンサルタントの坂本直文です。
【面接官の質問にロジカルに返答するスキル】をレクチャーします。今回は、「学生時代、失敗したことはありますか?」の対策です。これは、あらゆる業界、職種の面接で頻出です。この質問は、質問意図に要注意です。失敗経験があること自体は全く問題ありません。重視されるのは、どんなことに挑戦したのか。及び、失敗後の対策です。
「質問意図」を知っておこう!
質問意図は2つあります。一つは、(簡単には達成できないような)高い目標を掲げて努力するタイプかのチェック、もう一つは、失敗後に反省と対策をきちんと行うタイプかのチェックです。
●ロジカル返答の秘訣=質問意図を満たす「具体例」を答える
今回の質問では質問意図が極めて重要です。質問意図を外した返答では評価は大きく下がります。以下の2点を満たす具体例を話すことが必要です。
・大学入学後に努力した高い目標に対する挑戦
・失敗後にきちんと反省と対策を行っている
ただし、高校時代の努力でも、大きな大会一位や日本一、世界一を目指して努力したこと、難関資格の取得を目指して努力したこと、大学生や社会人が行うようなことへの挑戦ならば高評価が得られます。
●内定者の返答内容例
内定者達はどんな返答をしていたか調査しました。主なものを紹介します。
・「アルバイト先の売上を全店1位にすることに挑戦したこと」
・「アルバイト先やインターンシップのコンテストで1位獲得に挑戦したこと」
・「大学の研究活動で新たなジャンルや発見に挑戦したこと」
・「留学や海外ボランティア、海外インターシップで新規プロジェクトに挑戦したこと」
・「(そのジャンルでは最高レベルの)1級の資格に挑戦したこと」
・「TOEIC900点等のハイスコアを目指して努力したこと」
・「スポーツや文科活動で、大会1位や日本一、世界一を目指して努力したこと」
・「自分でウェブサイトを立ち上げて収益を上げることに挑戦したこと」
・「新たなプログラミングやアプリの開発に挑戦したこと」
・「フリーペーパーやミニコミ誌の発刊に挑戦したこと」
・「自分でサークルを立ち上げることに挑戦したこと」
・「初心者からチームで1位(大会で1位)になることに挑戦したこと」
・「サークル活動等で歴代の最高実績を超えることに挑戦したこと」
●「大学受験を失敗しました」は低評価
返答で一番多いのは「大学受験を失敗しました」です。残念ながら高評価を得ている人は少ないです。理由は3つあります。①同様のことを言う受験者が多すぎて埋没するリスクが高い。②面接官に同じ大学出身者がいた場合は気持ちを害してしまう。③面接官は、大学入学後の努力のほうが、どこの大学に入学したかよりも重要性が高いと考えている。
大学受験のことを返答する場合は、失敗後の努力(大学入学後の努力)をかなり際立たせた内容にする必要があります。
この質問には、この「掘り下げ質問」が来る!
「学生時代、失敗したことはありますか?」の質問後は通常、以下の掘り下げ質問がきます。
掘り下げ質問:「失敗の後、どんな努力をしましたか?」
この掘り下げ質問でトップクラスの高評価を得る秘訣は、志望企業の仕事にも役立つ教訓を得ていることと、意識改革や行動改善をしていることです。
ロジカル返答の合格例
質問:「学生時代、失敗したことはありますか?」
返答:はい、あります。昨年のことですが、秘書技能検定1級に落ちたことです。2級には受かっていて、今回も受かるだろうと思っていましたが、勉強の仕方が全く持って甘かったです。私は、勉強時間を固定化していなかったので、勉強する日としない日のムラがありました。この失敗経験から、勉強を毎日の生活の中で習慣化することの大切さを学びました。
→ロジカル返答スキル:
質問意図の1つ目に対応する「高い目標への挑戦を述べること」が重要。資格試験ならば、最も難しい級(最も高い級)への挑戦が好印象。※高い目標に挑戦した話をすると、仕事でも高い目標を掲げて努力するタイプだと類推されて高評価が得られる。
掘り下げ質問:「失敗の後、どんな努力をしましたか?」
返答:はい、同じ失敗を二度と繰り返さないために、毎日欠かさず、決まった時間にきちんと勉強する習慣をつけることにしました。そして、起床後の時間、通学時間、日中の隙間時間の有効活用を決意しました。具体的には、毎日、朝6時に必ず起きて30分勉強、通学電車で1時間勉強、授業と授業の合間に1時間勉強の習慣をつけました。
御社の会社説明会で、社員の鈴木花子様に質問した際、御社では入社後2年間で5つの資格の取得が必要とされていると伺いました。私は入社後も、身につけた勉強習慣を継続して、それらの資格をトップクラスの成績で受かって、仕事で貢献できるように頑張ります。
→ロジカル返答スキル:
質問意図の2つ目に対応する「失敗後の反省と対策を述べること」が重要。この学生は、志望企業の仕事に役立つ教訓を得て、勉強習慣を確立した話をしているので、入社後の成長と活躍を期待されてトップクラスの高評価が得られる。
→ロジカル返答スキル:
社員に質問して、アピール内容に関する調査をしてあると説得力UP。
キャリアデザイン研究所代表。大学非常勤講師(就職指導担当)。ES本・面接本とも売上1位。(有名書店・大学生協・売上ランキング)。全国の大学等で就職講座の講師を務める(実績:東京大学・京都大学・千葉大学・岡山大学・早稲田大学・慶應義塾大学・立教大学・法政大学・日本大学など62大学)。●大学時代に就職支援ボランティアをしたことがきっかけで、将来、就職コンサルタントになることを志し、証券、広告、新聞、教育業界で勤務後、独立。●著書68冊。『内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版』・『内定者はこう話した! 面接・自己PR・志望動機 完全版』(高橋書店)、『何をPRしたらいいかわからない人の受かる!自己PR作成術』(日本実業出版社)など。●ツイッターで毎日指導(@SakamotoNaofumi)。