特別編 緊急アドバイス「履歴書に書くことを何も思いつかない場合の対策」
就活生からの質問
『私は履歴書に書くことが何もありません。「得意な科目またはゼミ」欄は、どの科目も成績は悪く、ゼミも入っていません。「課外活動」欄は、アルバイトしかしていません。「特技・資格」欄は、資格は何も持っていません。「趣味」欄は、無趣味なので書くことがありません。こんな私にアドバイスをお願いします』
今回は、履歴書やエントリーシートに書くアピール内容についてのレクチャーです。(高評価されるアピール内容は履歴書もエントリーシートも同じです)。中小企業では、インターンシップの選考試験、および、本試験で履歴書が使われることが多いです。大企業では、エントリーシートが使われることが多いですが、履歴書が使われることもあります。
坂本塾長の気合回答
アピール内容は、仕事に役立つ小さなことで高評価が得られる!
なぜ、書くことが何も思いつかないのか?
結論から言うと、「書くことが何もない人」はいません。私は毎年、何千人もの学生のエントリーシート・履歴書の指導をしていますが、最初は全く書くことがなかった人でも、カウンセリング(個別指導)をすれば山のように掘り起こされます。
●人より優れたことを書かなくても大丈夫です
実際は、山のように書くことがあるのにも関わらず、1つも思いつかないのはなぜでしょうか。その理由は、間違った思い込みを持っていることにあります。つまり「履歴書には他者よりも優れたことを書かなければならない」という(間違った)思い込みです。読者の皆さんも、「他者よりも優れたことを書かなくては受からない」という思い込みがありませんか? 人気企業志望者の場合は、飛び抜けて優れたことを書かなくては受からないと思い込んでいませんか?
しかし、そんなことは全くありません。各業界のトップクラスの企業に受かっている学生でも、別に飛び抜けて優れたことを書いたから受かったわけではないのです。「何も書くことが全く思いつかない人」は、発想を切り替えましょう。重要なのは、「仕事に役立つ小さなこと」を書くことです。たとえどんな小さなことでもよいです。無理して大きなこと、大きな成果を書かなくても大丈夫です。各欄の具体的な改善点は以下の通りです。
●「得意な科目またはゼミ」欄:どの科目も成績は悪く、ゼミも入っていません
→成績をアピールするのではなく、学習態度をアピールする
●「課外活動」欄:アルバイトしかしていません。しかも何の成果もありません。
→アルバイトで頑張ったことや心掛けていたことを書く。もしくは、大学のボランティアセンターや市役所等の自治体が紹介するボランティア企画に複数回参加する。短期のものでもよい。
●「特技・資格」欄:資格は何も持っていません。
→資格がない場合は、仕事に役立つことを特技として書く。もしくは、将来の仕事で必要になりそうな資格の参考書を買い、勉強を始め、取得に向けて勉強中と書く。
●「趣味」欄:無趣味なので書くことがありません。
→趣味がない場合は、仕事に役立つことを趣味として書く。もしくは、仕事に役立つ趣味をこれから始める。
実例紹介
最初は「書けることは何もありません」と言っていた学生ですが、この改善点を実行して、見事志望企業の内定を獲得した事例を紹介します。
「得意な科目またはゼミ」欄:
→情報メディア論(毎日コツコツ努力し、レポート提出40回)
「課外活動」欄:
→ボランティア(介助ボランティア、清掃ボランティア、作業ボランティア等)
「特技・資格」欄:
→パソコン(ワード・エクセルは実務レベルで使えます)
「趣味」欄:
→私はメモ魔です(何でもメモを取り、1度教わったことは忘れない)
得意な科目欄の内容は、一番大変だった科目について、カウンセリングで掘り下げ質問をした際に出てきたネタをまとめたものです。課外活動欄の内容は、急遽、大学のボランティアセンターで紹介してもらったものです。特技・資格欄の内容は、レポートはどのように書いているかを掘り下げ質問した際に出てきたネタをまとめたものです。趣味欄の内容は、アルバイトをしている時に心掛けていたことを掘り下げ質問した際に出てきたネタをまとめたものです。
どんな人でも発想を切り替えれば、必ず書くことが見つかります。人より優れたことを書かなくても、仕事で役立つ小さなことを書けばよいのです。発想を切り替えて、仕事に役立つ小さなことをリストアップしてみましょう。
キャリアデザイン研究所代表。大学非常勤講師(就職指導担当)。ES本・面接本とも売上1位。(有名書店・大学生協・売上ランキング)。全国の大学等で就職講座の講師を務める(実績:東京大学・京都大学・千葉大学・岡山大学・早稲田大学・慶應義塾大学・立教大学・法政大学・日本大学など62大学)。●大学時代に就職支援ボランティアをしたことがきっかけで、将来、就職コンサルタントになることを志し、証券、広告、新聞、教育業界で勤務後、独立。●著書68冊。『内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版』・『内定者はこう話した! 面接・自己PR・志望動機 完全版』(高橋書店)、『何をPRしたらいいかわからない人の受かる!自己PR作成術』(日本実業出版社)など。●ツイッターで毎日指導(@SakamotoNaofumi)。