仕事力~働くを考えるコラム

就職活動

「ITは社会を良くする原動力」
吉村 総一郎が語る仕事--2

就職活動

変化に追いつく高校へ

プログラミングは一生役に立つ

6年前に創立した通信制のネットの高校、N高の副校長とプログラミング講師を経て、僕は今、2021年に開校したS高の校長を務めています。少子高齢化が加速していく中で、IT活用によって生産性を上げるIT教育の下支えを目指したい。僕も高校時代に、学校行事のマスゲーム制作を通じてコンピューターやプログラミングに出会い、ITの大きな可能性と面白さを体験しました。
 すでに僕らの日常はパソコンやスマホ、ICカード乗車券などIT技術で便利になっていますが、もしどれかが全く使えなくなったら一日で大混乱になるでしょう。それほど欠かせない分野で、やがて5年後、10年後には現在の高校生世代に社会の多くを担ってもらうことになります。でも、少し前までは学校でプログラミングなどの授業はほとんど行われず、パソコンは設置していてもインターネットにつなぐことは禁止という学校もあったんですね。
 誤解を恐れずに言えば、N高/S高は、社会との隔たりがかなり大きい従来の高校教育に危機感を持って作った学校です。もともと我々はウェブ企業なので、早い時期からコンピューターで仕事をし、会議をし、プログラミングで作業を自動化するなどIT技術を駆使してきました。そんな仕事の効率化を通信教育の現場に持ち込み、世界の動きを実感してくれればと思っていたのですが、新型コロナの影響によってわずかこの2、3年で一般企業もどんどんリモートワークに移行してきました。本当に変化は早い。
 これから、ほとんどの情報はコンピューターを介してやってくると考えられるので、プログラミングの素地習得はやはり10代から始めたい。なぜならプログラミングは他の学問で言うと音楽や美術に近く、とても汎用(はんよう)性の高い知識だと思うからです。例えば音楽の素養があれば、現在のように多くの人が映像を作る時代に音の演出ができたり、美術の教養を持っていればインテリアやイベントなどに応用できたりする。それと同じでプログラミングを理解していれば、コンピューターを用いたアイデアを様々な仕事で生み出せます。だからプログラミングを学べば一生の役に立つと思うのです。

飛行機からでも布団からでも

今は仕事を取り巻くIT環境が進化しているだけでなく、通信制を選んで入学してくる生徒の状況や考え方にも動きを感じます。プログラミングコンテストで優勝し難関大学にも軽々と推薦で入学できそうな生徒が、この高校は面白そうだと入ってくることもあれば、不登校で全日制高校の出席日数不足だからここで卒業資格を取るという生徒もいます。どんな状況で本校に入学あるいは転校してきても、自分らしく学べるのが通信制の懐の広さです。
 誰でもスマホがあれば、ちょっと極端な例ですが移動中の飛行機からだろうと布団の中からだろうと、規定の映像授業を受けられる。そしてリポートを提出し、きちんと必要な単位を取れば卒業できるのです。午前中に勉強して、たっぷり空いた時間はアルバイトやボランティア、趣味の制作、仕事のインターン、仲間との活動など自由に選べばいい。次回はその時間の中で「自分」を見つけられる話をお伝えしたい。(談)

よしむら・そういちろう/学校法人角川ドワンゴ学園S高等学校校長。1982年広島県生まれ。東京工業大学大学院修了。先進的な金型ベンチャー企業を経て(株)ドワンゴ入社。ニコニコ生放送のシステム更新を指揮したITエンジニア。2016年からネット高校、角川ドワンゴ学園N高のプログラミング教育を担当。21年2校目となるS高にて現職。
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