新聞を広げることで、社会の中で自分が活躍できる居場所を見つける
就活の前にまず「働くとは何か」について考えたい
就職活動を通して、本当にたくさんのことを学び、多くの気づきがありました。これから就職活動をする皆さんに、少しでも役に立てればという想いで、いくつか話をしたいと思います。
僕は自分に合った企業や業界を考える以前に、「働くってどういうことなのか」ということをずっと考えていました。学校では明確な答えを教えてくれません。アルバイトをしてみても、それは自分の時間や体力をお金に換えているにすぎないと感じていました。では、本当の意味で働くとはどういう意味なのか。所属している社会学部の授業で「労働とは何か」という話を聞いたことをきっかけに真剣に考えるようになりました。
社会学部では、そもそも資本主義とは何か、国家とは何かという勉強をしますが、そうした社会の仕組みやその構成要素を知ったうえで、自分がこれからやれることは何かという視点から自身のキャリアを考え始めたんです。自己分析して自分のやりたいことから業界を探すというやり方ではなく、いわば社会のニーズに自分を当てはめていました。それからは「自分の価値」についてよく考えるようになりました。
自分がしっくり馴染む社会を見つけるため新聞を購読
大学に期待したことは、自由な議論ができる環境でした。自分の思っていることをはっきりと発言しても周りに引かれない場所を求めていました。高校まではきちんと意見をぶつけ合いたいのにそれができる相手がなかなかいなかったため、大学なら自分と異なる意見を出してもらえるだろうという期待がありました。そのためには自分がきちんと言葉を持たなければならず、それには新聞が欠かせませんでした。
僕は四国の出身で、多くは地方紙を購読するなか、うちは、全国や世界という広いレベルで何が起こったかを見て欲しいという家族の考えから、朝日新聞を購読していました。そのため小学校の頃から、新聞を床に広げ、その上に乗っかり、見出しを辿るように読んできました。大学のグループワークでアイデア出しをする際、机にさまざまな意見を並べ、それを俯瞰して頭の中を整理していきますが、それと同じ感覚です。この見出しが大きいのは編集者のこんな意図があるんだろうなと考えたり、このレイアウトになっているのはきっとこんな意味があるんだろうなと想像しながら読むことが大切だと思っています。
ある時大学の授業で先生が、「いま豆腐がいくらかわかる人?」と僕たち学生に問いかけました。その時勇気を出して応えたのですが、政治や経済といった大きな動きだけではなく、生活に密着したレベルでの社会の変化にも目を向けることが大切だと評価され、嬉しかったことを覚えています。新聞では世界規模のニュースから、野菜の高騰といった生活に密着した社会の隅々までを俯瞰できる情報が詰まっています。こうして得た知識が就活では役に立ちました。
自分と会社との間にどのような接点があるかを探る
「一見つながりがないようなところに、つながりを見出す楽しさ」を、就職活動を通して実感しています。つまり、自分と会社の仕事との距離の話なのですが、接点が無いように思えても、その間にこれまでの「知識」を挟み込むことで、どんどん繋がっていくと感じました。その知識を大学時代、新聞やテレビのドキュメンタリー番組、そして授業から吸収してきたことが本当に役立ちました。そしてその繋がりは、相手との会話を通して見つかるもの。僕は大学3年生の時、たくさんの社会人と会話する機会を積極的に求めるようにしていました。
就職活動においては、本当に入社したいという会社から内定を頂くことができました。僕は数社しか受けませんでしたが、そのすべてに対し、自分に需要があるという気持ちで臨みました。具体的には、大学のゼミでプログラミングやアプリの作成について学んできたため、それを直接活かせる業界へと思ったこともありましたが、その業界ではもっとできる人はたくさんいるし、差別化できない。そこで業界は絞らず、視野を広げて会社を探した結果、電子書籍やITソリューションにも力を入れているDNPと出会いました。自分がこれまで学んだ「知識」を活かしながら、営業と技術者をつなげる人材になれるのではないか。さらに、DNPのことを知れば知るほどその業務範囲は広く、入社してもっと多くのことを吸収し、自分のキャリアにおける可能性も広げたいという思いが強くなりました。志望する会社において、自分が貢献できることを探すと同時に、入社後、自分はどう仕事に取り組んで、どのような価値をもった人物になりたいのかを考え、その思いをしっかりと会社に伝えることも大切だと思います。そうすることが、自分に合うと思える会社と出会う近道だと思いました。