仕事力~働くを考えるコラム

就職活動

「使命感を持ちチームと進む」
石山 アンジュが語る仕事--1

就職活動

平和への糸口を問う10代

スケッチブックを持ち海外へ

小さい時からなぜか戦争映画をよく見ている子どもでした。やがて12歳で両親が離婚し、同世代よりは早く自分の生きる意味を問う中学生となり、また戦争や平和についても考えるようになりました。高校時代は勉強も好きでしたが、「ジョン・レノンやマイケル・ジャクソンのようなピースメッセンジャーになりたい」と、アーティストを目指して歌やダンスに熱心でした。
 
どうしたら平和って実現できるのか。それがずっと心の中にあって、高校の先生に進路を相談し「平和研究」という専修分野がある大学を選んだのです。在学中は2年間、NHKの「プロジェクトWISDOM(現・グローバルディベートWISDOM)」という国際問題を扱う番組でアルバイトをし、世界の情報に触れていました。ただ、大学の平和研究は国際開発や紛争解決といった内容で、これを学ぶ過程で政治と経済のアプローチでは「誰一人取り残さない」という解決策を見いだすのは難しく、私が描いている「みんなが手をつないで、みんなが家族」というような夢は到底実現できないようだと。大学の勉強でそれをはっきり実感しました。
 
そこで私は、「あなたにとって世界平和とは何ですか?」と書いたスケッチブックを持って、海外の街角で聞いて回るプロジェクトを立ち上げました。大学もその活動に共感してくださって、世界各地に留学している同級生が現地で同じ質問を投げかけてくれました。その中で世界の人たちから返ってくる答えは難しい話ではなく、愛や家族、「大切な人を大切にする」といった言葉でした。また、マザー・テレサはノーベル平和賞を受賞した時、世界平和のためにできることは何かと問われ、まず家に帰って家族を愛してあげてくださいというふうに答えたそうです。
 
こうした色々な文脈を通して、「愛を持つことや、人間にそもそも備わっている良心」というものが、対立や境界線を越える糸口かも知れないと思いながら学生生活を送りました。

シェアリングという希望

卒業後はリクルートに就職。勤務した3年の間には、新卒採用やダイバーシティー推進といった得意先の様々な人材領域のコンサルティングなどを担当しましたが、その中で強い違和感を持つことが数多くあったのです。それは、当たり前のように個人の人生が組織の倫理に左右されてしまう現実でした。例えば昨日まで北海道勤務の人が、明確な根拠も示されず転勤になる。景気の変動で学生の採用数が決まる。それらはあまりにも個人にとって不可抗力的だ、と私には思えたのです。
 
組織が個人にもたらす影響は、本当に大きいと感じます。私たちには、組織に依存しなくても自立的に仕事を選べるといった選択肢はないのだろうか。そんな問いが、新たなつながりを作る「シェアリングエコノミー」という分野への関心になっていきました。「シェア」という考え方に引かれた理由のもう一つは、実家が今で言うシェアハウスで、幼少の頃から血縁ではないお兄さんやお姉さんに面倒を見てもらえる環境だったことです。社会的な枠組みにとらわれなくても幸せの形はある。そちらへ動こうと心を決めました。(談)

いしやま・あんじゅ ●(一社)シェアリングエコノミー協会事務局長、内閣官房シェアリングエコノミー伝道師。(一社)パブリックミーツイノベーション代表理事。1989年神奈川県生まれ。国際基督教大学卒業後、(株)リクルート(当時)入社。その後、(株)クラウドワークスの経営企画室を経て現職。「シェア」による新しいつながりを提案する活動を通して、社会課題の解決などに携わる。著書に『シェアライフ 新しい社会の新しい生き方』がある。
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