お嬢様芸人の「せんきょの学校」ツイキャスで
「選挙権50歳以上」で激論?

いよいよ18歳、19歳が投票できる参議院選挙が公示されました。新たに有権者となるのは約240万人。投票日はすぐそこ、7月10日です。
新しい有権者のみなさん、心の準備はできていますか?
最近テレビ番組でよく見る「お嬢様芸人」たかまつななさんの、「せんきょの学校」を見てみませんか。スマートフォンのライブ配信サービス「ツイキャス」で、いつでも簡単に見られます。
学校の先生はたかまつさん。生徒は2人。ツイキャスで人気急上昇中のシンガー・ソングライター、ましのみさん19歳と、おなじくツイキャスで有名な嵐ファン、さとえりさん18歳です。朝日新聞の企画「Voice1819」の一環で集まってもらいました。
生徒の2人は、政治や選挙にはあまり関心がなかった様子。たかまつ先生が、さぐりさぐり尋ねます。
「最近気になったニュースは?」
「マスゾエさん?かな」
「政治は関心ある?」
「うーん、まあ」
「新聞読んでますか?」
「……読んでないです」
そんなもんですね。ていうか、大人だってそんなもんです。大丈夫です。
急に「投票しろ」と言われても分からないんじゃないですか。選挙、行きますか?
「……行かないかも」
セキニン感なかったのに、急に
たかまつ先生は、「家に残っていたプリン1個をだれが食べるか決めるとき、どうやって決めますか」と尋ねます。
まずは「殴り合って決める」。弱肉強食、強い者が勝つ家族です。
次は「掟(おきて)で決める」。我が家ではなんでも父さんが先だ(怒)とか、無理な決まりが最初からある家族ですね。
そして「投票で決める」。
選挙は社会のものごとを決める人を投票で選ぶ仕組みですね。一見よさそうですが、数の力で決めるとなると、少数派は無視されてしまうのではないでしょうか。でも、アメリカのオバマ大統領は、アメリカでは少数派の黒人ですよね。
一方で、かつてユダヤ人虐殺を遂行したドイツの元首相ヒトラーも、選挙を通じて首相に就いたことを知っていましたか。
楽しいノリだった授業が、一瞬にしてシーンとした雰囲気に。強制収容所のガス室で亡くなった人たちのおびただしい数の靴の写真がプロジェクターに映し出されました。
「セキニン感なかったのに、急にキタッ!っていう感じですね」とますのみさん。さとえりさんも深くうなずきます。
「そこまで深刻じゃないにしても、選挙にいかないと損をするかもしれません」とたかまつ先生。なぜなら、みんなが納めた税金の使い道を決める人を選ぶのが選挙だからです。1人の人が一生の間に納める税金と、国からもらうお金はどちらが多いでしょう。実は、世代によってずいぶん違うという試算があるそうです。
選挙に行かないとほんと恐い
ちょっとむずかしくなってきたかな。ここから先は、ロール・プレイング・ゲームをしながら考えます。ましのみさんは「45歳主婦」に、さとえりさんは「80歳の高齢者」になりました。各世代を代表する人が必要だったので、これを書いている記者のわたしも「65歳、来年定年の会社員」になりました。
それで「50歳以下の選挙権を廃止」することに賛成か反対かを討論したところ、「目からうろこ」の展開に――。
あとはツイキャスをごらんください。
授業が終わった後、ましのみさん、さとえりさんに感想を聞きました。
「みんなに言います、選挙行こうって! ラップみたいなノリでもいいから、どんどん巻き込みたい。」(ましのみさん)
「選挙に行かないとほんと恐いと思いました。友だちにも言うし、ツイキャスでも言っちゃおうかな」(さとえりさん)
瞳がランランと燃えています。そう、2人ともたくさんの人とつながっています。ツイキャスでどんどん自分の思うことを発信する姿は、まぶしいです。
記者も今回の出会いを機に、さっそく2人のツイッターをフォローしてしまいました。ましのみさんのアカウントは @mashinomi55 、さとえりさんは @Ars_x3104x です。ツイッターをフォローすればツイキャスの新しい配信が始まる時に、通知されるよう設定することもできますよ。(吉沢龍彦)