新聞を楽しく読み続けるヒントがいっぱい詰まった読者のみなさまの「ちょい読み」を、直接お聞きしたい! そんな思いから、「ちょい読み」編集部のいぐっちーが日本全国の読者のみなさまのもとに突撃しました!!

 

PROFILE

浅野未紗子さん(40歳 公務員
最後は、名古屋市在住で、家事・育児・仕事に大忙しの浅野さん。彼女にとって新聞は「特別な存在」だと言います。忙しい毎日の中でなぜ、どのように読んでいるのでしょうか。

※このインタビューは、好きな新聞の読み方やこだわりの読み方、それにまつわるエピソードを募集した「みんなのちょい読み募集キャンペーン」にご応募いただいた読者のみなさまにご協力いただきました。キャンペーンには、1400件以上のご投稿をいただきました。たくさんのご応募ありがとうございました!

 

新聞を読むのは自分らしくいるため

icon 浅野未紗子さん

実は私も、いぐっちーさんと同じくずっと書く仕事をしてたんですよー。月刊誌の記者を10年やってました。

icon いぐっちー

そうなんですね!
浅野さんの毎日の新聞の読み方を教えてください。

icon 浅野未紗子さん

出勤前はとにかくバタバタで、お天気チェックと1面記事のななめ読みぐらいです。そのまま持って家を出て、通勤時間には「天声人語」や社会面を読んで、お昼休みは地域面や生活面ですね。仕事が終わって子どもたちを学童と保育園に迎えにいって寝かしつける頃には、もう体はくたくたなんですけど、寝る前には政治面や社説を読んで自分の考えと照らし合わせたり、です。

icon いぐっちー

1日中、新聞と共に! という感じですね。大変じゃないですか?

icon 浅野未紗子さん
画像

新聞を読むのは自分らしくいるためでもあるので、大変でもやめようとは思わないですね。誰かの母親でも、妻でも、組織の○○さんでもない「わたし」でいるために、世の中のいろんなことに興味を持って、社会の問題と向き合っていたいんです。

でも、子どもがもっと小さかった頃は本当に自分の時間が持てなくて、出産から2カ月くらいは新聞をめくることすらできなかったです……。

忙しさの中で、社会から取り残され感が……

icon いぐっちー

小さいお子さんがいると、時間のやりくりが大変ですよね。

icon 浅野未紗子さん

毎日子どもを寝かして、おしめ替えて、おっぱいあげて、の繰り返し。「どこまで続くんだろう、このエンドレス!」って思いましたね(笑)。寝かしつけた後は廃人みたいでした。

icon いぐっちー

そんな毎日だと、新聞読んでる余裕なんてなくなりますね……。

icon 浅野未紗子さん
画像

はい。落ち着いてくると、「頭」がぽっかり抜けているような物足りなさを感じるようになったんです。「あれ、世の中で今何が起きてるんだろう?」って分からなくなって。私は「母親」でもあるけど「わたし」でもあるのに、世間から母親としての義務感とか責任感とか、そういう母親像ばかり押しつけられてるって感じる場面が多くて苦しかったし、社会から取り残されて、自分の問題意識が鈍くなっていくことがすごく怖かったですね。だから、子どもと公園に行く時も新聞を持ち歩いたりして、パラパラめくるだけでもするようにしました。読んでると、赤ちゃんは必ずダイブしてくるんですけどね(笑)。そうやって、自分を取り戻してました。

自分と向き合う時間をつくってくれる存在

icon いぐっちー

昔から社会への関心は高かったんですか?

icon 浅野未紗子さん

興味はありましたけど、高校生までは新聞は読んでなかったですねー。なんか、大人が読む物っていう感じ? 読み始めたのは、就活がきっかけだったかな。先輩たちがみんな就活のために新聞読んだり週刊誌読んだりしてたんですよ、昔はね。だから、私も時代のことを知っておかなきゃって。その時の方が真面目に隅から隅まで読んでたけど、義務感が強かったですね。自分らしく読んでる今の方が読むのが楽しいです。

icon いぐっちー

浅野さんにとって、新聞ってどんな存在ですか?

icon 浅野未紗子さん
画像

私にとって、自分と向き合う時間をつくってくれるのが新聞です。どんな仕事や立場にいても、私は社会の一員として問題意識を持っていたいし、ちょっとしたことでも行動できたらなって思うから、新聞はその入り口になっているなって思います。それに、新聞って国の中枢で起きてることから、自分の隣にいそうな人の話まで載っているじゃないですか。私、そういうささやかなところが好きで。だから、気軽に読んでみると案外面白いですよって、あまり読んだことのない人には勧めたいかな。

icon いぐっちー

ありがとうございました!

自分らしさをきちんと持ち続けるために新聞を読む。そんな「書く仕事」の先輩の姿は輝いていて、とてもすてきだなと思いました!

icon いぐっちー

WRITER PROFILE

いぐっちー
2011年、朝日新聞入社。無駄に大きなカバンを担ぎ、「ちょい読み」を求めて日本中を駆け巡る。趣味は探検、徹底的な事実確認。

忙しい働き世代におすすめ!

慌ただしい毎日の中で
「社会に対する自分なりの視点」
を持つには、
が役立ちます!

「声」とは、あらゆる世代が、あらゆるテーマで思いをつづる投稿欄。オピニオン面に毎日掲載されています。身の回りの人間関係にはない幅広い意見に触れることは、自分の意見をまとめるのにも、人の意見を理解するのにも役立ちます。